僕が驚いたのは、売上ではなく経営者の一言でした【レディット(RDDT)2026年7〜9月期決算】

売上は前年同期比で+53%でした。この規模の会社で、この伸びを出せるところはほとんどありません。

それでも、この決算でいちばん重かったのは数字ではありませんでした。最高経営責任者が自分から、次の四半期に1日の利用者が二桁%台前半の割合で減るかもしれないと言ったことです。聞かれる前に、自分の口で、数字をつけて。

世界最大級のネット掲示板、レディットの話です。

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日足チャート(価格/出来高/RSI(2)/ニュースセンチ/RSランク)。毎日自動更新。

※この記事で扱うのは、2026年10月29日に行われた、2026年7〜9月期(第3四半期)の決算説明会です。会社の開示と、その場での経営陣の発言に基づく事実で、僕の予測ではありません。次回の決算日は会社の発表待ちです。

💡決算説明会=決算発表の後に、経営陣が投資家やアナリストに向けて説明し、質問に答える電話会議。発言はそのまま記録に残ります。

目次

その前に——レディットに来る人の多くは、グーグルから来ていました

レディットは、話題ごとに部屋が分かれた巨大な掲示板です。日本でいえば、Yahoo!知恵袋と昔の2ちゃんねるを足して、世界中の言葉で回しているようなものです。「このカメラの本当の評判」「この病院の待ち時間」のような、実際に使った人の声がたまっています。

ここで大事なのは、読む人の多くがレディットのアプリから来るのではないということです。グーグルで何かを調べて、検索結果に出てきたレディットの投稿をクリックして入ってくる。ログインもせずに読んで、そのまま帰る。これが長いあいだ、レディットの利用者を押し上げてきた入口でした。

その入口の手前で、グーグルが変わりました。検索するとAIが答えをまとめて画面の上に出す機能(AI Overviews や AI Mode)を、グーグルが大きく広げたのです。答えが検索画面の中で済めば、読む人はレディットまでクリックしません。中身はレディットの投稿から来ていても、です。

💡DAUQ=レディットが使っている「1日に1回以上訪れた利用者の数」。ログインしている人と、していない人の両方を含みます。

つまり、この会社の決算には2つの別の話が入っています。広告で稼ぐ力と、人がやってくる入口。今回は、この2つがはっきり逆の方向を向きました。

売上は+53%。広告の中身は、まだ強いです

入口が細った四半期でも、売上は会社の予想の上限を超えました。

  • 売上 8億9,500万ドル(前年同期比 +53%。1ドル150円で約1,340億円)
  • 広告売上 8億4,700万ドル(前年同期比 +54%。米国 +51%、海外 +68%)
  • 粗利率 91.5%(会社は「9四半期連続で90%超」と言っています)
  • 純利益率 32%、調整後EBITDAマージン 45%、フリーキャッシュフロー 3億6,300万ドル(マージン41%)

💡調整後EBITDA=会社が一時的だと考える項目などを除いて計算した利益の目安(non-GAAP)。会計基準どおりの利益とは別物です。フリーキャッシュフローも同じく、会社が自分で計算する指標です。

会社が3ヶ月前に出していた見通しは、8億6,000万〜8億7,000万ドルでした。中心の値と比べて、約3.5%の上振れです。

広告の中身も具体的です。クリック数は前年比+50%超、広告経由で実際に買われたり申し込まれたりした数(コンバージョン)は3倍超。中堅・中小企業向けのチャネルの売上は+80%超。広告の自動配信の仕組み「Max」を使う広告主は、前の四半期から3倍超に増えました。

最高執行責任者はこう言っています。「価格(の伸び)が、表示回数(の伸び)を上回っています」。広告を見せる回数を増やしたからではなく、1回あたりの値段が上がっている、という意味です。事業の60%超が成果型(クリックや購入で効果を測る広告)だとも言いました。

広告で稼ぐ力については、いまのところ悪い材料はほとんど見当たりません。

「揺れ」が、「加速して減っている」に変わりました

変わったのは、入口の話です。3ヶ月前と今回で、同じ最高経営責任者の言い方を並べます。

3ヶ月前:「この四半期の検索からの流入は不安定で、四半期の後半には変動が大きくなりました」
今回:「第3四半期、検索からの流入は大きく減りました。しかも四半期の後半になるほど、減り方が加速しました」

