FXの資金管理で重要なロット数の計算手順をステップバイステップで分かりやすく解説します。【動画解説あり】1トレードでどれぐらいのリスクを取っていいの?何ロットでエントリーしたらいいの?といった疑問を100%解決します。
もくじ
FXの資金管理でやるべきこと
FXをやろうと決めたあなたが、資金管理としてやるべきことが4つあります。
- 口座サイズを決める
- 1トレードあたりの最大負け金額を決める
- エントリーするときのロット数を計算する
- 口座で何パーセントのドローダウンが出たら一時停止するか決めておく
では1つ1つ実践していきましょう。
口座サイズを決める
ではまずは、FX口座に入金してトレードに使う金額を決めます。
まず最も大切なことは、全財産をFX口座に入金しないことです。お小遣いで貯めた余剰資金程度にしておきましょう。
生活費や近々必要になるお金をFX資金にすることは止めましょう。
生活に必要なお金でトレードすると、「絶対に負けられない」という余計なプレッシャーがかかり、余計に負けやすくなります。
絶対にこのルールは守るようにしてください。
1トレードで取れるリスクの大きさを決める
1トレードあたりの最大負け金額のパーセンテージを決めます。
どれぐらいにすべきか?
結論から言うと、一般的に全資金の2%以下にすべきと言われています。
具体的にあなたがどれぐらいに設定すべきか?というと
どれぐらいアグレッシブに攻めるか?
攻めれるか?
ということになります。
失う%が大きくなればなるほど、失った分を取り戻すのが加速度的に難しくなる
どれぐらいアグレッシブに攻めるかを決める前に、
大切なことを理解しておきましょう。
失う%が大きくなればなるほど、失った分を取り戻すのが難しくなるということを知っておいて欲しいんですね。
失った金額が10%だと、残った90%に対して資金を11%増やせば負けた分を取り戻したことになります。
-20%だと、それを取り戻すためには、残った資金に対して+25%が必要です。
ここら辺までなら、負けた金額の%と、取り戻すための%がそれほど変わらないので何とかなりそうな気がすると思います。
しかし-30%を喰らうと、取り返すには+43%が必要です。
ここら辺からやばいのが分かってきますよね。
-40%だと、+67%が必要になります。
さらに、-50%だと、なんと+100%が必要になります。
そしてもし-90%を喰らうと、負けを取り戻すには、なんと+900%が必要になります。残っている10%の資金に対して+900% をやらないと負けを取り戻せないということです。
こうなるとj、もうほとんど取り戻すのは不可能といってもよいくらいですね。
資金の大部分を失ってしまうと、取り戻すのは至難の業ということです。
ですから、これからFXを始めるあなたが「どれぐらいアグレッシブに攻めるか?」を決める際には、できるだけ保守的に考えるようにしましょう。
どれぐらいアグレッシブに攻めれるかは人によって違う
FXの資金管理において、どれぐらいアグレッシブにいけるかは、人によって違います。
追加資金をトレード以外から調達できる人は、ある程度アグレッシブに攻めても大丈夫でしょう。
サラリーマンの方で収入が安定していて、お小遣いの範囲で少額の口座でFXトレードをする人は、アグレッシブに最大の2%ルールでいいのではないかなと思います。
トレード以外で資金調達ができない人は、超安全運転をする必要があります。専業トレーダーの方や、すでに仕事を引退されていて、たくわえでトレードされる方は、できるだけ保守的な資金管理を選択すべきです。1%や0.5%などを検討してください。
また、資金が極端に大きい人も安全運転が必要です。10万円程度の口座サイズなら、全額失ってもアルバイトなどで補填することが可能です。
しかし1億円まで資金が増えた人は、その1億円をトレードで失ってしまったら、他の仕事でその1億円を補填することは、仕事を持っていたとしても、ほぼ不可能ですからね。
ということで、最大値を口座残高の2%として、どれぐらいアグレッシブに行けるか、ご自信の状況を考えて判断してください。
エントリーする際のロット数を計算する方法
FX業者に入金して口座サイズも決まり、1トレード当たりの賭け額も決まりました。
実際にトレードする段階になると、「何ロットでエントリーしたらいいの?」という疑問にぶち当たります。
いったいどれぐらいの数量でエントリーしたら、丁度よいのでしょうか?
