サンタクロースラリーは、12月の最後の5営業日と、年明けの最初の2営業日(あわせて7営業日)に株価が上がりやすいという、米国生まれの相場の言い伝えです。1972年に米国で名付けられました。米国株の代表的な指数S&P500の74回分(1952年末〜2025年末)と、日経平均・日本株約1,000銘柄で確かめると、次のことが分かりました。
- 米国では「あった」。S&P500のこの7営業日は74回中56回上がり、平均+1.21%。ふだんの7営業日(平均+0.25%)を1ポイント近く上回ります。名付けられた後の54回に限っても、39回上がっていました。
- ただし2010年以降は、ふだんの週とほぼ同じです。2010〜2025年の16回は平均+0.30%で、ふだんの7営業日(+0.35%)と変わりません(1990年代にも一度、同じことがありました)。
- 日本でも平均では上がっていますが、米国ほどはっきりせず、上げはほとんど年末の側にあります。年明けの2営業日は、合わせるとふだんとあまり変わりません。
数字は、2026年1月の第2営業日(S&P500は1月5日、日経平均は1月6日)までの終値で計算しています。
サンタクロースラリー(サンタラリー)とは:意味・期間・いつから
サンタクロースラリーは、英語の “Santa Claus rally” をそのままカタカナにした言葉です。「ラリー」は株価が続けて上がることを指します。日本では「サンタラリー」や「年末ラリー」とも呼ばれます。
いまの定義では、期間は12月の最後の5営業日と、翌年1月の最初の2営業日です。営業日は、取引所が開いている日のこと。土日や祝日、年末年始の休みは数えません。クリスマスの少し前から始まり、年が明けて2日目の取引で終わる、という長さです。
名付けたのは、米国の投資家向けの暦の本『ストック・トレーダーズ・アルマナック(Stock Trader’s Almanac)』を作ったイェール・ハーシュ(Yale Hirsch)で、1972年のことです(翌1973年版のアルマナックで発表)。ハーシュはS&P500の1952〜1971年を調べ、20年中17年で上がっていたことを示しました。当初は「12月の最後の4営業日+年明けの2営業日」の6営業日で、のちに今の7営業日になったと紹介されています。
ハーシュは、こんな一節も残しています。
If Santa Claus should fail to call, bears may come to Broad and Wall.
(サンタクロースが来なければ、ブロード街とウォール街に熊がやって来るかもしれない)
ブロード街とウォール街は、ニューヨーク証券取引所がある通りです。熊は株価の下げ(弱気相場)を表します。「この7営業日に上がらなかった年は、その後の相場に気をつけろ」という意味です。この一節が当たっているかも、あとで確かめます。
サンタクロースラリーは本当に起きるのか:S&P500の74回で検証
S&P500の1952〜2025年の年末について、この7営業日の値動きを、同じ期間のどこを取ってもよい「ふだんの7営業日」と比べました。1952年からにしているのは、ニューヨーク証券取引所が1952年まで土曜日にも取引をしていて、それより前は同じ物差しで日を数えられないためです。
| 期間 | 上がった確率:サンタラリーの7営業日 | 上がった確率:ふだんの7営業日 | 値動きの平均:サンタラリーの7営業日 | 値動きの平均:ふだんの7営業日 |
|---|---|---|---|---|
| 1952〜1971年(名付けた人が調べた期間) | 85%(20回中17回) | 58% | +1.38% | +0.22% |
| 1972〜2025年(名付けられた後) | 72%(54回中39回) | 58% | +1.15% | +0.25% |
| 全体(1952〜2025年) | 76%(74回中56回) | 58% | +1.21% | +0.25% |
表の「上がった確率」は、過去に何回のうち何回上がったかです。たとえば「ふだんの7営業日 58%」は、1年のどこか7営業日を取ると、100回のうち58回ほど上がっていたという意味で、株価が58%上がるという意味ではありません。株価がどれだけ動いたかは、右の2列「値動きの平均」のほうです。
