ドルロング継続中:USDCHF・USDCAD・USDJPYで考える通貨の強弱

ドル円の日足

ドルの上昇局面でどの通貨を売るか? スイスフラン・カナダドル・円の「弱さ」に注目し、USDCHF・USDCAD・USDJPYのトレード戦略を整理しました。

ドルロングを考える:相手通貨の「弱さ」を見極める

最近の為替市場では、ドル(USD)の方向感が再び注目されています。米国のCPI(消費者物価指数)などのインフレ指標が強く出れば、FRB(米連邦準備制度理事会)が急いで利下げを行う必要はなくなり、金利の高いドルが買われやすくなります。そうした局面では、どの通貨を「売り手」に選ぶかがポイントになります。

ドルロングとは、「ドルを買って他の通貨を売る」取引のことです。相手通貨が弱いほど、ドルの上昇がよりはっきり出やすくなります。

今回は、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、そして円(JPY)を相手にした3つのドルロングの考え方を整理してみます。それぞれ違う理由で弱くなりやすい構造を持っており、ドル買いを考えるうえで注目しやすい通貨です。


USDCHF(ドル/スイスフラン):強すぎるスイスフランに介入の可能性

スイスフランはここ最近、かなり強い状態が続いています。ユーロ/スイスフラン(EURCHF)は0.92台まで下がっており、スイスフランが高値圏にあることを示しています。このようなときに市場が意識するのが、スイス国立銀行(SNB)の為替介入です。

SNB(スイス国立銀行)は、自国通貨が上がりすぎると輸出企業が打撃を受けるため、市場に介入してスイスフランを売ることがあります。

もしSNBが再び介入に動けば、スイスフランは下がり(売られ)、相対的にドル/スイスフラン(USDCHF)は上がりやすくなります。さらに、米国のCPIが予想よりも強ければドルが買われる可能性もあり、「CHF安+USD高」という組み合わせが重なれば、USDCHFは上昇するシナリオが自然に考えられます。

USDCHFの日足

USDCHFの日足

短期的なトレードであれば、こうした「スイスフランが買われすぎている局面での反転」を狙うのも一つの考え方です。実際、過去にも同様の水準でSNBが市場介入に動いた例があります。

どの時間軸も下降トレンド中の完全な逆張りロングだということを忘れずにトレードする必要があります。


USDCAD(ドル/カナダドル):金利差と資源価格の変化

USDCADの日足

USDCADの日足

カナダドル(CAD)は最近少し弱さが目立ちます。カナダ中銀(BoC)はFRBよりも利下げのペースが速く、さらに、原油価格が下落していることで、資源国通貨としてのカナダドルの支えも弱まっています。

このため、CPIなどのインフレ指標が強ければドル高が進み、同時にカナダドル安が重なりやすい構図になります。ボラティリティ(値動きの大きさ)を調整して見ても、USDCADは「ドルロングの候補」として注目されています。

私自身も先月からドルカナダのロングトレードを継続しており、値動きは地味ですが利益がかなり乗ってきました。

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カナダドルは「資源通貨」と呼ばれ、原油価格が上がると強くなりやすく、下がると弱くなりやすい特徴があります。最近は原油がやや落ち着いてきているのもCADの上値を抑えています。

USDJPY(ドル/円):ボラが高いので、下げたところを拾う方針

ドル円(USDJPY)は、現在値動きの荒い相場になっています。追いかけて買うよりも、「下げたところを拾う」イメージのほうがリスクを抑えやすいように思います。

先日のUSDJPYロングのアイデアでは大きく稼ぐことができましたが、途中に大きめの下落もあり、結構大変でした。順張り系のシステムよりも逆張り系で入った裁量トレードが特にうまくいきました。

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アメリカのCPIやISM(米製造業景況感指数)が強ければ、FRBは利下げを急がないと判断され、ドル高につながる可能性があります。一方で、日本は依然として超低金利政策を維持しており、構造的に円安が起こりやすい環境です。

ドル円は「金利差」が最も分かりやすいテーマです。アメリカが高金利、日本が低金利という構造が続く限り、下げたところを拾う押し目買い戦略はトレンドに沿った形になります。

ボラの高い市場では、多くの人が損切り注文を入れている価格を一瞬付けたり、ギャップが埋められやすくなります。

147.5円~149円あたりに空いたギャップを埋めに来るような下落が出たら今日か月曜にドル円をロングし、米国CPIが予想よりも良い数値でスイングハイを抜けてきたら利食い、というシナリオを持っています。

ドル円の日足

ここから先は、大きく上げたら介入というのが怖いので、早めに一部利食いを心がけたいと思います。


3つの通貨ペアに共通する考え方

今回紹介した3つのペア(USDCHF、USDCAD、USDJPY)は、それぞれ違う理由で「相手通貨が弱くなりやすい」構造を持っています。 ・スイスフランは強すぎて介入リスクが高い。 ・カナダドルは金利差と資源価格の影響で弱含み。 ・円は低金利構造のもとで買われにくい。 これらを背景に、短期的にドルが強くなるイベント(CPIやFRBの政策判断など)が重なれば、ドルロングの戦略は比較的理にかなっていると言えます。

ドルを買うときは「どの通貨を売るか」がとても大事です。相手の通貨に弱い材料があるほど、ドルの上昇がはっきり出やすいんです。

もちろん、これはあくまで現時点での考え方であり、経済指標やニュースの結果次第で状況はすぐに変わります。ただ、こうした「通貨の相対的な強さ・弱さ」を意識しておくと、どんな相場でも冷静に判断しやすくなります。


さいごに

ドルロングの戦略を考えるとき、重要なのは「ドルがなぜ買われるのか」と同時に「相手通貨がなぜ売られるのか」を理解することです。市場のニュースを追いながら、この“組み合わせのストーリー”を整理しておくと、トレードの判断力が自然と上がっていきます。

初心者のうちは、「なぜこの通貨が買われて、なぜこの通貨が売られているのか」を自分の言葉で説明できるようになるのを目標にしてみてください。それだけで、相場の見え方がぐっと変わってきますよ。

今後のCPIやFRBの発言次第でまた流れは変わると思いますが、ドルを中心に見ながら、相手通貨の弱さを冷静にチェックしておくのは、今の相場でとても意味のあることだと感じています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

圧倒的な熱量で世界の相場を毎日14時間以上監視している専業トレーダーです。トレード、バックテスト、調査で得た学びを初心者の方にもわかりやすく発信しています。