一目均衡表を全通貨ペアでバックテストする企画の第一回は、基準線と転換線のクロスのドテン売買です。このシンプルな方法は勝てるのでしょうか?
もくじ
基準線とは
基準線とは一目均衡表で表示されるラインの一つで、過去26日間の高値と安値の中間値を結んでラインを引いたものです。
移動平均線と似た動きをしますが、移動平均線は期間中の終値の平均です。それに対して基準線は期間中の高値と安値の中間値だという点が異なります。
26本移動平均線と26本設定の基準線を並べると、似た動きになっていますが、若干違うのが分かると思います。
基準線は水平の期間があり、カクカクとしているのが分かります。これは、基準線は過去26日の高値と安値が変わらない限りはその中間値である基準線も一定だからです。
転換線とは
転換線は基準線と全く同じ考え方のラインですが、基準線よりも短期の設定になります。基準線は過去26日間の高安値の中間値でしたが、転換線は過去9本の高安値の中間値となります。
転換線の方は基準線よりも設定が小さいので、速く動いているのが分かります。
これはちょうど短期移動平均線と長期移動平均線のような関係です。この転換線と基準線の2本のラインを使ったゴールデンクロスやデッドクロスが売買シグナルとして使われることがあるようです。まさにそれをこの記事でバックテストします。
一目均衡表の基準線と転換線のクロスでドテン売買を全通貨ペアでバックテスト
一目均衡表の基準線と転換線のクロスについて検証します。転換線と基準線はそれぞれ以下のような計算で求めることが出来ます。
- 基準線 ・・・過去26本の最高値と最安値の中心値を結んだ線
- 転換線 ・・・過去9本の最高値と最安値の中心値を結んだ線
以下のように転換線(赤色)が基準線(青色)を上抜けるゴールデンクロスで買いサインとなります。[①]
買いサインが発生すると次の足の始値で買いエントリーをします。
逆に転換線が基準線を下抜けるデッドクロスで売りサインとなります。[②]
売りサインが発生すると次の足の始値で持っていた買いポジションを決済し、新たに売りエントリーをします。
検証結果
勝率はかなり高めですが、小さく勝って大きく負けるコツコツドカンの傾向があるようです。そのため最終的な損益はマイナスになってしまいました。過去30年間、全通貨ペアで売買すると、1トレードあたり4.34米ドル負けていく計算になります。
勝てた通貨ペアは28通貨ペア中9通貨ペアでした。
圧倒的過半数の通貨ペアで負けていて、トータルの損益でも大きくマイナスになりました。ですので残念ながら一目均衡表の基準線と転換線のクロスを使ったドテン売買は勝てないと判断して良さそうです。
とはいえ、基準線と転換線のクロスは一目均衡表を使った手法のほんの一部です。気を取り直して、次は遅行線とローソク足のクロスをバックテストしてみることにします。
以上で、一目均衡表の基準線と転換線のクロスを使ったドテン売買のバックテスト結果の解説を終わります。