おはようございます。昨日の記事では「政府の大きな赤字が株式市場の上昇を支える大きな燃料になっている」という話をしました。今日はその続きとして、昨夜の米国株の動きを見ながら、どのセクターや銘柄がその恩恵を受けやすいのかを整理してみたいと思います。
主要指数の動きと雰囲気
昨夜の米国市場は、NasdaqやS&P500がいずれもわずかに下げただけで、6連騰後も粘り強さを見せました。ダウ平均も小幅安で、いずれの指数も高値圏を保ったままです。Russell2000(小型株指数)も10日移動平均線に沿う形で下げ止まっており、全体としては「大きな売り圧力は出ていない」といえるでしょう。
経済指標と金利の動き
経済指標では小売売上高が市場予想を上回り、消費はまだ堅調さを保っています。ただ、同時にCPI(消費者物価指数)は前年比+2.9%と、伸び率が再び高まってきました。さらに新規失業保険申請件数は26万件超と、2021年以来の高い水準となり、雇用に陰りが見えています。
金利面では米10年債利回りが一時4.06%まで上昇しましたが、引けは4.03%前後で落ち着きました。市場は「消費は強いけれど雇用は弱い、インフレはまだ高止まり」という微妙な状況を織り込んでいるようです。
FRBの利下げと市場の期待
現在の市場の関心はFOMC(連邦公開市場委員会)の利下げです。今回の会合で政策金利が4.00〜4.25%へ引き下げられる見通しで、その後も年内に追加利下げが続くとの観測が強まっています。2年債利回りが3.5%前後にあることからも、市場とFRBの想定がかなり近づいていることが分かります。
こうした利下げ環境は、借り入れや投資活動を活発にしやすく、資金の流れを大きくする効果があります。ここで昨日触れた「政府の赤字から恩恵を受けやすいセクター」とつながってきます。
<<ここに「FF金利の推移と今後の予想を示す折れ線グラフ」などを挿入すると、読者が利下げトレンドを視覚的に理解しやすい>>
金融株が浮上してきた
昨夜の動きを見ても、金融株の一部に注目が集まり始めています。チャートを見ると、ちょうど節目を上抜けたあとに浅い押し目が出ています。いわゆる「ブレイクアウト後の押し目買い」に近い形で、トレンドの勢いを感じさせますね。
- BX(Blackstone):世界最大級のオルタナティブ運用会社。不動産やプライベートエクイティに資金が流れ込みやすく、流動性が増す局面で強みを発揮します。
- OPY(Oppenheimer):証券仲介・投資銀行業務を展開。取引量が増える局面で手数料収入が伸びやすく、国債発行や株式市場の活発化が追い風になります。
- HLI(Houlihan Lokey):M&A助言で世界的に有名。企業が資金調達しやすい環境では買収や合併案件が増えやすく、業績に直結します。
それぞれ事業モデルは異なりますが、いずれも「政府の赤字によって資金が市場にあふれる局面」で収益機会が増える立場にあるという共通点があります。
まとめ
昨夜の米国市場は一見小動きでしたが、裏では「金融セクターに物色が広がり始めている」というサインが見えてきました。政府の赤字というマクロ背景と、個別株のチャート上の動きが重なり始めている点は注目に値します。強気相場の中でもセクター循環は常に起こりますので、流れを意識することが大事だと思います。
※本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。