ロット数を決めるための、簡単な4ステップがあるので、解説します。
- 1トレードで失っても良い金額を決める
- エントリー価格とロスカット価格を決める
- ロスカット値幅を計算する(もしくは計測)
- ロットサイズ計算機で計算する
資金管理はいろいろありますが、突き詰めると、一番大事なのは、エントリーする際のロットサイズのルールを決めて、それをちゃんと守ること。です。
ですので、しっかりとやり方を覚えていきましょう。
ロット数の計算 ステップ1 1トレードで失っても良い金額を決める
まずステップ1は、1トレードで失っても良い金額を決めることです。
これはもう先ほど考えていただいたので、もうほぼ決まっていると思います。ここで解説する例を見ながら、みなさんもしっかりと決めてください。
今回は、例として、お小遣いを貯めて作った10万円を入金したと仮定しましょう。口座サイズは10万円です。
この方はサラリーマンで安定した収入があるし、お小遣いはまた貯めることができるので、アグレッシブに攻めることにしました。ですので、2%ルールを採用します。
10万円の2%は2000円です。
1トレードで失ってもよい金額は、2000円に決定しました。
ロット数の計算 ステップ2 エントリーとロスカット価格を決める
ステップ2は、エントリーとロスカットの価格を決めます。
ここは、MT4のチャートを見ながら解説します。
これはEURCHF(ユーロスイスフラン)のチャートです。
ダウントレンドでしたが、スイングハイ(SH)を上回ってきましたし、トレンドラインも上抜けしてきているので、買いを狙うことにしたと仮定します。
ブレークアウトしたスイングハイの辺りが意識されていそうなので、ここまで下がってきたら買うことにします。
ロスカットは、安値を下回った辺りにします。
これで、エントリー価格とロスカット価格が決まりました。
ロット数の計算 ステップ3 ロスカット値幅の計算(計測)
次に、ステップ3ではロスカット値幅を計算します。
ロスカット値幅の計算式は以下の通りです。
買いトレードなら
ロスカット値幅 = エントリー価格 - ロスカット価格
となります。
売りトレードなら、
ロスカット値幅 = ロスカット価格 - エントリー価格
となります。
このよ計算式に、先ほど決めたエントリー価格とロスカット価格をあてはめて電卓で計算しても良いのですが、MT4をお使いの場合は、チャート上でロスカット値幅を簡単に計測することができます。
やってみましょう。
十字カーソルを押して、エントリー価格からロスカット価格までをドラッグします。
すると、このように数値が出てきます。
真ん中の数値が値幅です。値幅がポイント数で表示されています。
この業者は5桁表示の業者なので、ポイント数を10で割るとピップス数となります。
ですので、これだと447なので、44.7pipsとなります。
これでロスカット値幅は44.7ピップスということが分かりました。
ロット数の計算 ステップ4 ロット計算機で計算
ステップ4は、いよいよロット数を計算します。
すでにロット数の計算のために必要な数値は揃っています。
あとは、ロット数計算機のサイトを使って、サクッと計算するだけです。
ロット数計算機のサイトは、myfxbookというサイトをお勧めします。
このページでは、とても簡単にロット数を計算できます。
では実際にサイトでロット数を計算してみましょう。
account currency は、円建てのFX口座であれば、JPYを選択します。
Account sizeには、FX口座に入っている金額を入力します。今回の例では10万円を入金したという設定なので、100000と入力します。
Risk Ratio%は、「1トレードで何%をリスクにさらすか?」を入力します。
今回は2%ルールと決めたので、2と入力します。
Stop-Loss,pips には、今回のトレードのロスカット値幅を入力します。今回は44.7ピップスのロスカット値幅なので、少数点以下は四捨五入して45と入力します。
Calculateをクリックします。
Resultのところにロットサイズが表示されます。
Money JPYはリスクにさらす金額です。
Unitは、エントリーすべきなのが何通貨単位なのかを表示しています。
Lotsに表示されているのが、ロット数そのものです。
ロットとは?の動画で解説しましたが、1が10万通貨、0.1が1万通貨、0.01が千通貨です。
私が使っている業者は最小の単位が0.01、千通貨となっていますので、小数点以下第3位は切り捨てます。
ですので、ロットサイズは0.04となります。
計算したロット数で発注する
では実際にMT4を使って、このロットサイズで発注してみましょう。
「新規注文」をクリックします。
通貨ペアを確認し
数量の欄に先ほど計算したロットサイズを入力します。
今回は指値で買いたいので、「指値注文」を選択します。そして「Buy Limit」を選択します。
価格欄には先ほど決めたエントリー価格を入力します。
次にロスカット価格を決済逆指値の欄に入力します。
ここまで入力できたら、発注ボタンをクリックします。
これで、正しいロットサイズで、指値の買い注文を入れることができました。
トレード一時ストップルールを決めておく
口座残高に30%以上のドローダウンが起きると、回復が著しく難しくなる。と解説しました。
ですから、20%~30%のドローダウンが起きた時点で、しばらく一時停止して頭を冷やす時間を持つ必要があります。
やけくそになって50%+のドローダウンを喰らわないようにするためです。
例えばFX口座残高のピークから20%減ってしまったら、2週間トレードを休んで自分のトレードを見直してみる。といったルールを決めておきましょう。
以上で、FXの資金管理とロット数の計算についての解説を終わります。