今日は いよいよNFP。雇用統計って数字そのものより、「みんながどう構えているか」で動き方が変わるんですよね。今回はその典型みたいなパターンです。初心者が気を付けたいポイントなども併せてどうぞ!
目次
もくじ
NFP(米雇用統計)とは?
NFPとは「Non-Farm Payrolls(非農業部門雇用者数)」の略で、アメリカで毎月発表される雇用統計の一部です。
農業以外の仕事が前月から何人増えたかを見るもので、アメリカの景気を映す最重要指標のひとつなんです。
初心者の方がよく聞く「NFPが強い/弱い」というのは、この雇用者数の伸びが予想より多いか少ないかを指しています。
今回の予想は2011年以来の低さ
今回のNFPについて、エコノミストたちの予想中央値(Bloomberg集計)は2011年以来の低い水準になっています。
つまり「雇用が弱いんじゃないか」と市場はすでにかなり悲観的に見ている、ということですね。
予想が低いと、どういうことが起きやすい?
普通に考えると「弱い数字が出たら相場は下がる」と思いがちですが、今回はちょっと違います。
- もう「弱い」は織り込み済み
- だから弱い数字では驚きが少ない
- 逆に「強い数字」が出たときの方が、相場が大きく動きやすい
これを「アシンメトリー(非対称性)」と呼んだりします。
同じくらいの強弱でも、強い結果の方がインパクトが大きくなるんです。
なぜ「強いNFP」で金利が上がるの?
初心者の方がよく疑問に思うポイントだと思います。
つながりを簡単に整理するとこうです。
- 雇用が強い → 景気も強いと判断される
- 景気が強い → インフレが続く可能性がある
- インフレを抑えるためにFRB(米中央銀行)は利下げしにくくなる
- その結果、金利は上がる(=債券価格は下がる)
この流れで「強いNFP → 金利上昇 → 債券下落」という反応につながります。
典型的なシナリオを整理
NFPの結果ごとに、ざっくりとした相場の動きを整理するとこんな感じです。
- 強い(予想を超える数字)
→ 米金利が上昇
→ ドルは強め(ドル高)
→ 株は「金利上昇が重し」で下がりやすい
→ 米国長期国債ETF(TLT)は下落 - 一致〜弱い(予想通り〜予想以下)
→ 弱さは織り込み済み
→ 金利は少し下がる
→ ドルはやや軟化
→ 株にはプラスに働くこともある
発表前に気をつけたいこと
NFPは市場が一番注目する指標のひとつ。だからこそ、直前や直後にやりがちなミスもあります。
- 発表直前に成行で大きなポジションを取る
→ 発表直後は値が飛びやすく、滑って思わぬ値で約定することがあります。 - 損切りを決めずに建てる
→ ギャップ(飛び値)で一気に想定外の損失が出ることがあります。
初心者におすすめの向き合い方
- まずは“待つ”
発表直後の初動は荒れやすいので、5〜15分ほど落ち着くのを待ってから全体像を見るのも方法です。 - やるとしても小さく
どうしてもトレードしたいなら、ポジションを小さめにして、損切りの位置をはっきり決めておくことが大事です。
まとめ
- 今回のNFP予想は2011年以来の低さ → 「弱い」はもう織り込み済み
- だから「強い結果」が出たときの方が相場は大きく動きやすい
- 強い数字なら金利が上がりやすく、TLT(米国債ETF)は下落しやすい
- 株も金利上昇を嫌って下がることがある
- ただし、発表前後のトレードはリスクが高いので、初心者は「待つ」姿勢も立派な戦略