この記事では、今回の連載の目的である「裁量の判断がほぼ不要で、特別な才能がなくても、コツコツやれば誰でも結果を出せる、ほぼ機械的なトレード手法を探す」という考え方で株式の短期トレードの手法を考えていきます。
短期トレードとは、数日~数週間ポジションを保有するトレード手法のことです。
B.N.F氏をはじめ、株式市場でけた外れの成功を収めたトレーダーの多くはこの短期スイングトレードを得意としています。
僕自身も最初は株式のスキャルピングから始めましたが、徐々に時間軸を伸ばしスイングトレードがメインになっていきました。
僕が自分の子供や大切な友人にトレード手法を教えるなら、必ずこの時間軸でのトレードを徹底的に教え込みます。
しかし、最初からズバリ言うと、数日しかポジションを保持しない短期のスイングトレードで勝てるブレイクアウト系のトレード手法はそう簡単には見つかりません。
もちろん、単一の市場でたまたま勝てている短期スイング手法で良ければそれなりに見つかります。
しかし、先物市場(37銘柄)や複数の国の株式市場で共通して勝てる短期のブレイクアウト手法は滅多に無いのです。
しかし良いお知らせがあります。
堅牢な短期トレード手法はめったに見つかりませんが、見つけることができれば、短期トレード手法のパフォーマンスは長期トレード手法のパフォーマンスをはるかに凌駕します。
長期トレードよりもトレード機会が遥かに多いので資金効率が良く、それでいてデイトレードやスキャルピングよりも遥かに大きな利食い値幅を狙うので手数料やスリッページの影響で負けることもありません。
短期スイングトレードは稼ぐためにちょうどよい保有期間のトレードなのです。
僕は、先物(37銘柄)、米国株、日本株、オーストラリア株、カナダ株で共通して勝てる最高の短期スイングトレードの手法を見つけました。
もくじ
長期で勝てている手法の設定を小さくしたら短期で勝てるか?
勝てる温故知新の長期ブレイクアウト手法は簡単に見つけることができました。
それらの売買ルールの設定の値を小さくして短期トレード用の設定するだけで、勝てる短期スイングトレード手法に生まれ変わるのでしょうか?
僕もまずはそこから始めました。
結論から言うと、勝てるものもあるし、勝てないものもあります。
そして勝てるものでも、短期トレードで頑張ってトレードするほどの利益は見込めませんでした。
以下は、長期トレードで勝てていた手法の設定値を大体1/10程度に小さくしてバックテストしてみた結果です。
移動平均線のクロス手法を短期設定でバックテスト
一応全ての市場で勝てているのは素晴らしいことです。
しかし長期の設定と比較して平均年利は小さくなり、最大ドローダウンが大きくなっています。
設定が悪かったのでしょうか?
短期移動平均線の設定の掛け合わせで最適化グラフを作ってみました。
先ほどバックテストした20本-5本の設定が、比較的短期の設定の中ではちょうどよい設定のようです。
長期設定↓
短期設定↓
短期スイングトレードをするのは、ドローダウンを小さく抑え、資金を高回転で回すことで年利を上げるためです。別の言い方をすると、リスク調整後リターン(年利/最大DD)をよくするためです。
しかし移動平均線クロス手法の場合、設定を短期にしてトレード回数を10倍ぐらいに増やしても、リスク調整後リターンは向上していないどころか、全体としては悪化しているようです。
成績が悪化するのに、誰が好き好んでトレード回数が多くて忙しい短期トレードをするでしょうか。
これなら長期トレードの設定でトレードしていた方がマシですね。
ボリンジャーバンドブレイクアウト手法を短期設定でバックテスト
長期設定が80本/1σだったので、とりあえず1/10の8本/1σの設定でバックテストしてみます。
散々な結果です。全ての市場で負けています。
設定が良くなかったのかもしれません。
短期設定の最適化グラフを作ってみます。
20本ぐらいまでの短期の設定は全滅です。
少なくとも20本以上の設定で、できれば43本/1σぐらいの設定が良いようです。
そうなってくると短期トレードではなく中期トレードになってしまいますが、仕方ありません。
43本/1σ設定のボリンジャーバンドブレイクアウト手法のバックテストの結果は以下の通りです。
もはや短期スイングトレードではなくなってしまっていますが、良い成績になっています。
ボリンジャーバンドブレイクアウト手法はある程度中期の設定でないと勝てないということが分かりました。
中長期のトレードでよいなら、ボリンジャーバンドのブレイクアウト手法はありです。
しかし今回の目的は、勝てる短期手法を探すことです。次行きましょう。
ドンチャンブレイクアウト手法の短期設定のバックテスト結果まとめ
ドンチャンブレイクアウト手法の長期設定は80本だったので、その1/10の8本でバックテストしてみました。
勝てている市場もありますが、ドローダウンが大き過ぎてダメです。
僕的には様々な種類の銘柄を含む先物市場(37銘柄)で負けているのでその時点でボツになります。
8本の設定は短すぎてダメなのでしょうか?
