含み線は、エングルフィンバーとも呼ばれる反転のプライスアクションシグナルです。プロが含み線を使う際の形や発生位置の条件について解説します。
もくじ
含み線とは
含み線とは反転の売買シグナルであり、ピンバーと同じような使われ方をします。
含み線は、こんな見た目のパターンになります。
赤の上矢印は、買いの含み線が出た位置を示しています。(含み線のプライスアクションインジケーターを使用)
1本目のローソク足の値幅をすっぽりと含む2本目のローソク足が出たら、それは含み線のパターンです。
買いのシグナルであれば、1本目が陰線で下げていて、その1本目の陰線をすっぽりと含む2本目が陽線のパターンとなります。
逆に、売りシグナルとなる含み線は、1本目が陽線で、1本目の陽線をすっぽりと含む陰線が出たら、2本のローソク足がセットで売りの含み線となります。
「こういうのが含み線」にはいくつかの考え方があります。
1.「1本目の実体を2本目がすっぽりと含んでいれば含み線」という考え方。
2.「いやいや、1本目のヒゲも含めたすべての値幅を2本目がすっぽりと含んだら含み線だ!」という考え方もあります。
僕は最近では前者の考え方、「1本目の実体を2本目がすっぽりと含んでいれば含み線」を採用しています。
どっちが正しいか?という議論はプライスアクションの学者みたいな感じの人にお任せして、僕たち現役トレーダーは自分が納得できて、勝てている方を使うのが正しいということでOKです。
最近の僕の経験では、2のほうがチャンスを逃すことが少なく、それでいて十分に優位性があるので2の考え方を採用しています。
1の考え方も優位性があります。しかし最高のチャンスを何度も何度も逃してしまいます。それでも良いなら1を採用して下さい。
含み線(エングルフィンバー)だけじゃそれほど勝てない
含み線だけの理由でトレードしてもそれほど優位性はありません。
以前、全通貨ペアの日足を対象にピンバーや含み線などのプライスアクションシグナルの単体テストをしたことがあります。
含み線は、ピンバーよりは良い成績でしたが、それだけで右肩上がりに安定して勝てるといったものではありませんでした。(残念!)
ですので、含み線単独で、シグナルが出たから片っ端からエントリーという感じで使うのではなく、上位足の分析と組み合わせ、最後のゴーサインとして使うようにしてください。
僕のメルマガで無料でお渡ししている含み線のインジケーターをチャートに適用して、含み線の売買シグナルがでいている部分を確認してみてください。
勝てているケースも、負けているペースも、半々ぐらいあると思います。
含み線の条件3つ
有効な含み線と判定するための条件を3つ解説します。
条件1:1本目の実体をすっぽり含む
先ほども触れましたが、含み線の一番基本的な条件です。
1本目のローソク足の実体を、2本目のローソク足がすっぽりと含んでいる必要があります。
条件2:含み線の値幅が平均以上であること
含み線のパターンの値幅(2本合わせて)が、少なくとも平均的な値幅以上である必要があります。
たとえ含み線の条件1を満たしていても、その値幅が著しく小さい場合は、そのマグニチュードに疑問符が付きますよね。ある程度の値幅がないと有効ではないという条件を追加することでそういった小さな値幅のパターンを排除できます。
そもそも反転シグナルというのは、V字や逆V字のパターンです。急激に値動きの方向性が変わるから、それが売買シグナルとなるのです。
ですから極端に小さなV字や逆V字のパターンは、売買シグナルにはなりません。
条件3:割安の位置での買いの含み線と割高の位置で売りの含み線のみ有効とする
これは、直近の値動きの中で、どの辺りで含み線が出たか?という「位置」に関する条件です。
過去20~30本のローソク足の安値から高値までの値幅を考慮し、その中で比較的高い位置で出ている「売りの含み線」は売りシグナルとして有効。
下位の場合は逆で、比較的安い位置で出ている「買いの含み線」のみを有効とする。
というルールです。
こんな感じで、過去20~30本の値幅の中の高い位置、つまり割高の位置で売りの含み線が発生している場合、割高の位置で売れるわけだから、売りシグナルとしていいよね。ということです。
逆に割安の位置(低い位置で)売りの含み線が出ている場合は、「割安で売るのは良くないよね」ということでスルーする場合もあるということです。
以上3つの条件を満たしている含み線が、上位足の分析で見つけたエントリーポイントで出たら、エントリーしてみる価値があります。
このページで解説した含み線を検出できる含み線インジケーターもありますので、MT4のチャートで含み線を観察してみてください。
以上、含み線について解説しました。