「エリオット波動を実践したいけど難しすぎる!」と思っていませんか?このページでは、FXや株の実践に使える具体的なエリオット波動の売買戦略を解説します。
「こんなシンプルな売買戦略で勝てるの?」と信じられないかもしれませんが、これは実際に勝てているトレーダーの手法です。
この記事を読めば目から鱗が落ち、エリオット波動の必要な部分だけを効率的に学び、明日からでも実践できるようになるでしょう。
もくじ
エリオット波動を使った売買戦略
まず最初に、この売買戦略の概要を手短に解説しておきます。これからあなたが学ぶエリオット波動手法がどんな手法なのか、ざっくりとイメージをつかんでください。
この手法を一言でいうと
エリオット波動とフィボナッチで美味しい部分を見極め、ダウ理論かプライスアクションシグナルでエントリーする売買戦略。
一言にしては長いですか?(笑)
まずこのエリオット波動の売買戦略では、狙う波動を限定します。
エリオット波動理論に含まれる様々な波動やパターンを全部マスターして全部狙うなんていう難易度の高い実現不可能なことはしません。
第5波をメインで狙う手法です。それ以外の波動は分かりやすいときだけ狙います。(その理由は後述)
フィボナッチで波動が終わる位置を予測し、その価格帯に引き付けてエントリーや利食いを行います。
エントリーシグナルは2種類。ダウ理論のトレンド転換シグナルを使った方法かプライスアクションを使った売買シグナルを使います。
波動の判定のためにインジケーターを補助的に使います。使うインジケーターはモメンタムインジケーターです。
エントリーの前に、エントリーポイント、ロスカットポイント、利食いポイントを明確にしてからエントリーしますのでリスク管理もしやすい売買戦略です。
レワードリスク比の条件がルールに組み込まれたレワードリスク比の高い、つまり破産する確率の低い売買戦略です。
あなたと相性が合いそうですか?
「やってみたい!」と思ったあなたは、続きを読んでください。このページで売買戦略の詳細まで包み隠さず全て解説します。
エリオット波動で勝ちやすいポイントは2つ
信じられないかもしれませんが、エリオット波動で勝つために覚えるべきセットアップはたった2つだけです。
以下の2つを覚えるだけで十分です。
- 第5波の継続ポイント
- 新しいトレンドが始まるポイント(第3波狙い)
この2つだけです。ややこしい部分は狙いません。
エリオット波動の第5波の継続を狙う手法
まずは一番難易度の低い、初心者がまずは覚えるべき、第5波の継続の手法を解説します。
なぜ第5波狙いが一番簡単なのでしょうか?
- チャンスを見つけるのが簡単
- 予測しやすく成功率が高い
詳しく解説しましょう。
第5波のチャンスは見つけるのが一番簡単(ランキング情報ですら見つかる)
第5波狙いのポイントを見つけるのが簡単なのは、第3波を見つけるのが簡単だからです。
第5波を狙う場合、第5波そのものを見つけるわけではありません。第3波が出ているチャートを探し、その後の第4波が終了する部分でエントリーして第5波で利益を取ります。
第1波~第5波の中で、誰の目にも明らかで見つけるのが簡単なのは第3波です。それ以外の波動を特定するのは難易度が上がります。なぜなら、第3波は最も大きく強い値動きになることが多いからです。
第3波を見つけることができれば、あとは第4波が始まるのを待ち、そして第4波が止まりそうな価格帯を特定し、その価格帯で第5波が出る方向にエントリーを狙います。
第5波の上昇で買いを狙う場合、チャートがこうなっているのを見つけます。
要は目立つぐらいに上げているチャートを探せばよいということです。修正波の第4波はまだ始まっていなくてもOKです。その場合はウォッチ銘柄にします。
第5波の下落を空売りで狙う場合はこの真逆です。