まず、1952〜1971年の20回を数え直すと、上がったのは17回でした。ハーシュが示した「20年中17年」と同じで、当初の6営業日で数えても17回です。言い伝えの元になった数字は、今のデータでも再現できます。
大事なのはその下の行です。後からデータに合わせて作った話なら、そのデータで当たって見えるのは当然です。でも1972〜2025年の54回は、名前が付いて広まった後の、いわば「答え合わせ」の期間です。ここでも54回中39回上がり、平均+1.15%と、ふだんの7営業日(+0.25%)を大きく上回りました。名付けた当初の6営業日で数えても、54回中35回上がり、平均+0.90%(ふだんの6営業日は+0.22%)です。言い伝えは、作られた後の50年余りでも、おおむね当たっていたことになります。
なお、よく紹介される「1950年以降は平均+1.3%・約8割」という数字は、アルマナックが1950年から数えたものです。この記事は土曜の取引が無くなった後の1952年から数えているので、少し違います。
期間の取り方を変えると、こうなります(1972〜2025年の54回)。
| 取り方 | 上がった回数:左の期間 | 値動きの平均:左の期間 | 値動きの平均:ふだんの同じ日数 |
|---|---|---|---|
| サンタラリーのうち12月の5営業日だけ | 54回中35回 | +0.67% | +0.18% |
| サンタラリーのうち年明けの2営業日だけ | 54回中37回 | +0.48% | +0.07% |
| サンタラリーの7営業日(いまの定義) | 54回中39回 | +1.15% | +0.25% |
米国では、年末の5日と年明けの2日のどちらもふだんより上がっています。7営業日をひとまとめにした定義には、それなりの理由がありそうです。
サンタクロースラリーは毎年効くのか:7営業日だけ74年持った結果
では、この言い伝えを毎年信じて、サンタクロースラリーの7営業日だけS&P500を持ち続けていたらどうなったでしょうか。1952年末(この7営業日の直前)を100として、74回分を1本の線にしました。
比べる相手も用意しました。毎年、年末年始以外の7営業日をくじ引きで1つ選び、それを74年つないだ線を5,000通り作っています。破線はその真ん中、灰色の帯は、その年ごとに5,000通りの9割が入る範囲です。
| S&P500のサンタラリー74回の結果 | 値 |
|---|---|
| いちばん良かった回 | +7.45%(2008年末〜2009年初) |
| いちばん悪かった回 | −4.04%(1999年末〜2000年初) |
| 続けて下げた最長 | 3回(2023〜2025年) |
| サンタクロースラリーの7営業日 | 100 → 239(約2.4倍) |
| くじ引きで選んだ7営業日(5,000通りの真ん中) | 100 → 116 |
1年に7営業日しか持っていないのに、74年で約2.4倍。くじ引きで選んだ7営業日なら116です。サンタクロースラリーの線と同じか、それ以上に伸びたくじ引きの線は、5,000通りのうち0.1%以下でした。名付けられた後の1972〜2025年だけで同じことをしても、サンタクロースラリーの線に届いたくじ引きの線は1%未満です。手数料や税金、配当は入れていない計算です。
サンタクロースラリーの線は、2010年ごろから伸びが止まっています。10年ごとに区切って、同じ10年のふだんの7営業日と並べると、こうです。
| 年代(年末の年) | 上がった回数:サンタラリーの7営業日 | 値動きの平均:サンタラリーの7営業日 | 値動きの平均:ふだんの7営業日 |
|---|---|---|---|
| 1952〜1959年 | 8回中7回 | +2.03% | +0.34% |
| 1960年代 | 10回中8回 | +0.81% | +0.17% |
| 1970年代 | 10回中8回 | +2.62% | +0.08% |
| 1980年代 | 10回中8回 | +1.33% | +0.33% |
| 1990年代 | 10回中6回 | +0.50% | +0.48% |
| 2000年代 | 10回中8回 | +1.61% | +0.01% |
