ポンド円(GBPJPY)は毎年11月20日頃から12月中旬まで上げやすいという性質があります。過去21年間の季節性アノマリーを使ったバックテスト結果とCOT分析を使ってポンド円の動きを予想をしました。
もくじ
ポンド円の季節性アノマリーを使ったバックテスト 過去21年
過去21年間の季節性アノマリーを考慮すると、ポンド円は毎年11月20日頃から12月16日頃までは上がりやすい傾向があります。
毎年11月20日に買い、12月16日に手仕舞いするというトレードを21年間毎年繰り返した場合にどうなるかをバックテストしてみました。
資産曲線は滑らかです。
年単位の損益の棒グラフはこうなります。
勝率は76.19%
21年間で16勝5敗です。
1トレード辺りの利益率は+1.87%
年利換算だと+29.52%となります。
ボラの小さいFX通貨ペアとしてはかなり良い数字です。
前半の10年にくらべ、直近の10年はパフォーマンスが落ちているのは気になるところですが、それでも優位性はありそうです。
ポンド円の季節性アノマリー~直近10年の成績
直近10年になると、勝率は70%に落ちます。(7勝3敗)
1トレードあたり利益率は+1.73%
年利換算だと+26.96%です。
前半の10年よりも落ちたとはいえ、十分に高い優位性を保っていることが分かります。
ちなみに、ポンド円の値動きの特徴を完全解説したページはこちらです↓
過去22年のデータ分析で分かったポンド円の特徴【時間帯と季節性のアノマリー】
ポンドのCOT分析で興味深い現象 投機筋が大量にショートするのを商業筋が吸収
ポンド先物(6B)のCOT分析(CME先物の大口取引報告書)に面白い傾向が見えますので、チェックしておきます。
チャートはbarchart.comより。
CMEの上場されているポンド先物のCOT(大口取引報告書)によると、商業筋(腰の据わった大口)がロングポジションを25%ほど増やしたようです。
そろそろポンドが上昇するという前兆かもしれません。
逆に投機筋(緑の線)はショートポジションを24%ほど増やしています。とうことは商業筋と投機筋がポジションを一気に入れ替えたのが分かります。
トレンドフローの投機筋が大量にショートしてくるのを、商業筋の大口が吸収した(買い取った)ということですので、そそそろポンドの下落が止まって上昇が始まるかもしれません。
このような現象は反転の兆候とされているので、季節性アノマリーとの組み合わせでボンド買いを狙うのは良さそうです。
円(JPY)のCOT分析 円も商業勢に買われている
ポンド円(GBPJPY)をトレードするのですから、ポンドだけではなく円のCOT分析もしておきます。
赤がJPY先物における商業筋のポジションの推移です。
商業筋はしばらく前からかなり円先物のロングポジションを膨らませているのが分かります。
傾向としてはポンド先物と同じです。
ですので、COT分析における商業筋の傾向を見る限り、GBPもJPYも同じような状況にあると言えそうです。
円が商業筋に売られているなら、ポンド円の買いがさらに有利になると思うのですが、そうではないようです。
直近(先週)の変化を見る限り、ポンド先物は急激に商業筋のロングポジションが膨らんだのに対し、円先物はそれほど変化はありませんでした。円先物は以前から多く、ポンド先物は急激に増えてきたということなので、タイムリーな感じはあると言えそうです。(ポンド先物の商業筋(赤線)が急激に上昇しているのに対し、円先物の赤線は高い位置で横ばい)
季節性アノマリーとCOT分析を使ったポンドの予想 まとめ
ポンド円の過去21年間の季節性アノマリーのバックテスト結果を考慮すると、11月20日ごろから12月16日頃までポンド円は上がりそうであると予想ができます。
ポンドのCOT分析を考慮すると、商業勢は先週ポンド先物の買いポジションを急激に膨らませたので、そろそろポンドが上昇するかもしれないと予想できます。
円のCOT分析を考慮すると、円先物もポンド先物も商業筋に買われていることには変わりないので、状況としては似ていると言えます。
以上全てを考慮すると、11月20日頃から12月16日頃まではスイングやデイトレードでポンド円の買いを狙うのは良さそうです。ただし、何も考えずにただ買うのではなく、レジサポやプライスアクションを意識してトレードすることをお勧めします。
以上で、【ポンド円の予想11月~12月】季節性アノマリーとCOT分析から分かったポンドの傾向の解説を終わります。