原油の値動きの(意外な)特徴 【時間帯と季節性アノマリー】

原油の時間帯別アノマリーチャートの画像

原油の値動きの特徴を、過去21年分のデータ分析を基にして分かりやすく解説します。時間帯による特徴と、季節による特徴を解説しますので、スイングトレードにもスキャルピングにも役立てることができます。

目次

原油の季節性アノマリー 原油は何月に上がりやすい?

原油は何月に上がりやすいのでしょうか?

暖を取るために原油を使う?ということで、なんとなく冬に上がりそうな気がしますが実際はどうでしょうか?

こちらは原油の季節性アノマリーチャートです。

原油の季節性アノマリー

原油の過去21年間の日足を1年ごとに区切り、年間の値動きの平均顔的なチャートにしました。

3本のラインがありますが、計算対象の期間が異なります。

青は過去21年の季節性アノマリーチャート。

緑は過去10年、赤は過去5年の季節性アノマリーチャートです。

1年ごとの値動きの平均顔なので、チャートは1月1日から始まり、右端は12月31日です。(月は英語表記ですがご了承ください)

このチャートを見れば、原油が何月に上がりやすいのか?それとも下がりやすいのか?が一目瞭然です。

原油は冬に上がりそう?という予想はどうやら間違っていそうです。

原油の季節性アノマリーチャートから分かる年間の値動きの特徴

季節性アノマリーチャートの分析方法は以下の通り。

3本の線が同じような時期に高値(スイングハイ)や安値(スイングロー)をつけ、そこから分かりやすい値動きになっているポイントを探します。そこが原油の値動きで特徴のあるポイントとなります。

原油 WIT OIL の値動きの特徴を季節性アノマリーチャートで探す

以下のような特徴が分かります。

  • 2月初旬ごろにスイングローを形成して3月初旬ごろまで上昇しやすい特徴
  • 3月は下落しやすい特徴
  • 3月末ごろにスイングローを形成して7月上旬ごろまで上昇しやすい特徴(4月に2番底をつける傾向もあり)
  • 10月中旬にスイングハイを形成して12月初旬ごろまでは下落しやすい特徴

冬に必要な原油は春先から夏までに調達が終わり、実際に冬になると需要が細るということでしょうか。真相はわかりませんが、実際そうなっているのですから、それに従ってトレードするだけです。

エネルギー関連株の値動きのアノマリー

ちなみに原油の値動きに左右されそうなエネルギー関連株の値動きの特徴も見ておきましょう。

まずはエネオス(5020)の季節性アノマリーチャートです。

エネオス株の季節性アノマリーチャート

エネオス株も原油と似た特徴があります。

  • 3月末ごろにスイングローを形成してしばらく上昇する
  • 9月末ごろにスイングハイを形成して下落する
  • 年末年始ごろにスイングローをつけてしばらく上昇する

といったところです。

原油の季節性アノマリーの特徴を踏まえた戦略は?

原油は冬になるずっと前、春に仕込み、冬になる前には手仕舞いしたほうがよさそうです。

原油は冬にたくさん消費されそうなので、冬に上がりそう。→だから冬に買おう!

と考えてしまうかもしれませんが、実際は違うので要注意です。

そして冬になったら年末年始ごろに急落するのを待って少し買いなおすのもよさそうです。

原油の時間帯別の値動きの特徴

次に原油のデイトレードやスキャルピングに役立つ、時間帯別の値動きの特徴を解説します。

結論から言うと、原油はシカゴの先物取引所(CME)が始まるタイミングまで待ってトレードしたほうが良さそうです。

こちらは原油先物の時間帯別アノマリーチャートです。

原油の時間帯別アノマリーチャートの画像

一番上の青のグラフは、過去4か月間のすべての5分足を使って描画したアノマリーチャート、緑は日足が陽線の日の5分足のみ、赤は日足が陰線の日の5分足のみで作成したアノマリーチャートです。

アジアセッションはボラティリティーが極端に小さく、ロンドンセッションでぼちぼちボラティリティーが上がり、ニューヨークセッション(シカゴ開始ぐらいから)さらにボラティリティーが上がる特徴があるようです。

アジアセッションでエントリーしたポジションはかなり高い確率でロンドンセッションかニューヨークセッションにストップ狩りにあうことでしょう。

ロンドンセッションではアジアセッションにできた主要なレンジの上下でストップ狩りが行われ、ニューヨークセッション開始前後の時間帯で今度はアジアセッションとロンドンセッションの高値と安値でストップ狩りが行われる傾向があるようです。

デイトレやスキャルをするなら少なくともロンドンセッションを待ってエントリーするのが良いでしょう。

ロンドンセッションでエントリーしたポジションの一部はニューヨークセッションの開始までに一部は利食いしておき、ニューヨークセッションのストップ狩りに備えておくのはどうでしょう。

ニューヨークセッション(CME開始のタイミング)ぐらいに合わせてエントリーを狙うと、一番良いタイミングで、良い価格でエントリーができそうです。

原油の値動きの特徴 まとめ

季節性アノマリーを使って見つけた、原油の1年の中の値動きの特徴は以下のようになります。

  • 2月初旬ごろにスイングローを形成して3月初旬ごろまで上昇しやすい特徴
  • 3月は下落しやすい特徴
  • 3月末ごろにスイングローを形成して7月上旬ごろまで上昇しやすい特徴(4月に2番底をつける傾向もあり)
  • 10月中旬にスイングハイを形成して12月初旬ごろまでは下落しやすい特徴

エネルギー関連株の値動きも原油と似た特徴がありました(エネオス株を分析しました)

原油のデイトレやスキャルのエントリータイミングを見極めるため、時間帯別のアノマリーも調査しました。

原油のボラティリティーは、アジアセッション<ロンドンセッション<ニューヨークセッションとなっていました。

ロンドンセッションではアジアセッションの高値と安値でストップ狩りが行われやすい。さらに、ニューヨークセッションではさらにロンドンセッションの高値や安値でストップ狩りが行われやすい特徴が分かりました。

これらの原油の値動きの特徴を踏まえ、レジサポプライスアクションのスキルを駆使してトレードするなら良い結果が得られると思われます。

以上で、原油の値動きの特徴の解説を終わります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

株のスイングトレードを中心に、FXや先物もトレードします。
基本は裁量トレーダーですが、高いバックテストの能力を持っており、システムトレードの良い部分はどんどん取り入れていってます。
複数の戦略ポートフォリオを運用し、市場平均を上回るリターンを市場平均よりも小さなドローダウンで実現するのが僕の仕事です。
AmazonKindleで2冊のベストセラー電子書籍を持つ「プロになるためのデイトレード入門」「日本一即戦力なFX講座」

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