| 2010年代 | 10回中8回 | +0.30% | +0.32% |
| 2020〜2025年 | 6回中3回 | +0.28% | +0.38% |
2010〜2025年の16回をまとめると、上がったのは16回中11回(上がった確率69%)、値動きの平均は+0.30%。この期間のふだんの7営業日は、値動きの平均が+0.35%、上がった確率が62%なので、この16回に限れば、サンタクロースラリーはふだんの週とほとんど見分けがつきません。平均は、1952〜2009年の58回(+1.46%、ふだんは+0.22%)より、ずっと小さくなっています。
ふだん並みになったのは、これが初めてではありません。1990年代の10回も平均+0.50%で、その10年のふだん(+0.48%)とほぼ同じでした。そのあと2000年代に、強さが戻っています。
小型株の指数(ラッセル2000)やハイテク株の多いナスダック総合指数でも、同じように弱まっています。2009年までの平均は、小型株が+2.03%(1979〜2009年)、ナスダックが+2.25%(1971〜2009年)で、大型株の指数(ラッセル1000)の+1.15%(1979〜2009年)より大きく上がっていました。それが2010〜2025年は、小型株が+0.08%、ナスダックが+0.02%です。どちらも、同じ期間のふだんの7営業日(+0.28%・+0.45%)を下回っています。
効かなくなったのか、1990年代のように弱い時期が続いているだけなのかは、16回の数字からは分かりません。「2010年以降」という見方も、言い伝えにあったものではなく、今回のデータを見て気づいたものです。言えるのは、74年で見れば確かにあった。ただし、2010年以降はほとんど見えなくなっている、というところまでです。
サンタクロースラリーはいつ起きる?7営業日の1日ごとの平均
S&P500の74回分を、1日ごとに平均しました(ふだんの1日は、値動きの平均が+0.035%、上がった確率が53%)。
| 日 | 値動きの平均 | 上がった確率(74回のうち) |
|---|---|---|
| 12月の最後の5営業日の1日目 | +0.19% | 62% |
| 同じく2日目 | +0.30% | 69% |
| 同じく3日目 | +0.05% | 53% |
| 同じく4日目 | +0.15% | 59% |
| 同じく5日目(12月の最後の日) | +0.06% | 57% |
| 年明けの1日目 | +0.12% | 49% |
| 年明けの2日目 | +0.32% | 68% |
| (参考)年明けの3日目 | −0.01% | 53% |
上げは特定の1日に集まっているわけではなく、7営業日に散らばっています。平均が大きいのは、12月の最後の5営業日の2日目(クリスマスの翌日前後にあたることが多い日)と、年明けの2日目です。年明けの3日目は、ふだんと変わりませんでした。
サンタクロースラリー(年末ラリー)は日本株でも起きるのか:日経平均37年と約1,000銘柄
日本でも、同じ7営業日(12月の最後の5営業日+1月の最初の2営業日)で数えました。日本の取引所は12月31日〜1月3日が休みなので、年明けの1日目は1月4日ごろ(大発会=その年の最初の取引日)です。日経平均は、東証の土曜日の取引が無くなった1989年からにしています。
| 日経平均(1989〜2025年の年末) | 上がった確率:左の期間 | 上がった確率:ふだんの同じ日数 | 値動きの平均:左の期間 | 値動きの平均:ふだんの同じ日数 |
|---|---|---|---|---|
| サンタラリーの7営業日(いまの定義) | 65%(37回中24回) | 52% | +0.95% | +0.09% |
| サンタラリーのうち12月の5営業日だけ | 65%(37回中24回) | 53% | +0.82% | +0.07% |
| サンタラリーのうち年明けの2営業日だけ | 51%(37回中19回) | 51% | +0.13% | +0.03% |
