「FXでボリンジャーバンド2σでの逆張りをしてみようかな」と思っているあなた。ちょっと待ってください!FXの全通貨ペアでバックテストしましたので、その結果を見てからにしましょう。全通貨ペアで検証することで、ボリンジャーバンドを使って安定して勝つ手法のカギとなりそうなヒントも得られたのであなたも参考にしてください。
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ボリンジャーバンドの逆張り手法の最新バックテスト結果はこちら
もくじ
今回バックテストするボリンジャーバンドを使った手法
ボリンジャーバンドを用いた手法としては以下のようなものが有名です。
- ボリンジャーバンドの2σを抵抗線とした逆張り手法
- ボリンジャーバンドの拡大を狙った順張り手法
- バンドウォークの順張り手法
今回は1の2σでの逆張り手法の検証を実施します。
2と3の順張り手法については、売買ポイントが明確に(定量的に)定義されておらず機械的な検証が難しいため、次回以降の課題とします。
ボリンジャーバンドの2σでの逆張りとは
どんな手法なのか、チャートの画像で解説します。
まずはボリンジャーバンドのインジケーターをMT4のチャートに適用します。ボリンジャーバンドはMT4に標準装備されているはずです。インジケーター – トレンド – ボリンジャーバンド にありますので、チャートにドラッグしてください。
期間は20が最も一般的な設定です。
3本のラインが表示されます。上のラインが+2シグマのライン、下のラインが-2σのライン、真ん中のラインは普通に移動平均線です。
今回は+2シグマにタッチで空売り、-2σにタッチで買いという手法を検証します。
このようにめちゃくちゃシンプルな手法です。
利食いと損切りは設定せず、特定の日数経過で勝っていようが負けていようがエグジットするルールとします。ざっくりとした優位性を調べたいので、こういったシンプルな検証方法を採用しました。
検証方法の詳細
今回の検証方法の詳細は以下の通りです。
- 検証はMT4を使って実施しています
- 対象通貨ペアはAUD/CAD/CHF/EUR/GBP/NZD/USD/JPYの組み合わせの計28通貨ペアです
- 対象の時間軸は日足です
- 検証期間は1999年1月~2019年5月です ※通貨ペアによってばらつきあり
- スプレッドはMT4のデフォルト(現在の値)に設定しています
ボリンジャーバンド2σで逆張り(期間設定20で検証)
ボリンジャーバンドのパラメーターで、もっとも一般的な期間「20」での検証結果です。2σで逆張りし、エントリーから5本のローソク足が経過したら決済します。
全通貨ペアの過去20年間の日足での検証結果は以下のようになりました。赤(トータルで負け)が目立ちます。
主要28通貨ペアの損益曲線を合成したグラフです。ほぼ横ばい、トータルでは負けています。優位性は無いようです。
ポジションの保有期間を伸ばした場合も検証してみます。
先ほどはエントリーからローソク足5本で決済でしたが、今回は20本のローソク足が経過したら決済とします。
全然だめですね。むしろパフォーマンスが悪化しています。
それならさらに保有期間を延ばして、エントリーから60本のローソク足が経過したら決済も検証してみます。
あらら、これはひどい。
ほとんどの通貨ペアでトータルマイナスとなり、合成資産曲線も右肩下がりとなりました。これほど右肩下がりなら、むしろ逆シグナルで売買すれば安定して勝てそうなぐらいです。
ボリンジャーバンドの2σタッチでは逆張りするのではなく、思い切って「エイっ」と順張りでエントリーし、60日ぐらい長期保有すれば安定して勝てるかもしれません。
ボリンジャーバンド2σでの逆張り(期間設定75で検証)
ボリンジャーバンドの期間設定を長くした場合にどのような傾向が見られるのかを確認するため、期間を「75」にした場合の検証も行ってみます。
期間設定75のボリンジャーバンド2σで逆張りエントリー → 5本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
全く勝てないようです。期間20の同じエグジット設定よりも悪くなっています。
期間設定75のボリンジャーバンド2σで逆張りエントリー → エントリーから20本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
これも良くないですね。優位性は無いです。
次に、期間設定75のボリンジャーバンド2σで逆張りエントリー → エントリーから60本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
わりときれいな右肩下がりになりました。20本設定のときと同じように、75本設定のボリンジャーバンドでも2σで逆張りして長期保有(60日)すると逆シグナル的に負けることが分かりました。
ボリンジャーバンド2σでの逆張り(期間設定200で検証)
期間設定をさらに長くした場合にどのような傾向が見られるのかを確認するため、期間を「200」にした場合の検証も行ってみます。
期間200のボリンジャーバンド2σで逆張り → エントリーから5本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
全くダメですね。勝てないです。
期間200のボリンジャーバンド2σで逆張り → エントリーから20本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
これもダメです。優位性は全くないです。
最後に、期間200のボリンジャーバンド2σで逆張り → エントリーから60本のローソク足が経過したら決済はどうでしょうか。
やはり60日の長期保有にすると、わりときれいな右肩下がりになりました。逆シグナルですね。傾向が見えてきました。
ボリンジャーバンドの2σ逆張り まとめ
ボリンジャーバンドの2σで逆張りしても勝てないことが分かりました。日足で全く勝てませんので、イントラデイだと取引コストがのしかかってくるので、さらに勝てないと思われます。
しかし今回の検証では収穫もありました。ボリンジャーバンド2σでの逆張りで建てたポジションを長期保有(60日)すると、綺麗な右肩下がりに負けることが分かりました。
ということは、ボリンジャーバンドの2σでは逆張りするのではなく思い切って順張りでエントリーし、60日ぐらい長期保有することで安定して勝てる可能性があるということです。
ボリンジャーバンドの順張りとしては2σよりも外でローソク足が滞在し始めたら順張りするバンドウォークという順張り手法があります。このバンドウォーク手法に比較的長めにポジションを保有するエグジットルールを組み合わせると右肩上がりになるかもしれません。
ボリンジャーバンドの順張り手法もバックテストでき次第記事にしたいと思います。
FXの逆張りトレードをするなら、バックテストで優位性が確認できている手法があります。
FXで勝てる移動平均乖離率の逆張り 全通貨ペアで検証
以上で、ボリンジャーバンド2σでの逆張りは勝てるか?の解説を終わります。
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