ビットコインが最近さえなかった理由は「景気」ではなく「流動性」──株銘柄でBTCに投資する方法も

MSTRの日足

今日はビットコイン(BTC)について、直近の下げの背景や「サイクルの終盤なのか?」という点を整理してみます。あわせて、ビットコイン投資家にとって注目度が高いMSTR(MicroStrategy)株についても触れます。


なぜいま下げているのか

米国株が上げ続ける中ビットコインはさえません。

ビットコインの日足

ビットコインの日足

今回の下げは、まず「米国内の流動性が一時的に引き締まった」ことが大きいです。米財務省の口座(TGA)が補充されると、その分だけ民間から資金が吸収されます。さらにFRBは量的引き締め(QT)を続けており、国債やMBSを満期放置することで市場の現金を減らしています。コロナ後の余剰資金を吸収してきたON-RRP(翌日物リバースレポ残高)はほぼ枯渇し、いまは銀行の準備預金を直接削る段階です。

銀行の現金・準備はすでに下方レンジにあり、余裕が少ない状況。こうした環境下では、株やBTCのような流動性依存の資産が押し下げられやすくなります。つまり「景気が悪化したから」ではなく、「資金の回り方が一時的に厳しくなったから」の下げです。

流動性=市場に回っているお金の量。吸収されると株やBTCに逆風、増えると追い風になります。

直前の上昇はクライマックスだったのか?

結論から言うと、「典型的なクライマックス」と断定できる状態ではありません。いくつか理由があります。

1) 過熱シグナルが限定的:オンチェーンのMVRV(時価÷実現時価)などは極端域に張り付いていません。BTC関連株やアルト保有企業の株価プレミアムは夏にかけて高まりましたが、足元ではむしろ縮小しています。

2) 買い主体が偏っていた:今回の上昇は米国企業や機関投資家が中心でした。過去の最終局面では、リテールや新興国資金まで雪だるま式に広がるのが特徴ですが、まだそこまで至っていません。

3) 下げの直接原因は流動性イベント:TGA補充やQTといった配管的な資金要因で説明でき、構造的に「サイクル終了」と言える兆候とは違います。

4) グローバル流動性は“そこそこ”:BTCは世界のマネー供給量(Global M2)との相関が強いですが、世界全体で見れば極端な引き締めは起きていません。米国内の資金事情に振られた側面が強いです。

5) FRBの政策環境:FRBは9月に小幅利下げを実施しており、SEP(経済見通し)では数年でFF金利が3%台に近づく見通し。QTは継続中ですが、2026年には停止して緩やかなバランスシート拡大に戻るシナリオが示されています。

6) 信用市場は壊れていない:商業銀行の貸出は再加速しており、SLOOS(銀行貸出態度調査)も最悪期から改善方向です。金融危機前夜のようなクレジット収縮は見られません。

本格的なバブル最終盤なら「過熱指標が極端に振れ」「リテールやアルトまで巻き込んだ全面熱狂」が典型です。今回の条件はそこまで揃っていません。

ここから暴落しそうか?

「暴落シナリオ」に入ったとまでは言えません。確かに流動性がタイトで重石はありますが、米国のGDP(国内総生産)は堅調、失業率も低水準。ISM(製造業/非製造業の景況感指数)やS&P Global PMI(速報/確報)は、急悪化でも急加熱でもなく“ソフトランディングの範囲”に収まっています。

今の下げは「景気悪化シグナル」ではなく「流動性イベントによる調整」と言った感じだと思います。これだけでサイクル終焉や大暴落と決めつける材料は不足しています。

MSTRという“ステロイド付きBTC”の存在

BTCを直接買う代わりに、MSTR(MicroStrategy)株という手段があります。

MSTRの日足

MSTRの日足チャート

MSTRは巨額のBTCをバランスシートに保有し、借入や増資で買い増しをしてきました。そのため株価はBTC以上に振れやすいです。

比喩すれば「ステロイドを打ったBTC」。BTCが10%動くと、MSTRは20〜30%動くこともあります。上昇局面ではプレミアムが膨らみ、保有BTC価値の2〜3倍まで株価が買われることも。逆に下落時には割安に放置されることもあります。

MSTR=BTC現物 × レバレッジ × 株式プレミアム。だから“BTCの動きを増幅させたもの”と理解すると分かりやすいです。

日本人にとってのMSTRの魅力

日本ではBTC現物の利益は雑所得扱いで総合課税(最大55%課税)ですが、MSTRは米国株なので譲渡益は申告分離課税(約20%)になります。損益通算や繰越控除も可能で、税制面では圧倒的に有利です。さらに、株式市場で取引できるため、特定口座やNISAなども活用できます。

もちろんリスクはあります。MSTRはBTCよりも値動きが激しく、借入金による財務リスク、米株式市場全体の地合い、為替リスクなども影響します。それでも「日本の税制下でBTCを株として持てる」という点は大きなメリットです。

ちなみにMSTRだとオプションのトレードも可能なので、今の状況ならプットセキュアードプットを仕込むこともできます。


まとめ

いまのBTCの下げは、景気ではなく資金の流れによる調整です。夏の上昇もクライマックスではなく、典型的なバブル最終盤の条件は揃っていません。暴落と断じるのはまだ早いでしょう。

日本の投資家にとってはMSTRという選択肢があります。これは「ステロイドを打ったBTC」と言っても過言ではない動きをし、かつ税制上のメリットもある。BTC現物かMSTRか──どちらにするかを考えるとき、日本ならではの事情を踏まえるとMSTRは見逃せない存在だと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

圧倒的な熱量で世界の相場を毎日14時間以上監視している専業トレーダーです。トレード、バックテスト、調査で得た学びを初心者の方にもわかりやすく発信しています。