FXとは何でしょうか?FXはギャンブルでもあり、通貨の両替でもあり、リスク回避の方法でもあります。FXのことを深く知ることで、FXで成功するための第一歩を踏み出しましょう。
FXとは、Foreigin Exchangeの略で、Forexともいわれます。
Forex(FX)は通貨の両替のことです。また、通貨の両替が行われる国際的な市場のことを指す場合もあります。
もくじ
FXは通貨の両替
1万円札を両替ショップに持って行き、米ドルに両替した場合…
これは「為替つまり両替」を行ったことになります。
そしてそれは、FX市場に参加したということです。
古代のFX
FXとは何か?を知るために、まずはFXの歴史について少し考えてみましょう。
というのも、為替のしくみはずっと昔から同じだと思っていませんか?為替の在り方は歴史とともに変化してきているんです。
まずは古代のFXから。
左から右に時間が流れていると考えてください。
大昔、お金もなければ通貨もありませんでした。人々は物々交換するしかありませんでした。
ある人は山で果物を手に入れ、ある人は畑で穀物を作り、自分で食べきれない分はお互いに物々交換するみたいなことですね。
紀元前2600年頃、エジプトで金が発明されました。
人々は金をとても気に入りました。見た目にキラキラしてきれいだし、手に持ってみると重いし、他の物よりも価値があると思ったからです。金は柔らかいのでいろんな形に加工することができ、なによりもほんの少ししか手に入らないのでその価値は上がりました。
紀元前1500年頃、金は国と国の貿易の決済に使われるようになります。
物々交換をするのではなく、物を金と交換し、その金を使って他の国から別のものを買うといったことです。
そして、紀元前700年ごろ、金を使った最初のコインが作られます。
コインを使うことで取引の効率が上がりました。いちいち金の重さを測らなくても、枚数を数えるだけでその価値を知ることができるようになったからです。
ここまでが、いわば古代の為替となります。
現代のFX
ではここからは、現代世界に移りましょう。
紙幣がヨーロッパを中心に出回るようになり、18世紀には一般的になります。
そうなると、おかしな感じになります。紙幣を使う人と、金貨や銀貨を使う人が入り混じっていたからです。
そこで金本位制の登場です。
金本位制とは、基本的には、ある国の通貨はその国の保有している金の量に裏付けられる制度ということです。
本質的には、政府がその国の通貨と一定量の金との交換を保証するということです。要するにその国が持っている金の量に相当する以上の紙幣を発行することができないということですね。
A国の通貨が
1通単位 = 1オンスの金
と宣言していて
B国の通貨は
1通貨単位 = 2オンスの金
と宣言していたとします。
このように金を基準に紙幣の価値を測ることができると、2国間の通貨の両替が簡単にできるようになりました。
A国通貨1単位とB国の通貨1単位を交換する場合には、A国通貨2単位 = B国通貨1単位 みたいな感じですね。
こうして、金が世界で初めて「標準化された通貨の交換の基準」となりました。
これはとても良いアイデアでした。
しかしここで第一次世界大戦と、第2次世界大戦が起きます。
戦時中、ドイツと戦うためにとんでもない資金が必要な国がたくさん出てきました。
彼らはお金が必要なのでお金をどんどん刷りたいのですが、金本位制のルール上、金保有量の裏づけが必要です。
しかし刷りたい紙幣の金額に対して、金の量が足りなくなります。
そしてもう紙幣の裏づけを金で完璧に保証することができなくなりました。
その時点で、金本位制の意味がなくなってしまいました。
この問題を解決するために、戦争に勝った連合国が1944年に集まり、ブレトンウッズ協定というのを結びます。
なぜ「ブレトンウッズ」というかというと、米国のニューハンプシャー州にあるブレトンウッズという場所でその会合が行われたからです。
ブレトンウッズ協定とは何かというと、単純に言うと金本位制とほとんど同じ金本位制バージョン2みたいなもので、金と米ドルを入れ替えただけです。
米ドルだけが金の準備量に裏付けられることになり、35ドル持っていけば、1オンスの金に交換してくれるといるルールです。
他の国の通貨は米ドルに対して固定相場となります。為替レートが変動しない制度です。
ブレトンウッズ体制になった結果をもう少し詳しく見てみましょう。
- ブレトンウッズ体制になったことで、各国の通貨は米ドルに固定される固定相場になった
- 米ドルが準備通貨となった 各国は自国通貨の裏づけとして金の代わりに米ドルを準備することになり、その米ドルは金に裏付けられているということ
