株式市場が暴落している時に勝ちやすい銘柄があり、ランキング情報を使って簡単に見つけることができます。結論から言うと、移動平均乖離率の下方乖離が大きい銘柄から選ぶ方が勝ちやすいことが分かりました。
もくじ
チャンスの日に大量の買いシグナル…どう選ぶ?
前の記事では「地合い」の悪いとき、つまり相場全体が暴落している時に逆張りで買うと勝ちやすいことを証明しました。
しかし地合いが悪い日には、逆張りの買いのシグナルが大量に発生しますので、その中でどの銘柄を選ぶべきなのか?という問題が出てきます。
そんなときの株銘柄を選び方を、客観的な分析で明らかにしたいと思います。今回解説するのは誰でも簡単にできる無料のランキング情報を使った方法です。是非覚えて帰ってください。
暴落の激しい銘柄から選んで買ったほうが儲かる
前の記事で、25日移動平均線から-10%下方乖離した銘柄が50銘柄以上ある日の方が圧倒的に勝ちやすいことが分かりました。
25日線から-10%乖離した銘柄が50銘柄以上ある日に、その条件を満たした銘柄を全部買った場合の資産曲線はこんな感じです。
いい感じに右肩上がりの資産曲線です。
しかし実際は、50銘柄以上の銘柄(時には500銘柄以上!)を全部買うのは資金的に無理がある人がほとんどです。
たくさんあるシグナル発生銘柄のうち、どの銘柄を選べばよいのでしょうか?
結論から言うと、乖離率が大きい順から選ぶのが良いことが分かりました。
なぜそんなことが言えるのか?
以下のような検証をして分かりました。
逆張り買いのシグナルが発生しているたくさんの銘柄のうち
- 下方乖離が最も大きい10銘柄
- 下方乖離が中程度の10銘柄
- 下方乖離が最も穏やかな10銘柄
という3つのグループに分け、各グループのパフォーマンスを比較しました。
例えば100銘柄で下方乖離の逆張り買いシグナルが出たとします。下方乖離率の大きさで銘柄を並べ替え、下方乖離の最も大きい10銘柄、下方乖離の大きさが45位から54位の銘柄、下方乖離の大きさが91位から100位の銘柄とう3つのグループに分けます。
そしてそれぞれのグループのパフォーマンスを比較しました。
結果を見てみましょう。
下方乖離が最も大きかった上位10件のパフォーマンスがダントツで一番良いのが分かります。
勝率は上がっていませんが、1トレード当たりの利益が大きくなっているのが分かります。
下位の10銘柄に対しては約3倍、中央の10銘柄に対しては約2倍になっています。
乖離率が大きかっただけに、反発する値幅も大きいということでしょう。
損益曲線を比較してみます。
青が乖離の大きかった上位10銘柄、オレンジが中央の10銘柄、グレーは乖離が穏やかだった10銘柄です。
マイナス乖離が大きかった10銘柄のパフォーマンスがダントツで良いのが一目瞭然ですね。
ということで、購入する資金が乏しい場合は乖離率の大きい順から銘柄を選択するのが良いということが分かりました。
ランキング情報を使って銘柄を選択する方法
この連載でもテストしてきた、BNFさんも使っていたという25日移動平均線の乖離率を使った逆張り手法は、株タンという無料で使えるサイトを使って実践することができます。
まずは株タンサイトにアクセスしましょう。
画像のように、「銘柄探検」-「25日マイナスカイリ(-10%)以上を選びます。 すると↓のようなランキング表が表示されます。 「25日線カイリ率」の↑矢印ボタンをクリックしてください。するとマイナスカイリ(下方乖離)が大きい順に並びます。
ランキング情報で地合いフィルター
地合いフィルターとしては、25日線乖離率が-10%よりも大きく下げている銘柄の数が50銘柄以上となります。
50という数値は大きくすればするほど厳しい条件になります。とりあえずは前の記事のテストで使った50銘柄として進めます。
株タンのランキング画面に-10%乖離の条件を満たした銘柄数が表示されます。(↓の赤枠)
地合いフィルターの条件が50銘柄なら、ここが50以上になっていれば買い出動するということになります。
今日は18銘柄しか条件を満たしていないので、地合いフィルターをクリアしていません。だからエントリーは無しです。
買う銘柄をランキング情報で選択する
仮に地合いフィルターをクリアしていたら、次は実際に買う銘柄を選択します。
先ほどの検証の結果から、乖離率が大きくなっている銘柄(マイナス乖離が大きい銘柄)から選んだほうがパフォーマンスが良くなることが分かっています。
ですので、ランキング情報の表でマイナス乖離が大きい順に銘柄を選んでエントリーするのがお勧めということになります。
ただし、ここで乖離率の大きさに条件を付けるべきです。
BNFさんによると、25日線乖離率が-15%~-35%が良く、-35%なら安心して買えるとのことでした。
我々の全銘柄を対象としたバックテストでもマイナス乖離が大きい方がパフォーマンスが良いことが確認済みです。以下の表を参考にしてください。
株タンの25日線マイナス10%カイリのランキングで上位にランクインしていて、且つ-15%よりも大きく乖離している銘柄に限る」といった条件を検討してください。
マイナス乖離の条件を厳しくすれば成績は安定しやすくなりますが、トレードチャンスが少なくなることにも注意してください。
また、株価があまりにも安い銘柄は避けた方が無難でしょう。たとえば100円以下の株価の銘柄はトレード対象から外すなど検討してください。
おわりに
いかがだったでしょうか。
この記事の要点は以下の通りです。
- 「地合いフィルター」として25日線マイナス乖離ランキングにランクインしている銘柄数を数える
- 「地合いフィルター」をクリアすれば、25日線のマイナスカイリが大きい方から順に銘柄を選択する
- 買う銘柄の乖離率の条件や、株価の条件は自分でルールを決める
以上で無料のランキング情報を使って株暴落時の逆張り買い銘柄を選ぶ方法の解説を終わります。
次回の予告
次回は株式市場の暴落がいつ起きるか予測する方法について書いていきます。お楽しみに。