「不安定(choppy)」から「大きく減った(down meaningfully)」へ。そのうえで、冒頭の一言が続きます。

「今の傾向からすると、第4四半期の DAUQ の合計は、現在の1億3,000万から、二桁%台前半の割合で減る可能性があります」

「可能性がある(could)」という言い方で、確定ではありません。それでも、会社が自分の利用者の減少を、割合まで添えて先に言うのは珍しいことです。

原因の見立ても変わりました。3ヶ月前は「こういうことは初めてではない」「以前にもこういう変化を見てきた」と、一時的な揺れとして話していました。今回、最高経営責任者が口にしたのは、もっと根の深い言葉でした。

「グーグルは、インターネットのほかの部分との関係を、本当に変えてしまいました」
「以前は流入を生む存在でした。いまは違います」

一時的な揺れから、構造が変わったという認識へ。質疑で原因を聞かれた場面では、AI Overviews と AI Mode の積極的な展開が最大の原因で、機械翻訳された投稿の検索順位が下がったこともある、と具体的に答えています。アルゴリズムの一時的な変動ではなさそうだ、とも。

3ヶ月前に掲げていた2つの数字が、今回は出てきません

前の四半期に胸を張って語っていた数字が、今回は1回も出てきませんでした。

ひとつは成長の連続記録です。3ヶ月前、最高経営責任者は「60%を超える売上成長は、これで8四半期連続です」と言っていました。今回の+53%で、その記録は切れています。今回の言い方はこうでした。

「53%の売上成長を出しました。これを出せている会社はほとんどありません。前年に70%近く伸びた上での数字だと考えると、なおさら意味があります」

記録には触れず、前年が高かったことを持ち出しています。言っていることは事実です。ただ、話の置き場所が「連続」から「前年比の土台」に移りました。

もうひとつは利用者の目標です。3ヶ月前は「世界で1日10億人、米国で1億人」という目標を口にしていました。今回は一度も触れていません。代わりに出てきたのは、財務責任者のこの言葉でした。

「私たちの次の社内の北極星は、売上50億ドルです」

北極星は、社内でいちばん大事にする目標という意味です。人の数の目標が語られなくなり、お金の目標に置き換わりました。

同じ方向の変化がもう1つあります。前の四半期、財務責任者は「ログインしている人と、していない人の利用者数を報告するのは、第2四半期で最後になります」と言っていました。今回は「地域別に、ログインしている人と、していない人の DAUQ を引き続き報告します」。開示をやめる方針を撤回しています。利用者が減ると自分で言った回に、その数字を出し続けると決めたわけで、ここは誠実な判断だと僕は受け取りました。

見通しは+40%前後。市場の予想とは、ほぼ同じです

次の四半期(10〜12月期)の見通しは、売上10億〜10億3,000万ドル、前年同期比+38〜42%、中心はおよそ+40%です。調整後EBITDAは4億8,000万〜5億1,000万ドルで、利益率にすると約49%。利益の見通しは強いです。

ただ、四半期の成長率を並べると、向きははっきりしています。+61%(4〜6月期)→ +53%(7〜9月期)→ 見通し約+40%(10〜12月期)。

💡コンセンサス=その会社を調べているアナリストたちの予想の平均。会社の見通しが良く見えても、周りがもっと高く見ていたら、市場にとっては物足りない数字になります。

通期の売上で比べると、1〜3月期から今回の見通しの中心までを足して約33億8,000万ドル。アナリストの通期予想の平均は約33億9,000万ドルでした。ほぼ同じか、わずかに下です。予想を大きく追い越す見通しではありません。

質疑でも、アナリストの一人がこの点を突いています。「上振れの幅が、これまでの四半期よりも少し小さかった」。

経営陣が答えなかったことと、数字を押し上げたもの

この決算には、まだ答えの出ていないことがはっきり残っています。

いちばん大きいのは、ログインしないと読めない形への移行です。最高経営責任者は「レディットを、ログインした人だけが使える体験へ移していく」と言い、その結果を「おそらく、届く範囲と引き換えに、関与の深さを取ることになります」と表現しました。第4四半期から米国外のいくつかの市場で試す予定で、テストではあるが移行はする、という位置づけです。

この論点は、質疑で4つの証券会社から繰り返し出ました。それでも、影響の大きさは示されていません。「時間とともに、どれだけの人がログインに切り替わるかは、分かりません」。どう予測に織り込めばいいかと聞かれると、「テストをしているのは、まさにその答えを知るためです」。グーグルからの流入がこの先どうなるかについても、「どうなるかについて、何も前提を置いていません」でした。

