2021年に“ゴールドの波動4の終盤”と書いた記事を覚えていますか? あれから数年、いよいよその続き(収穫の時)がやってきました。
もくじ
今日のテーマ
こんにちは。今日はゴールドについてのお話です。
2021年に「波動4の終盤から波動5が始まるかもしれない」と記事を書きましたが、そこから数年を経て、実際にエリオット波動のシナリオ通りの展開になってきました。

そしていま、私は長期ポジションを段階的に利食いに移しています。
今回は、その理由を改めて整理してみます。
2021年の予想と実際の展開
2021年の記事ではこう書いていました。
- 長期的な波動カウントでは「波動4の終盤 → 波動5が始まる局面か?」と想定
- ストップ狩りの可能性を警戒しつつも、長期的には波動5への上昇を予想
- 実際に資産の20%をゴールドロングに配分
あれから時間が経ち、結果的にそのシナリオはおおむね当たり、ゴールドは大きく上昇しました。
現在の波形分析(エリオット波動)
最新の波形を整理すると:
- 長期の波動5 の中にある
- その中の 波動3 が進行してきた
- そして今は 波動5-3の終盤 に見える
次に起こり得るのは 波動5-4の調整。
その後に最後の上昇 波動5-5 が来る可能性があります。
👉 つまり「大きな上昇トレンドの中で、一番勢いのある波動3が終盤に差し掛かっている」という位置づけです。
ポジションデータと市場心理が示す過熱感
エリオット波動だけでなく、他の要素からも「利食いを考える局面」に見えます。
- COT(建玉報告)
投機筋のロングが最大級、小口(NR)の買いも偏りすぎ - Open Interest(建玉残高)
過去にないスピードで急増、新規の投機マネーが一気に流入 - 市場で語られるストーリー
財政赤字・インフレ・安全資産需要…強気ストーリーがユーフォリア(熱狂)的に語られている
👉 これらを総合すると、短期的には「買いが出尽くしつつある」状況といえます。
これは2025年9月5日時点の最新データ(8月30日発表分)のグラフです。9月6日に次のデータが発表されるので、最新データは明日COTページでチェックしてください)
COTとOpen Interestとは?
ここで少し用語の補足をします。
- COT(Commitments of Traders Report)
先物市場で「誰がどんなポジションを持っているか」をまとめた報告書です。
投機筋(ファンド)、商業筋(ヘッジ目的の業者)、個人などの建玉の偏りがわかります。
→ 「市場のどの参加者が買いすぎ/売りすぎか」を把握できる指標です。 - Open Interest(建玉残高)
先物やオプションで「まだ決済されていない契約の数」です。
→ 増えていれば新しい資金が流入しているサイン、急増なら短期マネーの過熱感を示すこともあります。
COTは毎週CFTCという米国先物の本家サイトからデータを取り、成型してチャート画像にしたものを整理してアップしています。

銘柄ごとの比較がしやすいようにヒートマップでもまとめているので、ぜひ毎週チェックしてください。
利食いの判断
- 「ここが天井だ」とは断言できません
- まだ上がる可能性は全然ありますが、リスク・リワードのバランスが悪化しているのは確かです
- だからこそ、私は 波動5-3の終盤で段階的に利食い を進めています
- もし今後、波動5-4の調整で大きく下がる場面があれば、そのときに改めて買い直す計画です
まとめ
- 2021年に描いた「波動4終盤→波動5へ」というシナリオは現実化した
- 現在は 長期波動5の中の波動3の終盤 にあると見える
- COTやOpen Interest、ナラティブの過熱感が利食いを後押ししている
- ここが天井とは限らないが、利を守りつつ次の波動5-4調整に備えるのが合理的
ゴールドを持っていない人へ
もしこれまでゴールドを持っていない人は「もう遅いのかな?」と気になるかもしれません。
長期ポジションを考える場合
今から新しく長期のロングを建てるのは、あまり良いタイミングではないかもしれません。
すでに波動5-3の終盤にあり、次に来るのは波動5-4の調整と考えられます。
この局面で入ると、その下落に巻き込まれて投げざるを得なくなるリスクが高いのです。
👉 長期でゴールドを持ちたい方は、次の波動5-4の下落を待ってから仕掛ける方が合理的といえます。
短期トレードを考える場合
一方で、1時間足や4時間足の短期トレードであれば話は別です。
直近のチャートでは強い上昇からの持ち合いを上方向にきれいにブレイクしています。
私の自動売買システム(SQXで作成)も、このブレイクに乗ってゴールドを買いに入っている状況です。
👉 短期的にもうひと伸びを狙うロングは「あり」だと思います。でもリスク管理は超重要!裁量でやる場合は特にロスカット注文をしっかり置いて管理することが必須です。なぜなら…
注意したいリスク
COTやOpen Interestを見ると、投機筋や個人投資家の買いポジションがかなり膨らんでいます。
こうした過熱した相場では、もしブレイクが失敗して下方向に動くと、大量のロスカット注文が連鎖的に点火し、大きめの下落を招くことがあります。
「テーマは強いのに、なぜ急落?」という場面は、このポジションの巻き戻しで説明できることが多いんです。
👉 このように、長期は様子見、短期は慎重にという視点で整理すると、ゴールドを持っていない人でも自分に合った判断がしやすくなるはずです。
締めのひとこと
相場は「完璧な天井を当てるゲーム」ではなく、リスクを取りすぎないように利を守るゲームだと感じています。
次に「ゴールドは安全資産だからまだ上がるよ」と誰かが言っていたら、
「でも今は波動5-3の終盤かもしれないよ」と返してあげると、ちょっと通っぽいかもしれません😊