IMFのWebサイトではFXや投資に投資に役立つ世界経済に関する情報を提供してくれています。ビジュアル的にグラフやマップで比較したり、ヒストリカルデータをダウンロードすることも可能です。このページでは、その使い方をFX初心者にも分かりやすく解説します。
IMFとは
IMFとは、International Monetaly Fundの略で、日本語に訳すと「世界通貨基金」です。1930年代に起きたような世界大恐慌が二度と起きないようにしよう!という目的で作られた、国連の機関です。
IMFに加盟しているメンバー国は現在189か国です。日本や米国はもちろん、世界中ほとんどすべての国が加盟しています。
IMFの目的は以下の通りです。
- 世界経済が成長し続けること
- 貧困を減らすこと
- 国際貿易が活発に行われること
IMFは何をしている団体なのでしょうか?
国際収支が極端に悪化している国に融資をして助けてあげたり、アドバイスをしてあげるのが仕事です。アジア通貨危機の際にタイや韓国がIMFの支援を受けて復活したという例があります。
また、さまざまな世界経済のデータを継続的に収集しており、年に2回も『世界経済見通し』というレポートを出しています。そのレポートは投資家の間で注目されます。
さてこのIMF、一般のFXトレーダーには関係ないように思うかもしれません。
しかし、IMFが運営しているWebサイトがあるのですが、これが世界経済の情報が盛りだくさんな凄いサイトで、FXのトレーダーにもすごく役に立ちます
IMFのサイトをのぞいてみよう
さっそく、IMFのサイトをのぞいてみましょう。
IMFのサイトではいろんな世界経済に関わるデータや記事を見ることができます。
とりあえずは世界のGDPを見てみましょう。
世界全体のGDPの合算を見たり、各国のGDPを比較してみたり、近未来のGDPを予測をしたりできます。
GDPとは、経済活動としてその国が作り出した物とサービスの合計になります。
GDPは株価とよく似た動きをします。ファンダメンタルズ分析においては各種経済指標とGDPの関連を調べるといったことをします。
では見ていきましょう。
Reserch – Data Visualization
をクリックします。
するとこのような画面が開きます。
National Accounts を開きます。
GDP Current Prices を開きます。
すると全世界のGDPの合算の折れ線グラフを見ることができます。
1980年~のグラフになります。
2019年と2020年の数値も入っていますが、これは予測値ですね。
これまでの流れ、だとIMFが蓄積している世界経済のデータから予測すると、これぐらいはいくでしょということですね。
GDPと株価はほぼ連動しますので、IMFはまだまだ株価が上がっていくと予測しているようです。(2019年7月現在)
次に、GDP世界一の米国のグラフを表示してみます。
左の一覧からUnited Statesにチェックを入れます。すると米国のGDPが表示されます。
米国のGDPは全世界の24%ぐらいを占めていて、かなり多いです。
そのうちの2/3が個人消費となります。ですから、いかに米国の個人消費が世界経済にとって重要かということがわかります。だから米国の個人消費のセンチメントの指標が先行指標として重視されているんですね。
次に日本を見てみましょう。Japanにチェックを入れます。
残念ながら、日本のGDPはあまり成長していません。
1995年以降しばらく伸びていませんでした。
2010年に最高記録を更新していますが、また下にもぐりこんでいます。
米国も日本も、GDPの推移は株価の推移とほとんど同じですね。
次に発展途上国を見てみましょう。
東南アジアを見てみます。
マレーシアはどうでしょうか。
マレーシアは日本に比べるとだいぶGDPは小さいですが、加速度的に伸びていっています。
タイはどうでしょうか。
マレーシアとほとんど同じような推移ですね。
インドネシアはどうでしょうか。
インドネシアは人口が圧倒的に多いので、マレーシアとタイを圧倒していますね。
一人当たりのGDPも見ておきましょう。
一人当たりのGDPを見るには、GDP per capita を選択します。
すると、マレーシアが圧倒的に大きく、タイの2倍ぐらいありますね。インドネシアは人口が多いのでGDPは大きかったですが、一人当たりのGDPはタイよりもまだ小さいようです。
マレーシアは東南アジアでは最も豊かな国で、タイやインドネシアから出稼ぎに来る人が多いと聞きますが、このグラフを見るとなるほど納得できます。
次に、この地球儀マークをクリックすると、マップ上に表示することができます。
サークルの大きさが一人当たりのGDPの大きさを示しています。マップ上で見るとイメージがつかみやすいですね。
GDP成長率以外のデータもマップ上で表示することができます。
IMFのサイトで世界経済のヒストリカルデータをダウンロードする方法
次に、先ほどのようなGDP関連データを分かりやすくビマップ上で色の変化として見たり、時系列のデータをエクセルファイルで取得する方法を解説します。
imf.orgのIMFDATAMAPPERというところをクリックします。
するとこのように地図が表示された画面が開きます。
これはGDP成長率の変化を色で示したマップです。前年に対して何%GDPが上昇したかという指標です。
先ほどのページでも同じデータが見れたのですが、ここでは地図の色の変化でGDPの変動を見ることができます。
下の方にある、All Data Excel File をクリックすると、各国のGDPのヒストリカルデータをエクセルファイルでダウンロードすることができます。
Excelファイルを見てみましょう。
このように、各国のGDP変化率の1980年からのヒストリカルデータが収録されています。
GDP変化率だけではなく、GDPそのもののデータを選択することも可能です。
このデータをファンダメンタルズ分析に使ったり、長期的なシステムトレードのフィルターに使うなど、アイデア次第で色々使えそうですね。
このように、IMFのサイトでは様々なデータをグラフで比較したり、マップ上で比較したりできます。
ビジュアル的にいろいろ比較できるので、僕はすごく好きです。
海外株に投資するとか、FXで海外の通貨を買うという場合は、その国の経済がどうなのか?というのをビジュアル的につかむのに役立ちます。
以上で、IMFの解説を終わります。