こんにちは。今日は「政府のシャットダウン」と「雇用指標の悪化」というちょっと暗いニュースが出たのに、株価は逆に元気だったという話を整理しておきます。初心者の方でも読みやすいように、用語は必要なところだけ簡単に補足しますね。
政府シャットダウンと雇用統計の悪化
アメリカでは新しいつなぎ予算が通らず、政府の一部が閉鎖(シャットダウン)に入りました。連邦職員への給与や行政サービスに影響が出るニュースです。
さらに、ADP(米民間の雇用統計サービス会社)の9月データでは、民間雇用が3万2千件減少。市場予想は5万人の増加だったので、数字的には大きなネガティブサプライズでした。8月分も上方修正ではなく逆にマイナスへ修正されています。
株式市場はなぜか強い
ところが、市場はこれをほとんど無視しました。S&P500は+0.3%上昇して過去最高値の6,718を更新。ナスダック総合も+0.4%で、史上最高値まであと一歩のところまで来ています。ダウ平均は+0.1%、ラッセル2000(小型株)は+0.2%の上昇でした。
売買高をみると、NASDAQでは前日比で+12%と大幅に増加。これは機関投資家(投資信託や年金基金など)の資金流入を示している可能性が高いです。価格が上がって、しかも出来高が増えるというのは、相場が健全に強気になっている典型的なサインですね。
AI・データストレージ株の急騰
個別株では、MU(Micron)が一日で+8%以上の大幅上昇。出来高も平均の2倍近く入りました。株価は170ドル台の買いポイントを抜けて、182ドル台で史上最高値を更新しています。
同じグループのWDC(Western Digital)、SNDK(SanDisk)、STX(Seagate)も強い動き。特にSTXは今年4月の安値から3倍以上に上昇しており、200日移動平均線から110%も上に乖離しています。ちょっと加熱気味ではありますが、直近の決算では前年比で+476%、+147%と驚異的な利益成長を示していて、背景にはちゃんとした理由があるとも言えます。
10月の相場アノマリー
10月は「株式市場にとって荒れやすい月」と言われることが多いです。過去にはリーマンショックやブラックマンデーなど、大きな下落が起きたのも10月でした。
統計的にはS&P500で見ると「第7位の月」、ナスダックでは「第9位の月」で、平均的にはわずかなプラス。けれど大統領選挙の翌年の10月は成績が良い傾向があり、S&P500は平均+1.3%、ナスダックは+1.9%上がってきたというデータもあります。
まとめ
政府閉鎖や雇用統計の悪化といった悪材料があったのに、市場はむしろ強気を保ちました。特にNASDAQ銘柄に資金が集まり、AI関連やデータストレージ株が急騰しています。10月は荒れる月として知られますが、大統領選翌年は比較的プラスになりやすいという過去の傾向もあるようです。