- 2つの組織の誕生
2つの組織とは…
・IMF(International Monetary Fund 国際通貨基金)
・World Bank (世界銀行)
IMF (International Monetaly Fund)国際通貨基金は参加している国が協力して資金のプールを作ります。どこかで問題が起きればその資金を引き出して問題を解決し、少しだけ金利を払って返します。
世界銀行は、発展途上国を支援し、世界中の貧困を解決するために作られた組織です。
ここで皆さん予測できると思いますが、金本位制が失敗したなら、それと本質的には変わらない「金本位制バージョン2」といでもいうべきブレトンウッズ体制も失敗するのではないかと。
その通りになります。
米国の金保有量はどんどん足りなくなっていき、1971年、米国のニクソン大統領は米ドルと金の交換を保証しないことを発表します。
これがブレトンウッズ体制の終わりとなり、それ以来、世界の通貨は変動相場制に移行していきます。
その変動相場制こそが、今私たちの目の前にある、FX市場です。
この流れから、2つの重要なことがあります。
まず、為替というのはそんなに簡単ではなかく、今のFXの仕組みができるまでに、いろいろなことがあったんだなということ。
そして、歴史上何度か固定相場を試みたことがあったけれど、どれも上手くいかなかったこと。
例えば金本位制とブレトンウッズ体制ですが、どちらも上手くいかなかった。
その理由は、通貨の値動きを制限してコントロールするのはあまりにも人工的で無理があったということです。
現在目の前に存在する自由市場のFX、つまり需要と供給のバランスでレートが自由に決まる制度は、
通貨の両替をするシステムとして固定相場制よりもずっと自然なものです。
実際、現在のFXは何に使われているか?
さて、FXの本質は両替なのですが、現在のFX市場で、純粋に両替としての取引はそんなに多くありません。
FX市場で取引される金額のうち、90%ぐらいは投機的な取引です。投機とは、早い話がギャンブルの取引です。
ヘッジファンド、投資銀行、一般投資家は勝つか負けるか!のギャンブル的な取引をたくさんしています。特に一般投資家のFX取引はほとんどが投機的な取引です。
一方、多国籍企業や国は実需の取引をします。
投機的な取引は短期的な取引であり、腰が据わっていないのでFXの長期的な値動きにはそれほど影響を与えないと言われています。
実際にFXの長期的なトレンドを形成するのはマクロ経済や個々の企業のマクロ経済の事情に左右される実需の取引です。
一般投資家にとってのFXはギャンブルである
一般投資家にとってのFXの使い道は3つあります。
- 両替する
- 自国通貨をヘッジする
- トレードで稼ぐ
1はよいでしょう。海外旅行で使うために円を外貨に両替したり、その逆をやったりです。
2の使い方をしている人も若干いると思います。私は海外株投資をしているので、この使い方をよくします。InteractiveBrokers(米国の証券会社)で米国株を500万円分購入したら、その瞬間にXMを使って500万円相当のドル円を空売りするといったことをします。円高になることへのヘッジをしているのです。InteractiveBrokersでもFXをトレードできますが、500万円程度のFX取引では手数料が高くつくので、XMを使ってヘッジしています。
「FXをする」と言う場合、一番多い、というかほとんどの場合は3の「FXのトレードで稼ぐ」という目的でFXをする人がほとんどではないでしょうか。
FXは2つの通貨の相対的な強弱の推移に賭けるギャンブルです。
FXの業者でUSDJPYを買うという行為は、USDを買って、JPYを売ることです。
その取引が両替でもヘッジでもないなら、それはつまり、米ドルが円に対して相対的に上がれば儲かる、ということに賭けるギャンブルなわけです。
USDJPYを買ったあなたは、USDを買い、それと同額のJPYを売るという2つのことをしたことになります。
ですから、その瞬間以降、買っている米ドルの上げ幅が、売っている円の上げ幅よりも大きければ利益になります。
逆に、買っている米ドルの下げ幅が、売っている円の下げ幅よりも大きくなれば、損失になります。
これは、本質的には競馬などと同じで、ギャンブルです。
投機的なFXをする人は(ほとんど全員そうですが)「自分はギャンブルをしている」そのことを理解しないといけません。
自分が何をやっているのか分からないのにそれを実行することほど危険なことはないですから。
ギャンブルとしてのFXはダメなのか
FXはギャンブルだから、やってはダメなのでしょうか?