ドンチャンチャネルの設定による最適化グラフを作ってみます。
4本までの短期設定は負けます。8本ぐらいでも微妙でトントンといった感じです。
それ以上の設定は一応プラスになりますが、安定しません。
20本~25本まで大きくするとよくなってきて、40本の設定だともう一段良くなる感じです。
いくら短くても20本ぐらいにしたほうが良いということがわかります。
22本の設定でバックテストしてみました。
いい感じ全ての市場で勝てています。
ただ、ドローダウンが大きいわりに年利がそれほど大きいわけでもなく、長期の設定と比較すると魅力がダウンしています。
長期設定↓
ドンチャン・ブレイクアウト手法においても、短期設定は長期設定と比較してリスク調整後リターン(年利/最大DD)が明らかに悪化しています。
また、22本設定のドンチャンブレイクアウト手法はポジションの保有日数が47日程度となっており、今回の目的である短期手法というよりは中期手法ということになります。
移動平均クロスもボリンジャーバンドブレイクアウト手法も保有日数はこれと似たようなものでした。
僕としては負けトレードは2、3日で手仕まい、勝ちトレードは5日~20日程度で利食いするような短期のトレード手法を作りたい。
温故知新の長期トレード手法の設定を小さくするだけでは駄目だと分かりました。
設定を小さくする以外に、大々的な工夫が必要だということです。
温故知新手法をベースにアレンジした短期スイングトレード手法
温故知新の長期トレード手法の設定を短くしただけでは短期トレードで勝てないことが分かりました。
ですので自分なりの経験や知恵を活かして温故知新のトレード手法を改良することにしました。
ベースとして使ったのはドンチャンブレイクアウト手法です。
ベースとしては高安値のブレイクアウトで仕掛けるシンプルなドンチャンブレイクアウト手法を選択しました。
ブレイクアウトの日数ですが、短い日数でキリの良い数字は何かを考えると、1週間が良いのではないかと考えました。
1日~10日以内の日数で、トレーダーが一番意識しているのは週足の高安値ではないかと思うからです。
そのため、X日のブレイクアウトではなく、週足の高安値のブレイクアウトの手法にすることにしました。
1週間と言えば5日なので、先ほど作成したドンチャンチャネルブレイクアウト手法の最適化グラフを見ると、勝てていないトントンぐらいの設定です。
ドンチャンチャネルブレイクアウト手法に他の「温故知新」を追加
僕には長いトレード経験があるので、どのような状況でブレイクアウトが成功しやすいのかある程度分かります。
「僕の長いトレード経験」と言いましたが、それは僕が一から考えたのではなく、温故知新のトレード手法から学んで実践してきた方法です。
それはリチャード・ワイコフのトレード手法と、ピーター・スタルドルマイヤーのマーケットプロファイルのトレード手法です。
それらのトレード手法から学んだ考え方をドンチャンチャネルブレイクアウト手法に組み込みました。
ドンチャンチャネルブレイクアウト手法(改)のパフォーマンス
温故知新の精神で、何人かの偉人の考え方を組み合わせて新しい手法を作りました。
- リチャード・ワイコフの考え方
- マーケットプロファイルの考え方
- ドンチャン・ブレイクアウトの手法
- ウィリアム・オニールの先導株発掘手法
を組み合わせた手法です。
結論から言うと、すごい短期スイングトレード手法になっています。
昔の偉人は本当にすごい!
心からそう思いました。
彼らが50年や100年ぐらい前に言っていた相場の法則の優位性が、ここ25年~35年のデータを使ったバックテストにおいて、はっきりと表れているのです。
全ての市場で安定して高い成績を出しており、特に日本の株市場で驚くほどの成績を出しています。
全市場において勝率は40%以上となっていて、損益比率も2倍程度になっており、トレード回数も非常に多い。
また、エントリーする前にロスカット価格がきちっと決まるリスク限定型の手法なので安心感があります。
日本株(全銘柄対象)の資産曲線は以下の通りです。
4つのカラーのラインは、
- 緑:ロング(超短期利食い)
- 赤:ショート(超短期利食い)
- 黄:ロング(短期利食い)
- 青:ショート(短期利食い)
を示しています。
4つありますが、別の手法ということではなく、同じ売買ルールですが方向の違いと利食いタイミングの違いで分けています。これは半分ずつ別タイミングで利食いする手法であり、ロングとショートの両方エントリーするということで、それぞれを別の資産曲線で表示しています。
グレーが4本すべてを合計した資産曲線となります。
年単位で負けたのは2023年のみで、2024年はここまでで30%のプラスとなっています。
驚くことに、この手法を実行するために必要なのは日足データのみですし、裁量の判断は必要ありません。(もちろん、優れた裁量の判断を追加して上記バックテストの結果よりも良い結果を出せるかもしれませんが)
僕は数か月前からこの手法を日本株(全銘柄)と米国株(Russell3000採用銘柄)を対象にトレードしています。
僕はこの手法を自分の子供たちに継承していきます。
この手法を自分の娘がトレードデビューするための手法として採用しました。
自分の手を動かしてトレードする必要はありますが、すべてを機械的に実行でき、裁量の判断が全く必要ない。
そしておそらく、95%の確率で1年目から勝つことができる。
株の初心者がトレードの実戦で勝ちながら温故知新のトレード手法を学んでいくのに最高のスイングトレード手法です。
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連載を読んでくださりありがとうございます
ここまでの10日間の連載を最後まで読んでいただきありがとうございます。
この10日間にお伝えしたことを意識して十分に長い期間、コツコツ取り組むことができれば、だれでも成功できるはずです。
- 特別な才能は必要なく
- 高いITスキルも必要なく
- モニターの前に長時間張り付く必要も無い
- それでいてコツコツと長期的にやれば確実に成果が出る
この連載でその方法をお伝え出来たと思います。
この10日間の連載を読み返してください。
株式市場で勝つために必要なことが全部入っています。
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それではまた。