チャート上でひときわ目立つ下落になっている銘柄や通貨ペアを探します。そして第4波が出るのを待ちます。まだ第4波が出ていない場合はウォッチ銘柄とします。
ひときわ目立つ上昇や下落を見つけるのはとても簡単です。チャートをぱらぱらとめくっていくだけでも簡単に見つかりますし、ランキング情報で上昇率上位や下落率上位となっているものを物色するとたくさんの銘柄の中から対象となる銘柄や通貨ペアを見つけることができます。
一方、第3波そのものを狙うために、その前に出る第1波や第2波を探そうとしても、そうはいきません。第1波や第2波は全く目立たないからです。
第1波や第2波というのは、第3波が確定した後、後から考えるとこれが第1波や第2波だったんだな、という感じがほとんどです。
もちろん、第1波を見つける方法が無いわけではありません。しかし簡単ではないのです。それにいつも見つかるわけでもありません。
力強い第3波は、常にだれの目にも明らかで、ほぼ必ず見つけることができます。ですから、簡単に見つかる第3波を特定し、第4波が終わるのを待ち、第5波を狙うのが最も難易度が低い方法となるわけです。
第3波が強いのを確認できたら第3波にそのまま飛び乗ってエントリーすればいいではないか?と思うかもしれません。
しかしトレンドというものは、誰の目にも明らかになった時点でいったん勢いが弱まるものです。第3波がどこまでの伸びていくのではなく、欲張りなトレーダーが遅れて飛び乗ってきた瞬間に反転し、第4波が出がちです。賢いトレーダーは第4波が終わるのを待ってからエントリーします。
第5波は予測しやすく成功率が高い
第5波が始まる段階、つまり第4波までが終了した段階となると、そこまでにすでに4つの波動が完成しているため、利食い目標やロスカット価格を決めるためのデータポイントが多くなり、想定通りになる可能性が多少なりとも高くなります。
例えば、第5波がどこまで伸びるか?の予測には第1波、第3波、第4波の3つものデータポイントを使うことができます。一方第2波の予測には第1波のデータポイントしか使えません。
第5波狙いの売買戦略 手順1:第3波が出た通貨ペアを探す
まずは第3波が出た通貨ペアを探すのが最初の手順です。これは簡単です。強い値動きが出ている通貨ペアや銘柄を探すだけですから。
なぜ上がっている通貨ペアを探せばよいか?
第3波は、たいていの場合、トレンドの方向に出る衝撃波である第1波、第3波、第5波の3つの波動のうち、一番強く長い上昇になります。(下降トレンドの場合は強い下落になります)
そういった強く長い上昇は、チャート上で目立つのでチャートをパット見るだけで一目瞭然です。逆に言うと、一目瞭然の上昇(下降トレンドの場合は下落)でなければ、第3波ではないとも言えます。
また、そういった第3波の値動きはランキング情報にも載ってくる場合がほとんどです。値上がり率上位の銘柄を見れば、第3波の上昇が出ている銘柄を見つけることができます。また、値下がり率上位の銘柄を見れば第3波の下落が出ている場合が多くあります。
そういった銘柄を見つければ、次の分析の候補としてウォッチ銘柄、ウォッチ通貨ペアとして登録しておきましょう。
第5波狙いの売買戦略 手順2:第1波と第2波を特定する
第3波っぽい値動きを見つけたら、次はその前に出ていた第1波と第2波を特定します。
なぜ第1波と第2波を特定するのか?
それは、第4波が終わりそうな位置、つまり第5波が始まりそうな位置を特定するためです。
第4波は、第2波の終わりのポイントから第3波の頂点となるポイントまでの値幅に対して、フィボナッチリトレースメントの38.2%~61.8%押したところで止まりやすいと言われています。
ですから、第1波と第2波がどこなのかを知る必要があるわけです。
みなさんもやってみてください。
できましたか?