それは、競馬やパチンコはダメなのか?
という質問と全く同じ意味の質問となります。
「パチンコは貯金だ!俺はパチンコで負けてるけど、それはパチンコ貯金をしてるんだ!」
「FXはギャンブルじゃない!」
そのような気が狂ったようなことを言う人は、完全にアウトです。FXに手を出さないほうが良いでしょう。
しかし、FXをギャンブルとして捉え、そのギャンブルで上手に立ち振る舞える人であれば、FXは最高の賭場になり得ます。
世の中には、パチプロと呼ばれる人たちがいます。
彼らは、パチンコ台やパチンコ屋の傾向を徹底的に分析し、打っているパチンコ台の動作を研究し、上手に立ち振る舞ってトータルで勝ちに持っていきます。
彼らパチプロは、月に20万~50万ぐらい稼ぐと言われています。
FXにおいても、パチプロと同じことができます。
パチプロならぬFXプロというのが存在するのです。
そしてFXプロにはパチプロに無いメリットがあります。
FXプロにあってパチプロに無いメリット
レバレッジが効く
FXプロがパチプロよりも優れているのはレバレッジが効くことです。
レバレッジが効くということは、ようするに、上手な人は賭け額を大きくして、収入を大きく上げることができるということです。
逆に下手な人は、賭け額を大きくして損失を大きくすることになります。
レバレッジを上げるというのは、勝てば大きいけれど負けても大きいという諸刃の剣なわけですが、安定して勝てる上手な人にとってはとても重要な要素になります。
パチンコにおいては、いくらパチンコを上手に打てるとしても、一人の人間が同時に打てるパチンコ台は1台だけです。投入できる金額も一定です。パチンコ玉の価値は、固定されているからです。
一方、FXで勝てる人は、複数の通貨ペアを同時にトレードすることができます。
パチンコに例えるなら、一人の人間が同時に何台ものパチンコ台を打てるということです。
また、1回の賭けに投入する金額を自分の好きなように増減させることができます。
パチンコの場合は、自信があってどんなに大きく賭けようと思っても1日に勝っても10万、負けても10万ぐらいの設定が限界です。
しかしFXの場合は、買ったら100万、負けたら100万といったような設定でトレードすることができます。
上手なパチプロの年収はどんなに上手な人でも数百万ぐらいが限界でしょう。しかしFXプロの場合は、億をはるかに超える金額を稼ぎ出す人が実際に存在します。
FXロボットで自動化できる
まだほかにFXプロのメリットがあります。
それは、プログラムを組んで自動売買ができるということです。MT4というツールを使い、MQL4というプログラミング言語でトレードシステムを自作できれば自分の思い通りのトレードルールでトレードをひたすら続けてくれるFXロボットを作れます。
パチンコの世界に例えると、自分と同じように上手に立ち振る舞える自分のクローンを何人でも何十人でも複製し、日本中のパチンコ店に送り込むことができるようなものです。
FXという世界は、能力と実力さえあれば天井知らずで収入を増やすことができるすごい場所です。
どうすればFXというギャンブルで上手に立ち振る舞えるか?
どうすれば、FXというギャンブルで上手に立ち振る舞えるのでしょうか?
いくつか重要なことがあります。
- フェアなFX業者を選ぶ
- 日々FX市場を研究し続ける
- 新しいトレードの手法を学び続ける(永遠に機能する手法は無い)
- トレード手法を検証し続ける
- 有利な時間軸でトレードする(短い時間軸でトレードしすぎない)
- 資金管理を勉強する
- トレードメンタルを整える
- 自分のトレードを記録/分析する
FXという分野は成功すれば大きなリターンを得られます。その分学ぶべきこともたくさんあります。
あなたがFXを甘く見ず、大好きな趣味、または自分の職業として全力で賢くFXに取り組めることを祈ります。