日経平均はコロナウィルスの影響でどこまで下げる?すぐに回復して上げる?株を持っている人は気が気じゃないと思います。今日は普段はあまり見ない月足チャートを分析して日経平均の長期的な値動きを予想してみたいと思います。結論から言うと、日経平均は今後を予想するうえで、かなり瀬戸際の位置にいます。
日経平均の長期的な予想 月足チャート
何はともあれ、日経平均の1985年以降の月足チャートを見てください。
日経平均は1985年以降の値動きを長期的にみると、まだ1990年1月につけた高値を抜けることができていないので、頭上にたくさんのレジスタンスエリアが存在します。
今まさに、その重要なレジスタンスエリア(抵抗エリア)の中にいて、2018年1月頃からそこでレンジの値動きになっています。
そしてそのレンジの値動きの中で、今回のコロナウィルスの騒ぎが発生し、下げ始めたという状況です。
しかしまだそのレンジの中にいますし、アベノミクスの上昇トレンドのトレンドラインを割り込んでもいません。
今のところ、長期的にはまだアベノミクスの上昇トレンドは継続中ということができます。
しかし今ちょうど、そのトレンドラインまで下げてきたところですので、ここからの値動きが重要です。
もしトレンドラインを下にブレークしてくるようであれば、4つの意味でやばい状況と言えます。
- アベノミクスの上昇トレンドラインを割り込んでしまう
- レンジ相場の下値ブレークでもある
- コロナウィルスの世界的パンデミックによるリスクオフというセンチメント
- 日本経済の指標が悪く、リセッション(経済収縮局面)寸前の数字
最初の2つはテクニカル分析の下降トレンドが始まりやすいシグナル。
後の2つはセンチメントとファンダメンタルズの決定的な要因です。
通常、テクニカル分析のシグナルをファンダメンタルズ分析とセンチメントの要因が裏付けるような状況では、テクニカルのシグナルに信憑性が追加され、強いトレンドが出ることが多いです。
今回もしこのトレンドラインのブレークが起きると、大きく下落して少なくともチャート画像で水色に塗った一つ下のサポートエリアまでは下げてしまうのが普通の値動きだと思います。
今出ている下落を見てください。月足レベルでは全く目立ちません。
今起きていることの重大さからすると、これぐらいの下落で済むと期待するのは少し楽観的すぎるのではないでしょうか。
そもそもアベノミクスの上昇トレンドはもっと長期の上昇トレンド再開のブレークアウトを達成していたのか
また、もう1点、株を買っている人にはあまりうれしくない分析があります。
1991年までの上昇に対して、そこからの下落が押し目の下落だったとします。
その下落が終了して上昇トレンドが再開したことになるのは、Bを抜けた時でしょうか。それともAを抜けた時でしょうか?
どちらの説もあり得ると思います。厳密にいうと、Bのスイングハイを明確に抜けたら上昇トレンドが再開したでOKでしょう。
しかし、Bから始まった下落の安値は、Aから始まった下落の安値を下に抜けて安値は付けましたが、すぐダマしになって戻っています。
ですから、BではなくAの高値を抜けたら上昇トレンドの再開になると考えているトレーダーもいると思います。
だとすると、今の価格帯での値動きはどうでしょう?ちゃんとAの高値をブレークアウトしたのでしょうか?一応抜けましたが、そこからすぐにレンジになってしまい、今まさにAの高値のラインを下回ってしまいそうになっています。
Aの高値のブレイクアウトはダマしだったということになってしまい、強い売りが出てきてしまいはしないでしょうか。
そうなると、テクニカル分析の理論的には、また2009年につけた安値付近を試しに下げてもおかしくないということになります。
とはいえ、そうなるとファンダメンタルズ分析のPERなどの数値があまりに割安になりすぎてしまいそうなので、それはないだろと思ってしまいそうですが、企業の利益は景気によって大きく左右されるので、ありえなくもないと思います。
ここからすぐに反転して上げるなら?
逆に、もし仮に、これだけ重大なことが起きているにもかかわらず、これぐらいの下落で反転して上げていき、高値を抜けていくようであれば、それは日経平均がものすごく強いということが言えます。後ろに巨大な勢力がいて株価を支え、絶対に下げさせないという意思表示と言えるでしょう。
その場合はもう一段上のレジスタンスラインまで上げていくことになると思います。
以上2020年3月7日の日経平均の長期予想の解説を終わります。