トレードや投資でエントリーする際、何株買うのか?ということが問題になります。
リスク管理の問題として、ポジションサイズはとても重要なので、ちゃんとした考えをもって決める必要があります。
エントリする株数の計算方法は、大きく分けると2つあります。
- 口座資金に対する一定のパーセンテージで買い付ける方法
- ロスカット値幅によって株数を調整する方法
どちらも良い方法です。
前者はシンプルで計算が楽な反面、トレードによって取るリスクにばらつきが出ます。
後者は計算が面倒ですが、エントリーによって取るリスクのばらつきを抑えることができ、資産曲線が滑らかになるというメリットがあります。
口座資金に対する一定のパーセンテージの金額で買い付ける方法
前者の「口座資金に対する一定のパーセンテージで決める」はシンプルで計算が簡単です。
例えば、100万円の口座資金で、毎回口座資金の10%の資金で買い付けると決めたとします。
今から買おうとしている銘柄の株価が1000円なら何株買えばよいでしょうか。
口座資金100万円 × 10% = 10万円
10万円 ÷ 株価1000円 = 100株
100株買えばよいということになります。
この方法で1トレードあたりのリスクのばらつきをある程度は抑えることができますが、完ぺきではありません。
例えばこんな場合を考えてみましょう。
株価が1000円の銘柄が2つあります。
その2つの銘柄で同時に買いシグナルが発生しました。
銘柄1のトレードではロスカット値幅が100円
銘柄2のトレードではロスカット値幅が10円だったとします。
1トレードで口座資金の10%でエントリーするというルールなので
口座資金100万円 × 10% = 10万円
どちらも10万円分買います。
10万円÷ 株価1000円 で 100株買うことになります。
銘柄1のリスクは、100株 × ロスカット値幅100円 = 1万円になります。
銘柄2のリスクは、100株 × ロスカット値幅10円 = 1000円になります。
この2つのトレードで取っているリスクには10倍もの差が出てしまっていることが分かります。
同じ金額だけ買っていればリスクは同じ、というわけにはいかないのです。
重要なのは、ロスカット値幅だということが分かります。
ロスカット値幅によって株数を調整する方法
僕はロスカット値幅を、ポジション数の計算に組み込んでいます。
株式トレードの適切なポジションサイズの計算式はこうです。
ポジションサイズ(株数)
= (口座資金 × 1トレードで取るリスク%) ÷ ロスカット値幅
この計算式に当てはめればエントリーすべき株数が導き出すことができ、全てのトレードで一定のリスクを取ることができます。
先ほどの例をこの方法でやってみましょう。
株価が1000円の銘柄が2つあります。
その2つの銘柄で同時に買いシグナルが発生しました。
銘柄1のトレードではロスカット値幅が100円
銘柄2のトレードではロスカット値幅が10円だったとします。
今回は1トレードで口座資金に対して1%のリスクを取ることにします。
銘柄1の場合は
(口座資金100万円 × 1%)÷ 100円 = 100株
銘柄2の場合は
(口座資金100万円 × 1%)÷ 10円 = 1000株
となります。
これで2つのトレードで取るリスクを同じにすることができました。
エントリーする株数を丁寧に計算するメリット
後者の丁寧なロスカット値幅による株数計算をした方がパフォーマンスが上がる傾向があります。
こちらは僕が実践している日本株のスイングトレード手法のポジションサイズ固定比率でエントリーする場合の資産曲線です。(前者の方)
ストラテジーが良いので普通にかなり良いパフォーマンスです。
そしてこちら↓がロスカット値幅によってロット数を調整した場合の資産曲線です。
ロスカット値幅が小さい時にはポジションサイズが大きくなり、広い時にはポジションサイズを小さくすることでさらに良くなっています。
それが裏目に出ることも、もちろんありますが、この方法は理にかなっているので僕は好きです。
ですので、僕は後者のロスカット値幅を考慮してポジションサイズを決める方法を採用しています。
もちろん口座資金に対して一定割合の金額で買い付ける簡単な方法でもよいと思います。そこは好みです。
ちなみに先物の場合は制度上/構造上、ロスカット値幅を考慮してポジションサイズを決める方法しかありません。先物にはいくら分買う/いくら分売るという概念が無いからです。
今日の内容は退屈だったかもしれません。しかし株を買う際に適切なポジションサイズをさっと計算できることは基本中の基本なので、もし知らなかった方はこの機会にぜひ覚えておいてください。
以上となります。