このページでは、日経225の値動きの特徴をわかりやすく解説します。大量の過去データの分析結果を基に解説しますので、実戦で使える情報です。
過去41年間の日足を使って作成した季節性アノマリーチャートを分析することで、日経平均の年間の推移を予測しやすくなりますのでスイングや長期トレードに役立ちます。
それだけではなく、過去4か月間の5分足を使って作成した時間帯別アノマリーチャートを分析することで、時間帯別の特徴が分かり、デイトレードやスキャルピングにも活かすことができます。
もくじ
日経225の年間の推移を予想できる季節性アノマリーチャート
まずは日経225の年間の推移を予想するのに役立つ季節性アノマリーチャートを分析しましょう。
過去41年間の日足データを年度ごとに区切り、年間の推移の平均顔をチャートにしたものです。
チャートの右端が1月1日(Jan)で始まり、12月31日(Dec)で終わります。
このチャートを見ると、日経平均が1年の中でいつ頃上がりやすいのか?または下がりやすいのか、つまり年間の推移の特徴が一目瞭然です。
3本のラインがありますが、それぞれ計算対象の期間が異なります。
青は過去41年間における年間推移の平均顔、緑は過去10年間、赤は過去5年間です。
3つの線の形が似ていますので、日経225先物の年間の値動きには長期間続く分かりやすい特徴(癖)があるということが言えます。
日経225の年間の値動きの特徴
それでは具体的にどのような値動きの特徴があるのか見ていきましょう。
先ほどの季節性アノマリーチャートの、対象期間の異なる3本のラインが同じような時期にスイングロー(谷)やスイングハイ(山)を形成し、そこから一方的な値動きが出ている部分を探します。
こんな感じです↓
以下のような日経225の値動きの特徴が見つかりました。
- 3月半ば~下旬ごろにスイングローを形成して5月ごろまで上昇しやすい特徴
- 7月中頃にスイングハイを形成して8月中旬ごろまで下落しやすい特徴
- 9月中頃にスイングハイを形成して10月中頃まで下落しやすい特徴
- 10月中頃~下旬ごろにスイングローを形成して翌年2月ごろまで上昇しやすい特徴
よく言われるセルインメイ(Sell in May)、つまり5月に売れというのがありますが、それは本当なようです。青線(過去41年のアノマリー)を見ると、5月(May)にスイングハイをつけ、そこからは横ばいになり、やがて下落する傾向があります。
ただ、短期的にみると(緑と赤)2月中頃までに売ったほうが良いということになります。これはコロナショックの時の下落が影響しています。
日経225は、10月に買って翌年の2月に一部利食い。3月に下落したら買いなおし、5月ごろに利食い。
その後、8月~10月末の間に押し目を拾って徐々に買いポジを作り直していくのがよさそうです。
日経225の時間帯による値動きの特徴
次に、日経225のデイトレやスキャルピングに役立つ値動きの特徴を分析していきましょう。
日経225が動く時間、押し目が出やすい時間、戻りが出やすい時間が分かればデイトレードやスキャルをしやすいですよね。
時間帯別アノマリーチャートを使います。
これは日経225の時間帯アノマリーチャートです。
過去4か月間の5分足データを集め、1日ごとに区切り、日中の値動きの平均顔的なチャートとして描画したものです。
青線は過去4か月間のすべての5分足を使って描画した時間帯アノマリーチャートです。
次に緑線は、日足が陽線になった日の5分足だけを使って描画した時間帯アノマリーチャートです。
最後に赤線は、日足が陰線になった日の5分足だけを使って描画したものです。
チャートの左端が9時、右端が15時です。
これらの時間帯アノマリーチャートを分析することで、日経225の日中の値動きの特徴を知ることができます。
日経225の日中の値動きの特徴を分析
青線(すべての5分足が対象)を中心に分析しつつ、緑線や赤線も組み合わせて分析したいと思います。
日経225で日中のスイングハイ(戻り高値)やスイングロー(押し安値)ができやすい時間
目立つスイングハイ(山)やスイングロー(谷)に印をつけてみます。
すると以下のような時間帯別の値動きの特徴が見えてきます。
- 9時20分ごろにスイングハイをつけて下落しやすい特徴
- 10時20分ごろにスイングローをつけて上昇しやすい特徴
- 11時10分ごろにスイングハイをつけて下落しやすい特徴
- 13時50分ごろにスイングローをつけて上昇しやすい特徴
- 14時少し前にスイングハイをつけて下落しやすい特徴
ちなみにこれらの特徴はその日が上昇トレンドか下降トレンドかによって、どの特徴が色濃く出るのかが異なります。
下降トレンドの日には下落しやすい特徴のほうを選択してエントリータイミングを考えるとよいです。一方、上昇トレンドの日には上昇しやすい特徴のほうを選択してエントリータイミングを考えるとよいでしょう。
日経平均特有の悲しい特徴(デイトレーダーは注意!)
