一目均衡表がFXで勝てるかを徹底検証する連載の第3回。今日は遅行線とローソク足のクロスでドテン売買したらどうなるか?を全通貨ペアでバックテストします。遅行線は現在の終値を26本前にずらして(シフトして)表示させるという他には無いかわった指標なので期待していたのですが、驚きの結果が…
遅行線とは
遅行線とは、一目均衡表で表示されるラインの一つです。現在の終値を26本前にシフトして表示し、それを結んだラインとなります。「遅行スパン」とも呼ばれ、MT4では「遅行スパン」となっています。
一目均衡表の遅行線と日々線(ローソク足の終値)とのクロスでドテン売買
一目均衡表の遅行線と日々線(ローソク足の終値)とのクロスについて検証します。
遅行線は以下のように求めます。
- 遅行線 ・・・現在の終値を26本前に表示した線
以下のように遅行線(緑色)がローソク足の終値を上抜いたら買いサインとなります。[①]
少し注意が必要で遅行線は26本前に表示されているため、実際にサインが発生したのは赤い垂直線が表示されているローソク足となります。
買いサインが発生すると次の足の始値で買いエントリーをします。
逆に遅行線(緑色)がローソク足の終値を下抜いたら売りサインとなります。[②]
売りサインが発生すると次の足の始値で持っていた買いポジションを決済し、新たに売りエントリーをします。
単純に「26本前の終値<現在の終値」なら買い、「26本前の終値>現在の終値」なら売りというルールです。
検証結果
勝率、損益ともに良くありませんでした。
26本前の価格と比較して、高いか安いかだけで売買するという単純なルールなので方向感がない時には頻繁にダマしが発生してしまいます。そのため、他の売買ルールと比べてとても取引回数が多くなります。
ここまで右肩下がりだと、逆シグナルと言っても過言ではないですね。
遅行線は単独で使うべきものではない!
とおっしゃるかもしれません。ごもっともです。
しかし単独でここまで逆シグナルっぷりを発揮している遅行線を判断材料の一部に組み込むこと自体が間違っているのではないでしょうか。
FXの場合は逆シグナルとして判断の一部に組み込むのはありかもしれません。
とはいえ、一目均衡表には5本もラインがあります。気を取り直して一目均衡表の他の要素もバックテストしてみたいと思います。
以上で、遅行線とローソク足のクロスでドテン売買の全通貨ペアバックテスト結果の解説を終わります。
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