エリオット波動理論は上位足の分析と予想にものすごく役立ちます。しかし下位足の分析やトレード手法(エントリー手法)としてはあまり使っていません。僕は上位足の値動きを整理して把握するためにエリオット波動理論を使い、下位足のエントリー手法にはプライスアクションや大口約定を使った方法を採用しています。
先日読者の方からメールで質問をいただきました。
プライスアクション手法や大口約定の分析、エリオット波動の予想などいろいろあるが、いったいどんな手法でトレードしたらいいのだろうか?というご質問です。
エリオット波動理論はトレード手法というよりは、上位足の値動きを連続的に把握するために使う方が良いです。
僕の監視銘柄(通貨ペアやコモディティーやインデックス)は50ほどあるのですが、それらの上位足をエリオット波動で分析してチャートにカウントをマークアップしておき、必要に応じてカウントを変更しています。
週足や日足だと週1回チャートを確認して更新します。
4時間足や1時間足は1日に1回です。
それぐらいの頻度でエリオット波動のマークアップをしたチャートを確認して更新していると、その銘柄(通貨ペア)の値動きが頭に入ってきて、何か月か続けるとほぼ暗記することができます。
監視銘柄の上位足の値動きを頭の中で把握できていると、大きく取れそうなチャンスを逃しにくくなります。
また、短期的な乱高下に惑わされることも少なくなります。
上位足の分析にはエリオット波動でないといけないかというとそうでもないと思います。
ダウ理論でも良いでしょうし、移動平均線でざっくりと分析するのもありでしょう。
しかし近未来を予想するということでは、エリオット波動が一番だと思います。
エリオット波動の分析で予想した方向を意識し、下位足(15分や5分)でその方向にエントリーチャンスが来たらエントリーするのが僕の今のスタイルです。
下位足でエリオット波動の分析をするのかというと、そんな大変なことは一切していません。
5分や15分足では時間帯による値動きの規模感が全然違います。アジア時間とロンドン時間やニューヨーク時間ではボラが異なっています。
また、指標発表によってそれまで一生懸命にやったエリオット波動のカウントが一瞬で完全にリセットされることも多々あります。
もちろんそれは1時間足や4時間足でも起こりますが、その頻度は低いです。
下位足のエントリーではプライスアクションや大口約定を重視してトレードしています。価格帯別出来高を見ることもあります。
要は、方向性は予想しているけれど、より有利な価格、より有利なタイミングでエントリーするために下位足ではいろいろ頑張っているということです。
ということで、
- エリオット波動は上位足の流れを連続的に把握するために使う
- 5分足などの下位足ではエリオット波動は使わない
- 下位足では上位足の方向により有利なタイミング/有利な位置でエントリーするために何らかの手法を使ってエントリーする(時間帯/タイミング/意識されている価格などを考慮)
ということです。
素人、というか真剣にトレードしてない人が30程度の銘柄を監視しているといっても、ただ単に銘柄リストに登録して並べてあるだけという場合が多いのではないでしょうか。見てるとしてもトレード足の分析がほとんどかと思います。
プロというか上級者の場合は、30銘柄であれ50であれ10であれ、上位足をしっかり分析してるので頭のなかで上位足の値動きの流れを連続的に把握できていると思います。
僕の毎日のほとんどはチャートの前にいますが、エントリーシグナルを待つためにチャートにつきっきりなのではなく、上位足の分析に多くの時間を割いています。
シグナルの監視や発注には半自動EAを使うのでほとんど時間はかかりません。
ストレスたまりまくりかというと、それが仕事なのでそれほどでもないです。
チャート分析は僕の趣味でもあるので、疲れはしますが苦にはなりません。
そこでストレスがたまるのであれば、そもそもトレードは向いてないかもしれません。
分析して出した予想が外れることにストレスがたまるのであれば、トレードメンタルの学びが必要だと思います。
どんな分析法補であっても正解率は60%程度です。(リスクレワード比の設定によりますが)
僕のトレードのプロセスは以下のようなものです。
上位足をエリオット波動などで分析し、ざっくりと方向性を判断
(ここはトレンドラインなどの分析やダウ理論でもOK)
- 大体この辺りで買いたいというアイデアを上位足の分析で作る
- MT4を使って大口約定ラインの出方を観察
- 大口約定ラインを使う場合、買うのであれば、すぐ上に密集エリアがあるよりも、下に密集エリアがある状態を待つ(売りならその逆)(大口約定ラインを使わずに直接↓にいってもOK。)
- エントリーのための発注を行う(EAを使う場合がほとんど)
指値でエントリーする場合は指値発注EAを使います。
プライスアクションシグナルを待ってエントリーする場合は、プライスアクションEAを使います。
EAを使って監視と発注における面倒な作業を自動化しているので、モニターにかじりついてシグナルを待つストレスは皆無です。
あとは、時々端末を確認し、エントリーができていたら必要に応じて利食い位置やロスカット価格の調整を行います。(手動のトレーリングストップ)
エントリーが無いままに上げてしまったら発注をキャンセルします。(半自動EAの場合はEAをキャンセル)
このようなプロセスでトレードしています。
僕はこのプロセスにたどり着き、淡々と実践しています。
全ての人にベストな方法か?
そんなことは無いと思います。
結局トレードは、自分の信じる道を行くしかないと思います。
僕の方法をブログや電子書籍で読んで信じられないのなら、捨ててください。
エリオット波動がインチキだと思うなら、他の方法を探せばよいです。
大口約定の出方を分析する方法がダメだと思うなら、ブライスアクションの達人になればいい。
プライスアクションが信じられないなら、ファンダメンタルズ分析の達人になって長期投資に特化すればよいでしょう。
僕も20年のトレード人生のなかでたくさんの方法を取捨選択してきました。
実は僕もFXのファンダメンタルズ分析を本格的に学んで浮気しようとしたことがあるんです。
はっきり言って、めちゃくちゃ大変でした。
Youtubeなどで上がっている「簡単にできる」的な動画を信じてはいけません。
様々な経済指標のトレンドを分析します。
それを、通貨ペアのペアになっている2国で全く同じ分析をします。
そしてそれらを比較。
比較するといっても単純ではなく、様々な性質の経済指標があるので大変です。
それぞれの経済指標の比較結果をポイント化して合計で比較します。
どちらの国がよりインフレに向かいそうか?(通貨の価値が下がりそうか?上がりそうか?)という考え方で比較し、方向性を判断します。
FXは2国間の通貨の強弱をトレードするわけので、1国の経済指標を分析してもダメで、2国間で比較する必要があるのです。
作業の多さに対して産出できるトレードアイデアは少ないので、僕は挫折しました。(また挑戦するかもしれませんが!)
話がそれました。
そんなわけで、どんな方法で分析するにしても、作業はそれなりに大変だし、ストレスはつきもの。好きでないと続かないです。