ドル円(USDJPY)の値動きを予想したいときに役立つ情報をまとめました。ドル円のスイングトレードやデイトレードのトレードアイデアを立案する際に役立ちます。季節性アノマリーチャート(ドル円の平均顔)、ドル円のCOT分析、ファンダメンタルズ専門サイトのドル円予想を上手に使う方法を中心に解説します。
ドル円の予想に役立つ季節性アノマリーチャート
まずはドル円の季節性アノマリーチャートをご覧ください。
季節性アノマリーチャートは、1年の中でいつ頃上がりやすいのか?下がりやすいのか?を見るためのチャートです。
左端が1月1日、右端が12月31日です。(プログラムの都合で月が英語表記になってしまっていますがご了承ください。)
青い線は長期。過去22年間のドル円の日足データを計算して導き出したドル円の年間の値動きの平均顔のようなものです。
緑の線は中期。過去10年間の値動きから導き出したドル円の年間の平均的な値動き。
赤の線は短期。5年間の値動きの平均顔です。
長期、中期、短期の3本の線が同じような時期にスイングロー(谷)やスイングハイ(山)を付けていて、そこから勢いよく動いているポイントを探してみてください。
そういったポイントは、長期的に高値や安値をつけやすい位置ということが言えるので、その時期のドル円の予想にとても役立ちます。
例えば8月(Aug)の末~9月(Sep)の初頭ぐらいのタイミングで安値を付けて上げ始めているのが分かると思います。
毎年必ず、とは言いませんが、80%以上の年においてその時期に少なくとも短期的な安値を付けていますので、その時期には「何かある」と言えます。
それが何かは分かりません。しかしドル円は巨大な市場です。その巨大な市場で毎年その時期に短期的だとしても安値を付けるということは、そこで日銀かFRBが何らかの介入を密かにやっていると考えるのが自然ではないでしょうか。
ドル円の季節性アノマリーチャートから見えるドル円の値動きの癖
ドル円の季節性アノマリーチャートを見て、3本のラインが揃ってスイングハイやスイングローを付けているポイントをざっと探してみましょう。
一番分かりやすいのは、8月半ば以降~9月初旬にスイングローを付けて、そこから11月初旬ぐらいまでは上昇しやすいという傾向です。
その少し前の7月中旬からの8月下旬にかけて下落しやすいという傾向もあるようです。
あとは、4月の上旬から4月の中旬にかけての下落といったところです。
時間をかけてじっくりと観察すればもっと見つかると思います。
またこの季節性アノマリーチャートを観察して見つかったポイントで売買を繰り返した場合のバックテストをしてみたいと思います。
ドル円のCOT分析をするための情報源と注意点
米シカゴのCME先物市場には日本円先物が上場されており、その大口取引報告書が毎週公開されます。
その大口取引報告書のデータをCOT(Commitment of Traders)というのですが、それをチャート上にグラフとして描画することができます。
大口投資家がどれぐらい買い越しなのか、それとも売り越しなのかをチャートに線グラフとして表示して時系列で把握することができるということです。
方法はそんなに難しくありません。
barchart.comを開きます。
Select a CommodityのドロップダウンリストからJapanese Yenを選択します。
するとコントラクト一覧が表示されるので、「Open Int」が一番大きな数値のContractを選択してください。
すると小さなチャートが表示されますので、Full Chart ボタンで大きなチャートを表示します。
続いてチャート左上辺りになる+studyボタンをクリック。
検索窓にcomと入力。
Commitment of Tradersをクリック。
すると設定画面が開きます。
Cmm Spec = 商業筋 = 腰の据わった大口
Large Spec = 投機筋(大口)
Small Spec = 投機筋(小口)
の3種類があります。
このうち、赤に設定されている商業筋が最も重要であり、多くの場合これを分析対象とします。(赤が重要!)
Small Spec(小口の投機筋)は重要ではないので選択を外します。
ADD をクリックすると、ドル円チャートにCOT分析用の線グラフが表示されます。
ここで注意点なのですが、このチャートは円先物のチャートです。
通貨ペア的に書くと、JPYUSDのチャートということになりますので、USDJPYのチャートとは値動きが上下逆になります。
ドル円(USDJPY)のチャートは上がったらドルが強いという方式ですが、円ドル(JPYUSD)のチャートはチャートが上昇したらJPY(円)が強いということになります。
さて、赤線が商業筋の円ポジションです。
商業筋 = 腰の据わった大口投資家 = 中央銀行も含まれる
との認識が一般的なので、赤線を中心に分析します。
赤線が急激に上がったり、歴史的に高い位置にあると、商業筋が円先物の買いポジを増やしているということです。そういう局面では…
そろそろ円が上がるだろう → JPYUSDはそろそろ上がるだろう → USDJPYはそろそろ下げるだろう
という予想になります。
逆に、赤線が急激に下げていたり、歴史的に低い位置にあると、商業筋が円先物の買いポジを減らしている(もしくは売りポジを増やしている)ということです。そういった局面では…
そろそろ円が下がるだろう → JPYUSDはそろそろ下げるだろう → USDJPYはそろそろ上げるだろう
という予想になります。
上下逆に考えないといけないのでややこしいですよね。でもなれたら自然と頭の中で分かるようになります。
COT分析は突き詰めていくともっともっと奥が深いです。しかし5分でマスターできる方法としては、こんな感じです。
TRADINGECONOMICS.comでドル円予想を見る方法
はい、お馴染みのTradingEconomics.comです。
各国のファンダメンタルズデータを鬼のように蓄積して分析して販売している鬼のようなサイトです。
彼らはドルストレートの値動きをいろいろな規模感(時間軸)で予想していて、ドル円も彼らの予想対象に含まれます。参考にしてみるのはいいかもしれません。
方法は簡単です。
TradingEconomicsにアクセス。
Markets → Currencies → USDJPYをクリック。
Forecastタブを開く。
するとドル円の予想チャートが見れます。
1年予想だとこんな感じです(2021年12月現在)
上げる予想(円安)の予想です。
(画像はTradingEconomics.comより)
10年予想になると、景色はガラッと変わります。
短期的には上げるけど、長期的には下げますよ~という形ですね。
さらに長期の25年予想になると、水色の魔法のチャネルは上向きになります。
でもやっぱり超長期的にはドル円は上がる(円安になる)ということでしょうか。
なかなか面白いですね。
どこかの有名な国際経済学者が言っていました。
「今後は円安の傾向が続く。そして有事の時にも有事の円買いはあまり起きにくくなっていく。」
TradingEconomics.comの25年予想と一致しているのが興味深いですね。
僕もそのリスクの備え、円高が進んだ際には円資産のヘッジのために外貨を少しずつ買うように心がけています。
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ドル円の予想に役立つ情報 まとめ
いかがだったでしょうか?
ドル円の近未来を予想するための様々な情報源とその見方を解説しました。
僕のブログの読者様の多くは短期トレーダーかとおもいます。なので僕的に一番お勧めなのは、季節性アノマリーチャートです。
このページに掲載したチャート画像を見て分析するだけで誰にでも今すぐできて、経済学の知識も不要で、スイングトレードや場合によってはデイトレードのポジションの一部で利益を伸ばす根拠として使えるからです。
そして、繰り返し過ぎてお前は俺のお祖母ちゃんか!と言われそうですが…
予想だけでトレードしてはいけないので、レジサポやプライスアクションのスキルと組み合わせて、ドル円予想のスキルを活かしてください。