AI企業へのデータ提供の契約も、新しい話はありませんでした。「共有できる更新はありません。活発に協議はしています」。3ヶ月前は、これを「さまざまな機会のある、広がっていく市場」と語っていました。今回は、取引の形は1つではないと言ったうえで、「契約をしない、という可能性も含まれます」と付け加えています。

上振れの幅が小さかった理由を聞かれた財務責任者は、「第3四半期には、いくつか特有の事情がありました」と言いましたが、その中身は説明されないまま終わっています。

数字の側にも、割り引いて見るべきものがあります。

  • 実効税率(利益にかかる税の実際の割合)が約2%と極端に低く、純利益を押し上げています
  • この四半期に約1億ドルの自社株買いをしていて、1株あたりの数字には株数が減った効果が入ります
  • 海外の利用者の一部は、お金を払った集客広告で支えています。財務責任者は「海外の検索流入の減少を埋めるために、ウェブでの集客に以前より多くのお金を使った」と説明しました

明るい言葉もありました。アプリを入れた新しい利用者の定着率は「前の四半期比で二桁%、前年比で50%超」上がったそうです。ただ、「前年比50%」という言い方は3ヶ月前にも出ていて、今回初めての話ではありません。

なぜいま、レディットにこれが起きるのか

広告は強く、入口は細っている。この2つが同時に起きている理由は、レディットが稼いでいる場所と、人が入ってくる場所が、もともと違うからです。

最高執行責任者によれば、お金を生んでいる利用の80%超は、ログインしてアプリを使っている人からです。グーグル経由でふらっと来て、ログインせずに帰る人は、数としては大きくても、広告の売上にはあまりなっていません。だから入口が細っても、広告の数字はすぐには崩れない。今回の決算は、まさにその形でした。

ログイン必須化は、この構造に合わせた判断として読めます。お金にならない通りすがりの読者を追うのをやめて、ログインして毎日来る人を厚くする。経営陣が言った「届く範囲と引き換えに、関与の深さを取る」は、その意味です。

ただ、その賭けには時間差があります。今日の広告主は、今日の利用者に広告を出しています。ログインする常連は、もともと通りすがりの誰かが、ある日ログインして生まれていたはずです。その入口が細れば、常連の補充も細る。会社が自分で、DAUQ が二桁%台前半で減りうると言った次の四半期は、その時間差がどれくらいなのかが初めて数字に出る回になります。

最高経営責任者は今の局面を、11年前に自分が会社に戻ったころに似ていると言いました。フィードを用途や気分ごとにまとめて、毎日開く習慣をつくる製品の取り組みも話しています。ただし、それは「まだ作って試している段階」だとも。

次の決算で、僕の読みが外れたと分かる形

今回の読みは、「広告で稼ぐ力は強いまま、人が入ってくる入口が構造的に細り始めた回」です。これが違っていたと分かるのは、次のどれかが起きたときです。

  1. 10〜12月期の DAUQ が、1億3,000万からほとんど減らない
  2. 売上の伸びが、見通しの中心(約+40%)を大きく上回って、再び加速する
  3. グーグルや OpenAI との新しいデータ提供契約が、金額つきで発表される

3つ目が来れば、グーグルに流入を奪われた構図そのものが、反対側から埋まることになります。


ここに書いたのは、2026年10月29日の説明会までに分かっていることだけです。ログイン必須化のテストの結果も、グーグルの検索画面がこの先どう変わるかも、まだ誰にも分かっていません。

経営陣が「利用者が減るかもしれない」と自分で言った会社が、次の四半期に何を報告するのか。広告の強さが入口の細りを上回り続けるのか、どこかで追いつかれるのか。答えは、次の説明会で経営陣が利用者の数をどう語るかに出てくるはずです。僕はそこを見に行きます。


※この記事は、決算説明会の原文をAIで読み解いて書き、複数の検査(事実照合・表現・法務)を通したうえで公開しています。

※本記事は、決算説明会での経営陣の発言と公表数値を自分の言葉で整理したものです。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事で扱ったような内容は、ブログでは一部しか公開していません。

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この記事を書いた人

圧倒的な熱量で世界の相場を毎日14時間以上監視している専業トレーダーです。トレード、バックテスト、調査で得た学びを初心者の方にもわかりやすく発信しています。

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