こうなります。
結構簡単だったと思います。
第2波が終わる部分(ちょうど②の記号がある辺り)の安値を起点としてフィボナッチリトレースメントを引っ張り、38.2%、61.8%、76.4%のラインを引きます。
フィボナッチの38.2%と61.8%の2本のラインの間にあるスペースが、第4波が終わって第5波が始まりやすいエリアです。
そして、フィボナッチの76.4%は、そこまで下がってしまったら、これは第4波ではなく何か別のパターンかもしれないという警告のラインになります。
画像では黄色い線がフィボナッチリトレースメントです。上から38.2%、61.8%、76.4%です。
この場合は76.4%を下回りそうになりましたが、ギリギリのところで反転しています。
僕の場合は終値で76.4%を下回ったら不合格とし、第5波狙いのセットアップは没にしますが、下ヒゲで一瞬下回る程度はOKとします。
もしこの後フィボナッチの76.4%をローソク足の終値で下回ってしまったら、持っているポジションはロスカットとなり、まだエントリーしていなければトレードセットアップがキャンセルとなります。
第4波が第4波であるためにはもう一つ条件があります。それは、第4波は第1波の値幅に入り込んではいけないというエリオット波動のルールです。
この場合は第1波の高値のライン(白)を終値で下回ってしまったら、今出ている下落は第4波ではない何かということになるので、第5波狙いの売買戦略はキャンセルとなります。
この場合は第1波の高値の位置と、先ほどのフィボナッチリトレースメント76.4%の位置がほぼ同じような位置になっていますね。
第3波を見つけるのにインジケーターを使う方法
第3波は、たいてい見れば分かるのですが、インジケーターを使って特定する方法もあります。MACDやモメンタムなどのオシレーター系のインジケーターを使う方法です。
オシレーター系のインジケーターは、値動きの勢いをヒストグラムの高さや線グラフで表示するタイプのインジケーターです。
第3波は最も勢いと値幅の大きな波動になる場合が多いと申し上げました。であれば、MACDなどのオシレーターの値が、それ以前の値よりも目立って大きな値になっている部分を含む波動が第3波である可能性が高いと判断できます。
もしオシレーター系のインジケーターが目立った値を示していないなら、それは第3波ではない可能性が高いと考えてください。
画像の場合はモメンタムもMACDも、第3波のところで圧倒的に大きな山ができています。ですからこれは第3波だろうなということになります。
(下落の第3波の場合はオシレーターが下方向に極端な値を示します。)
初心者のうちは第3波を見つけるための補助輪的な道具としてオシレーター系のインジケーターを使ってみることを検討してみてください。
ちなみに、オシレーターのパラメーター設定はデフォルトで十分です。
第5波狙い売買戦略 手順3 エントリーシグナルを待つ
第3波に対するフィボナッチリトレースメント38.2%~61.8%の価格帯のどこかに、単純に指値注文を入れて買うということは稀です。
私の場合ほとんどの場合は、プライスアクションの反転シグナルや小幅なレンジブレークアウトなどの売買シグナルを待ってエントリーします。ダウ理論のトレンド転換でエントリーする場合もあります。
第3波に対するフィボナッチリトレースメントの38.2%~61.8%押した価格帯に入ってくるまで息をひそめて十分に引き付け、それ以降に出る売買シグナルを採用してエントリーします。
手順2までを手動で行った後、エントリーの方向を限定したEAを走らせるのも良いアイデアです。
ロスカットの設定は、ここで採用する売買シグナルによって異なります。プライスアクションの売買シグナルを使う場合は、買いシグナルとなったローソク足の少し下にロスカット注文を入れます。
ここでどんな売買シグナルを使ってエントリーするか、そのアイデア次第で結果が大きく変わってくるでしょう。
第5波狙い売買戦略 手順4 利食い目標を定める
エリオット波動の第5波狙いにおける利食い目標の判断には、フィボナッチエクスパンションというツールを使います。
第3波の値幅に対して第5波の値幅がどれぐらいになるか?を測ります。
第5波は、第3波の値幅に対して61.8%~100%になることが多いと言われています。
確実性を求めるなら、61.8%で利食いします。アグレッシブに狙うなら100%を狙うこともできます。お勧めは61.8%で少なくとも半分は利食いしておくことです。
この時にあまりにレワードリスク比が小さすぎる場合はエントリーしないようにする必要があります。利食い値幅がロスカット値幅の少なくとも1.5倍、できれば2倍以上は欲しいところです。
エリオット波動を使った第5波狙いの売買戦略 まとめ
エリオット波動を使った売買戦略としては第5波狙いが最も簡単で、チャンスも見つけやすいので、初心者向けである。
- 第3波を見つける(オシレーター系インジケーターを使うのもあり)
- 第1波と第2波を特定する
- 第4波が反転しそうな価格帯をフィボナッチリトレースメントを使って見つける
- 利食い目標をフィボナッチエクスパンションを使って特定する
- エントリーにはプライスアクションやダウ理論のトレンド転換、または方向限定のEAを使う
以上、エリオット波動を使った売買戦略の中で最もシンプルで勝ちやすいと言われる第5波狙いの売買戦略について解説しました。
今後この売買戦略でトレードする機会がたくさんあると思うので、また追記します。