今日も米国株市場について、ちょっと気になる動きを整理してみます。米連邦準備制度(FRB)が利下げを発表し、その後の株式市場がどう反応したかを振り返ります。初心者の方でも理解しやすいように、なるべくやさしく解説していきますね。
FRBが0.25%の利下げを決定
今回の会合で、FRBは政策金利(フェデラルファンド金利、FF金利)を4.25〜4.50%から4.00〜4.25%へと引き下げました。これは2024年12月以来の利下げになります。パウエル議長は「リスク管理のための利下げ」と説明しています。
市場の反応はどうだった?
発表直後はナスダック総合指数が一時▲1.2%まで下げましたが、終盤に買い戻されて▲0.3%の小幅安で終了。S&P500はほぼ横ばい、ダウ平均は+0.6%と堅調でした。小型株を集めたラッセル2000も+0.3%とプラスで終えています。
強かったセクターと銘柄
金融株が目立ちました。一見すると「金利が下がると銀行の収益も減るのでは?」と思いがちですが、実はポイントはイールドカーブ(長期と短期の金利差)です。短期金利が下がることで資金調達コストが下がり、長期の貸出金利との差が広がれば、銀行は利ざやを取りやすくなります。さらに、金利が下がると借り手が増えるため、融資のボリュームも拡大しやすくなります。大手では JPMorgan (JPM) が7日続伸し、史上最高値を更新しました。
その他では、電力インフラ関連の American Superconductor (AMSC)、フィンテックの StoneCo (STNE) といった中小型株にも買いが入りました。
AMSC(American Superconductor)に特に注目してます。電力インフラやAI関連のテーマを背景に、AMSC(American Superconductor)の値動きが面白くなっています。最近は安値圏からブレイクアウトしてきており、ストーリー的にも強さを感じる場面です。
AMSCの週足を見ると、底値圏の持合いからブレイクアウトしてきているのが分かります
ただしAMSCは小型株で、資金が一気に入ると大きく上がる反面、資金が抜ければ下げも早いタイプです。スイングトレードのように短めの期間で狙うには面白い存在ですが、リスク管理も大切だと思います。
テーマ性が強いため、短期間で大きな上昇の動きが起こり得るのも、このような銘柄の特徴と言えるでしょう。
今後の利下げはどうなる?
FRBの見通し(いわゆるドットプロット)では、年内にあと2回の利下げが示唆されています。ただし理事の見方は割れていて、年末の金利予想は2.5〜4.5%と幅広いレンジです。市場参加者は「FRBはさらに2〜3回利下げするのでは」と見込んでおり、やや市場の方が積極的に予想しています。
債券市場の反応
10年国債利回りは4.07%と小幅上昇、2年国債は3.55%となりました。特に2年債は「今後の政策金利を予測する指標」としてよく見られます。大きな動きではありませんが、市場は今後の追加利下げをある程度織り込み済みといえそうです。
まとめ
今回の利下げは「予防的な意味合い」で、想定通りの内容でした。そのため株式市場は大きく跳ねることはなく、むしろ安心感から小幅安〜小幅高で落ち着いた形です。強かったのは銀行株を中心とする金融セクターで、個別銘柄ではJPMがリーダー的存在になっています。
※この記事は「今日の気づき」をシェアしたもので、銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任で、無理のない範囲で楽しみましょう。