我々個人投資家がFXをする場合、だれを通して誰に注文を出すのでしょうか?FX市場の参加者について理解しFXの基礎力を付けましょう。
もくじ
FXの参加者
FXのインフラを提供する小売り銀行と投資銀行
まず、このFX市場というインフラを提供しているのは誰でしょうか?「FXを取引できる仕組み」を提供しているのは誰か?ということですね。
インフラの提供側としては、小売り銀行と、投資銀行です。彼らがFXのインフラを提供しています。
彼らは、基本的には個人や中小企業にFXのサービスを提供しています。
小売り銀行の取引コストは、小口の取引なので効率が悪く、取引額の1~3%ということで、かなりコスト高です。たとえば1%だとすると、ドル円を1回取引するだけで100pips程度の取引コストがあるということです。
一方投資銀行は、例えばゴールドマンサックスやJPモルガンなどですが、こちらは大口の取引専用のFXサービスを提供しています。
国の中央銀行、政府、大企業、ヘッジファンド、ミューチャルファンド、といった大口の顧客にFXのサービスを提供しています。
大口なので取引コストは安くて、取引コストは1pips程度と言われています。
投資銀行や小売り銀行は、FXのインフラを提供するだけではなく、リスクを取ったトレードもします。彼らはFX市場の状況を誰よりも良く把握できるので、当然自分でリスクを取ってFXの売買をすることもあります。
政府と中央銀行
ここからは、FXのインフラの消費者側です。
FXの参加者として、まずは政府があります。
政府は、経済指標の目標値を設定していて、それを実現するために為替レートを下げる方に誘導したり、上げる方に誘導したりします。
中央銀行は、建前上独立した機関ですが、政府にとっての金融部隊みたいな存在です。国によって違いますがインフレ率やGDP成長率、雇用統計の目安を実現するために様々な対策を打ってきます。
政府と中央銀行は、FX市場に対して事後的、反応的に、なにかをしてくるのが特徴です。(ファンダメンタル分析には重要です!)
多国籍企業
次に、国際的に活躍している大企業です。彼らは多国籍に活躍しているので、輸出入だったり外国人への給料の支払いなど、常に通貨の両替が必要です。
多国籍企業は為替変動リスクにさらされてるので、ヘッジをする必要があります。
たとえばトヨタ自動車が自動車をユーロ圏に輸出したとします。その代金をユーロで3か月後に受け取るとします。それまでにユーロが暴落してしまったら、最終的に手に入る日本円建ての売上が減ってしまいます。そこで為替予約をして受け取れる日本円の金額を固定してしまいます。そういったことをヘッジといいます。これは実需のFXと言われます。
ヘッジファンド
次に、ヘッジファンドは外国の株や国債などを売買します。
そのとき、自国通貨を売って相手国の通貨を調達し、相手国で株等を買います。
これも通常のビジネスと同じように収益が為替の変動に左右されます。
外国株を買った後で、投資先の国の通貨が値下がりすると、投資先で利益が出ても、自国通貨に戻す段階で為替差損が出てしまいトントンとか損失になってしまうかもしれません。だから彼らもヘッジします。
もちろんそれだけではなく、もちろん、ヘッジファンドはリスクを取ってFXのトレードもやります。
個人投資家
ここでやっと個人投資家の登場です。我々のような個人投資家もFXにたくさん参加しています。
トレードでは利益を上げたいですから、当然、取引コストが安い投資銀行が提供するFXを使ってトレードしたいですよね。でも個人投資家の取引サイズでは規模が小さすぎて入れてもらえません。
じゃ、どうするか?
小売り銀行に行って外貨を買ったり売ったりすることです。ただこの場合、スプレッドが1%~5%ほどかかるので、コストが高すぎて話になりません。
FX業者
そこでFX業者の登場です。
FX業者は、個人投資家の小口の取引をひとまとめにして、大きな注文にします。
また、FX業者は投資銀行とコネがあるので、ひとまとめにした小口の注文を受け入れてもらうことができます。
FX業者と投資銀行の間の関係性としてはいろいろな種類があります。マーケットメーカー、STPブローカー、ECNブローカーなどなどです。
しかし、FX業者の役割は一つ。個人投資家単独では投資銀行に相手にしてもらえないところを、注文をひとまとめにすることで、受け入れてもらえるようにすることです。
FX業者、我々個人投資家にとっては無くてはならない存在です。しかし、中にはブラックなFX業者も多々存在します。
FX業者には「闇」があるんです。
その話は、また次の動画で。
以上で、FXに参加しているプレーヤーについての解説を終わります。