こんにちは、サンチャゴです。
ここ最近の相場は、株価の動きだけを見ていると少し分かりづらい局面に入っています。
一見すると、まだ強い部分もあるし、崩れている部分もある。
ただ裏側では、エネルギー・供給・地政学といった要因が同時に動いていて、かなり重要な変化が進んでいます。
今回は、その流れを整理しつつ、「今どこに投資アイデアがあるのか」というところまで、少し踏み込んで書いてみます。
今回のテーマは「景気」ではなく「供給」
まず大前提として、今回起きていることは、典型的な景気後退とは少し違います。
よくあるパターンは、需要が落ちて企業業績が悪化する、という流れですが、今回はそうではありません。
今起きているのは、どちらかというと「供給側の問題」です。
エネルギー価格の上昇や、物流の混乱によって、原材料や部品の供給がスムーズにいかなくなっています。
そして、その影響がじわじわと製造業に広がり始めています。
半導体は一律で悪くなるわけではない
今回の話で重要なのが、半導体です。
ただしここも、「半導体=全部同じ」という見方をすると、かなりズレます。
企業は、限られた資源をどこに使うかを選びます。
当然ですが、利益率が高くて重要な製品が優先されます。
例えば、AIやデータセンター向けの高性能チップは、かなり優先順位が高いです。
一方で、自動車や家電に使われるような汎用チップは、後回しにされやすいです。
つまり同じ半導体でも、
・AI関連 → 守られやすい
・自動車・家電 → 影響を受けやすい
という構造になります。
ここからが本題:どこに投資アイデアがあるのか
この環境をそのままトレードに落とすと、かなり重要なポイントが見えてきます。
まず一番大きいのは、
「供給制約の中で、誰が生き残るか」
という視点です。
これはかなり本質的なテーマです。
① 「供給できる企業」は強くなる
今回のように供給が制約される環境では、需要よりも「供給能力」が重要になります。
その代表例として挙げられるのが、メモリメーカーのMicron Technology(MU)です。
メモリは比較的価格が需給で動きやすい分野です。
そのため、供給が絞られると価格が上がりやすく、利益に直結しやすい特徴があります。
さらに、原材料や物流の制約の中でも生産を維持できる企業は、それ自体が競争優位になります。
つまり今回の環境では、
「売れる企業」ではなく「作れる企業」
が強くなる可能性があります。
② エネルギーコストがカギになる
もう一つの大きなポイントが、エネルギーです。
AIやデータセンターは、電力消費が非常に大きい分野です。
このため、エネルギー価格が上昇する環境では、コスト構造に差が出ます。
例えば、電力コストを低く抑えられる企業は、その分だけ競争力が上がります。
実際に市場では、
・CIFR(Cipher Digital)
・IREN(Iris Energy)
のような、「電力とインフラを持っている企業」が注目される流れも出ています。
ここで重要なのは、
「AIそのもの」ではなく「AIを支えるコスト構造」
に目が向いているという点です。
③ 「全部上がる・全部下がる」ではない
今回の環境で一番ややこしいのはここです。
市場全体としては不安定ですが、すべてが同じ方向に動いているわけではありません。
むしろ、かなりはっきりと分かれています。
例えば、
・資源・エネルギー → 強い
・高バリュエーションの成長株 → 弱い
といったように、テーマごとに差が出ています。
半導体の中でも、
・AI・先端 → 強い
・汎用・低マージン → 弱い
という形で分かれています。
つまり今は、
「方向性の相場」ではなく「選別の相場」
です。
地域ごとの違いもかなり大きい
もう一つ重要なのが、国ごとの違いです。
ISM(米製造業の景況感指数)やS&P Global PMI(企業の景況感指数)、CPI(消費者物価指数)などを見ていくと、各国の状況がかなり分かれてきています。
アメリカは、まだ成長と流動性がある程度維持されています。
一方で、イギリスやヨーロッパは、
・成長が弱い
・インフレが高い
・流動性も弱い
という、やや厳しい状態に入っています。
中国はまた別で、インフレが弱く、需要があまり強くない方向の問題を抱えています。
つまり、
「どの国も同じ」ではなく「かなりバラバラ」
というのが今の特徴です。
まとめ
今回の環境を一言でまとめると、
「供給制約の中で、選別が進む相場」
です。
重要なのは、
- 需要ではなく供給に注目すること
- セクターや企業ごとの差を見ること
- 全体ではなく構造を理解すること
- 米国経済は相対的に他国よりますます強くなりそうだ
このあたりだと思います。
一見すると分かりづらい相場ですが、逆に言えば、しっかり分解するとかなりはっきりとした特徴が見えてきます。
このあたりは、今後の動きにも大きく関わってくるので、引き続き丁寧に追っていきたいですね。



