ずっとチャートを見ていられないけど、なるべく上手に利益を伸ばしたい。そんな時に使うのがMT4のトレーリングストップです。このページではMT4でトレーリングストップ注文を入れる方法を実例を挙げて分かりやすく解説します。
もくじ
トレーリングストップとは?
トレーリングストップとは、ポジションの含み益が増えるにしたがって、ストップロス注文の位置を今の価格に近付けていき、反転してもある程度は利益が残るようにする注文方法です。
トレーリングストップを入れる方法
ターミナルの取引タブに表示されているポジションを右クリック – トレイリングストップを選択します。
次にトレーリングストップで設定したい値幅を選択します。
トレーリングストップの値幅として50ポイントを選択した場合は、1ピップス = 10ポイントなので、5pipsのトレーリングストップになります。
10ポイント = 1ピップスなので、5ピップスのトレーリングストップということになります。
リストアップされている数値以外の数値を設定するには、「カスタム設定」を選択し、数値を直接入力して設定します。
(トレーリングストップの数値には、その通貨ペアのストップレベルよりも小さい値は設定できません。ストップレベルは気配値表示ウィンドウの通貨ペア右クリック – 「仕様」から確認できます。)
これで、ポジションにトレーリングストップを設定することができました。
トレーリングストップが設定できているかの確認は、もう一度ポジションを右クリックしてトレーリングストップを選択して確認します。チェックが入っていればトレーリングストップの設定ができています。
トレーリングストップに50ポイントの設定をしたという意味をもう少し詳しく解説します。
例えばそれが買いポジションであれば、ポジションの含み益が50ポイント、つまり5pipsになった瞬間に、ストップロスの位置をブレークイーブン、つまりエントリーした価格に自動的に上げてくれます。その後は価格が上がるにしたがい、今の価格と50ポイントの距離を維持しながらストップロス注文が今の価格に追随していきます。
価格が下がり始めてもストップロス注文の位置はそのままです。ですから高値から50ポイント下がった時点でトレーリングストップに引っかかり、決済となります。
トレーリングストップにはいくつか重要な注意点があります。
注意点#1 トレーリングストップはストップロスオーダーの代わりにはならない
トレーリングストップとは別に通常のストップロス注文も入れておかなければいけません。
トレーリングストップは、設定した数値の値幅の含み益になった瞬間に初めて発動します。トレーリングストップの値幅に設定した値幅の含み益が乗るまでは何もしません。
では設定した数値の含み益が一度も乗らなかった場合はどうなるでしょうか?買った後に一方的に含み損の方向に動いてしまう場合です。
もしトレーリングストップとは別に通常のストップロス注文を入れていない場合、ストップロス注文を全く入れていないのと同じことになります。
「トレーリングストップを設定したからストップロス注文を入れなくても大丈夫でしょ」と勘違いしてしまう人がいますが、そうではないことを理解しておきましょう。
トレーリングストップが発動するまでは、トレーリングストップとは別に通常のストップロス注文も入れておかなければならないということを肝に銘じておきましょう。
注意点#2 MT4を閉じるとトレーリングストップも停止する
もう一点、トレーリングストップの注意点があります。
トレーリングストップは、あなたのPC上で動く機能です。業者のサーバー上で動く機能ではありません。
あなたがトレーリングストップ注文を設定しても、FX業者は全く知りません。
ですからMT4を閉じると、設定しているトレーリングストップは動かなくなります。
トレーリングストップを多用する方は、VPSでMT4を運用することを検討しましょう。
トレーリングストップの実例
ドル円が下にブレークアウトしたので、成り行きで空売りし、その空売りポジションにトレーリングストップをかけて利益を伸ばす例です。
エントリー
ストップロス注文を入れる
とりあえずすぐにストップロス注文を入れます。(注意点1参照↑)
トレーリングストップをかける
次に50ポイント(5pips)のトレーリングストップをかけます。
トレーリングストップの実際の動き
では、トレーリングストップの動きを見てみましょう。
5ピップスの含み益が乗った瞬間にトレーリングストップが発動してストップロス注文がブレークイーブン(エントリー価格)に下がってきます。その後はエントリー後の最安値から5pipsの距離でストップロス注文が追随していきます。
利益方向(この場合は空売りなので下方向)にだけストップロス注文のラインが追随し、戻しが出てもストップロス注文ラインは後戻りしないことに注目してください。
5pipsよりも小さい戻しではトレーリングストップに引っかかりませんが、5pips以上の戻しが出ると決済となります。
5pipsの戻しが出ないうちはどこまでの利益を伸ばすことができます。
いかがだったでしょうか?MT4のトレーリングストップの実際の動きを見て、イメージをつかめたのではないでしょうか。
デモトレードで何度か練習すれば、あなたもMT4のトレーリングストップを自由自在に使いこなせるようになるでしょう。
くれぐれも、このページで解説した2つの注意点を忘れないようにしてください。
以上で、MT4でトレーリングストップを入れる方法の解説を終わります。