今回は、今の企業収益の「良い話」と「少し気になる話」を一緒に見てみたいと思います。ニュースを見ると、米国株は利益率がとても高い水準にあると言われます。確かに数字を並べてみると、営業利益率や最終利益率は歴史的に見てもトップクラス。でも、同時にじわじわとコストの上昇が迫っている、という声も聞こえてきます。
もくじ
企業の利益率は過去最高級
決算を振り返ると、多くの企業が高い利益率を維持しています。これは、需要の回復や価格転嫁の成功、自社株買いの効果など、いくつかの要因が組み合わさっているからです。数字の上では「まだ余裕がある」ように見えますし、株式市場を支えている背景の一つになっています。
コストがじわりと上向く気配
ただ、その裏側ではいくつかのコストが動き始めています。例えばULC(単位労働コスト)は、賃金の上昇と生産性の鈍化が重なると上がりやすくなります。原材料価格や仕入れコストも、資源市況や為替の影響でじわじわ上がることがあります。これらが重なれば、今の高い利益率を削る圧力になりかねません。
株式市場が気にしていること
投資家が敏感になるのは「利益率が高い状態のままコストが迫ってくる」という組み合わせです。利益が少しずつ削られるだけでなく、インフレ懸念が強まれば金利や割引率の上昇を通じて株価の倍率(PER)も縮みやすくなります。企業収益の数字が立派に見える一方で、背景にあるコストの動きも合わせてチェックされているのはそのためです。
まとめ
現状は「企業利益率はとても高いが、コスト上昇の波がじわりと押し寄せている」という状態です。株価にとっては強さとリスクが同居する局面。良いニュースだけに目を奪われず、コストの動向を一緒に見ておくと、マーケットの空気感をより正確に捉えられるかもしれません。
今日のネタ
知り合いに話すならこんな感じでどうでしょう。
「アメリカ企業の利益率って歴史的に高いんだって。でも賃金とか原材料のコストが上がり始めてて、“ピークを過ぎたサインかも”って見てる人もいるらしいよ。ちょっと気になるよね。」