結論から言います。
日経225や日本株でのデイトレードはあまりうま味が多くないので、スイングやオーバーナイトをするほうが良いだろうということです。
まず、この期間(時間帯アノマリーを計算した期間)の日経225の日足チャートがどうなっていたのか見てみましょう。
ほぼ完全に横ばいのレンジ相場だったのが分かります。若干上昇しています。
にもかかわらず、この期間のすべての5分足を対象とした日中の値動きの平均顔はきれいなダウントレンドになっています。
対象期間の日足がレンジ相場であれば、その期間の日中の値動きの平均顔もレンジっぽくなるのが普通です。
それなのに、なぜ日中の値動きはきれいなダウントレンドなのでしょうか?
日本株や日経225先物のデイトレードを長年している人ならわかっていることだと思いますが、日経平均はNYダウに対して子分のような存在で、NYダウの値動きの影響を強く受けます。
NYダウが夜中のうちに上がれば、日経平均の朝はギャップアップ、つまり上に窓を開けて始まります。そしてそのまま上昇してくれたらいいのですが、アジアセッションの時間帯に自力で上昇する力が足りないので、日中はレンジになるか下落してしまうことが多いです。
そしてまた夜(ニューヨークセッション)にNYダウが上がれば、次の日の朝にまた日経平均はギャップアップして始まります。
NYダウ上昇 → 日経平均ギャップアップ → 日経平均の日中はあまり上がらない → NYダウ上昇 → 日経平均がギャップアップ → 日経平均の日中はあまり上がらない
という感じのサイクルになりがちです。
日経225先物や日本株は夜中のうちに動いてしまうことが多い、つまりギャップアップやギャップダウンの割合が多いということになります。
日足チャートは上昇しているのに、デイトレードだけで買いをやっている人はあまり儲かっていないということになりがちなのです。
となると、日経平均や日本株はデイトレードにはあまりうま味が少なく、スイングトレードや長期でやったほうが良いという結論になりそうです。
それでも日経225や日本株でデイトレをするなら、NYダウとの関係、ギャップをどう活かすか?をしっかりと考えたうえでやらないと勝てないと思います。
日経225の値動きの特徴 まとめ
日経225の年間の推移には以下のような特徴がある。(季節性アノマリーチャートを使って分析)
- 3月半ば~下旬ごろにスイングローを形成して5月ごろまで上昇しやすい特徴
- 7月中頃にスイングハイを形成して8月中旬ごろまで下落しやすい特徴
- 9月中頃にスイングハイを形成して10月中頃まで下落しやすい特徴
- 10月中頃~下旬ごろにスイングローを形成して翌年2月ごろまで上昇しやすい特徴
日経225の日中の値動きの特徴(時間帯アノマリーチャートを使って分析)
- 9時20分ごろにスイングハイをつけて下落しやすい特徴
- 10時20分ごろにスイングローをつけて上昇しやすい特徴
- 11時10分ごろにスイングハイをつけて下落しやすい特徴
- 13時50分ごろにスイングローをつけて上昇しやすい特徴
- 14時少し前にスイングハイをつけて下落しやすい特徴
日経平均はNYダウの影響でギャップアップやギャップダウンして日中にはあまり動かない傾向があると思われるので、ギャップを活かす手法を考える必要がある。
以上で、日経225の値動きの特徴の解説を終わります。