1本の移動平均線と終値のクロス手法は勝てる?徹底的にバックテストした結果を公開

移動平均線と終値のクロス手法 先物市場でバックテストした結果

結論から言うと、たった1本の移動平均線とローソク足の終値のクロスでドテン売買するシンプルな手法は勝てます。この記事で徹底的なバックテスト結果を公開して明らかにしますので最後まで読んでください。

以前のバックテストで2本の移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスでドテン売買する手法はかなり勝てることが分かっています。

それなら1本の移動平均とローソク足の終値のクロスでも勝てるのか?と思いますよね。この記事では先物/FX/個別株の35年のデータを使ってそのシンプルな手法を徹底的にバックテストした結果を公開します。

目次

移動平均線と終値のクロス手法 先物市場でバックテストした結果

米国で上場されている多種多様な先物銘柄24種類でバックテストしました。

期間は1990年~2024年。

売買ルールはものすごくシンプルです。

  • 終値が移動平均線よりも上で引けたら次の日の始値で買い
  • 終値が移動平均線よりも下で引けたら次の日の始値で売り
  • 上記ルールでドテン売買を繰り返す

移動平均線の設定は50本~300本、10刻みでバックテストしました。

それぞれの設定で勝てているかをざっと見てみましょう。

移動平均線と終値のクロス手法 先物市場でバックテストした結果 最適化グラフ

全ての設定で利益になっています。

移動平均線の設定は、小さいよりも大きめの方が良い成績になっています。

特に良いのは、移動平均線の設定が230~250のあたりです。

一番数値の良かった250本の設定の資産曲線とスタッツを見てみます。

移動平均線と終値のクロス手法 先物市場でバックテストした結果

移動平均線と終値のクロス手法 先物市場でバックテストした結果 スタッツ

平均年利:7.78%

最大ドローダウン:-32.17%

は立派です。移動平均線1本しか使わないこのようなシンプルなクロス手法でもこれだけの成績を出すことができるんですね。

ただ、注意が必要なのは勝率の低さです。なんと16.21%しかありません。

資産曲線だけ見ると素晴らしいですが、勝率の低さを考えると普通の人には実践することが難しいでしょう。

移動平均線と終値のクロス手法 FXのほぼ全通貨ペアでバックテストした結果

次に全く同じ売買ルールを使ってFX市場でもバックテストしてみましょう。

設定値によるリスク調整後リターンの変動は以下の通りです。

移動平均線と終値のクロス手法 FXのほぼ全通貨ペアでバックテストした結果 最適化グラフ

バックテストテストした全ての設定で利益になりました。

移動平均線の設定は小さいよりも大きめの方が安定しているようです。

FXで一番良さそうな移動平均線の設定は150本でした。

移動平均線と終値のクロス手法 FXのほぼ全通貨ペアでバックテストした結果 資産曲線

移動平均線と終値のクロス手法 FXのほぼ全通貨ペアでバックテストした結果 スタッツ

ロングは良いですが、ショートで負けています。

勝率は15%程度しかありませんので、実践するのは精神的につらそうです。

トータルでは勝てています。

直近15年ほどはほぼ横ばいになっています。

このまますぐに運用したいと思うほどに良い結果ではありませんが、優位背があるのは確かなようです。

移動平均線と終値のクロス手法 個別株(S&P500)でバックテストした結果

もちろん、株式市場でもバックテストしました。

対象銘柄はS&P500に採用されている銘柄です。サバイバーシップバイアスを排除するため、S&P500に採用されたことのある銘柄すべてを対象とし、その銘柄がS&P500に採用されている期間だけバックテストに含めました。

株のショートの長期トレンドフォロー手法はひどく負けることが分かっているので、買いのみでバックテストしました。逆日歩を払うはめになる株を長期で空売りしたい人なんていませんよね。

期間は1990年~2024年3月まで、売買ルールは先物やFXのバックテストの時と全く同じです。

移動平均線の設定ごとのリスク調整後リターンから見てみます。

移動平均線と終値のクロス手法 個別株(S&P500)でバックテストした結果

移動平均線の設定が100以下の小さめの設定では負けていて、設定値が大きくなるほど成績が良くなっています。

一番良かったのは、今回バックテストした中で一番大きな設定値である300本の設定でした。

移動平均線と終値のクロス手法 個別株(S&P500)でバックテストした結果 資産曲線

移動平均線と終値のクロス手法 個別株(S&P500)でバックテストした結果 スタッツ

まずますの成績ですが、勝率が14%台と低いのが気になります。

トレード回数がかなり多いのを見ると、移動平均線の周辺でレンジ相場になってしまった場合にダマシにたくさん引っかかるということではないかと推測します。

移動平均線と終値のクロス手法をバックテストした結果 まとめ

移動平均線と終値のクロス手法はたった1本の移動平均線と直近のローソク足の終値しか使わないシンプルな手法です。しかしほとんどすべての市場で勝てることが分かりました。特に様々な種類の銘柄に分散された先物市場では安定しているようです。

この手法の弱点は勝率が非常に低いことです。勝率は15%程度となっており、普通の感覚を持ち合わせた人がこの手法を実践するのは困難だと考えられます。

移動平均線と終値のクロス手法における移動平均線の設定は、小さな設定よりも大きめの設定の方が安定していることが分かりました。

勝率が異常に低いという欠点はありますが、この手法には可能性を感じます。さらに研究を続け、この手法を進化させたいと思います。

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この記事を書いた人

株のスイングトレードを中心に、FXや先物もトレードします。
基本は裁量トレーダーですが、高いバックテストの能力を持っており、システムトレードの良い部分はどんどん取り入れていってます。
複数の戦略ポートフォリオを運用し、市場平均を上回るリターンを市場平均よりも小さなドローダウンで実現するのが僕の仕事です。
AmazonKindleで2冊のベストセラー電子書籍を持つ「プロになるためのデイトレード入門」「日本一即戦力なFX講座」

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