日本でも、7営業日の平均+0.95%は、ふだんの7営業日(+0.09%)を0.9ポイントほど上回っています。差の大きさは米国に近い数字です。ただ、中身を分けると、上げのほとんどは12月の最後の5営業日にあります。年明けの2営業日を見ると、大発会の日は平均+0.34%(37回中21回上昇)、翌日は平均−0.22%でした。どちらも37回では、ふだんの日と見分けがつくほどの差ではなく、2日を合わせてもふだんとあまり変わりません。上げが年末の側に寄っているこの形も、言い伝えには無く、今回のデータから見えてきたものです。
日本には、年末の最後に株価がもうひと伸びすることを指す「掉尾の一振(とうびのいっしん)」という古い言葉があります。日経平均で見る限り、日本のサンタクロースラリーは、ほぼこの掉尾の一振のことだと言ってよさそうです(掉尾の一振そのものは、掉尾の一振は本当に起きるのか(日経平均37年と約1,000銘柄の検証)で確かめています)。
毎年この7営業日だけ日経平均を持っていたら、37年で100→139(手数料・税金・配当は含めていません)。くじ引きで選んだ7営業日の線の真ん中は102でした。とはいえ、139以上に届いたくじ引きの線も5,000通りのうち7%前後あり、米国(0.1%以下)ほどはっきりした差ではありません。
10年ごとでは、ばらつきが大きく出ます(このほかに1989年の1回があり、+0.62%でした)。
| 年代(年末の年) | 上がった回数:サンタラリーの7営業日 | 値動きの平均:サンタラリーの7営業日 | 値動きの平均:ふだんの7営業日 |
|---|---|---|---|
| 1990年代 | 10回中5回 | −0.02% | −0.01% |
| 2000年代 | 10回中8回 | +2.39% | 0.00% |
| 2010年代 | 10回中5回 | +0.09% | +0.32% |
| 2020〜2025年 | 6回中5回 | +1.64% | +0.42% |
ふだんよりはっきり上がったのは2000年代だけで、1990年代と2010年代はふだんと同じか、それより下でした。2020〜2025年は6回中5回上がっていますが、回数が少ないので、強くなったかどうかはまだ分かりません。
日本株約1,000銘柄で見ると
日経平均のような指数は大きな会社の値動きに引っぱられるので、日本の主な上場株1,002銘柄でも数えました。いまTOPIX1000(東証で規模の大きい約1,000社)に入っている銘柄が中心です。2008〜2025年の年末の18回で、この7営業日に上がった銘柄の割合を出しています。
18回の銘柄を延べで数えると、62%が上がっていました。ふだんの7営業日に上がった銘柄の割合は52%なので、10ポイントほど多い計算です。ふだんより多かったのは18回中14回。上がった銘柄が多かったのは2012年の年末(87%)、2017年(84%)、2013年(82%)、少なかったのは2014年(21%)、2015年(31%)、2022年(32%)でした。
いまの時価総額(会社の規模)で大・中・小の3つに分け、それぞれのふだんの割合と比べると、こうなりました。
| 時価総額 | 上がった銘柄の割合:サンタラリーの7営業日 | 上がった銘柄の割合:ふだんの7営業日 |
|---|---|---|
| 小さい3分の1 | 61.6% | 51.7% |
| 中くらいの3分の1 | 64.0% | 52.2% |
| 大きい3分の1 | 60.5% | 52.6% |
規模による差はほとんどありません。小型株が大型株を上回ったのは18回中9回で、ちょうど半分です。米国でも、7営業日に上がった回数は小型株と大型株で同じでした(1979〜2025年の47回中34回)。上げ幅は2009年までは小型株のほうが大きく、2010年以降は小型株のほうが小さくなっています。
業種(東証のTOPIX-17業種)では、ふだんの割合との差が大きかったのは鉄鋼・非鉄(+21.5ポイント)、エネルギー資源(+21.2ポイント)、金融(除く銀行)(+18.7ポイント)。小さかったのは食品(−2.7ポイント)と医薬品(+0.9ポイント)でした。エネルギー資源は7銘柄しかないので、ここは参考程度です。業種による差は大きくても20ポイントほどで、上がった銘柄の割合が年によって21%から87%まで動くことに比べれば、小さなものです。
サンタクロースラリーが起きる理由:節税売りの説は本当か
理由としてよく挙げられるのは、休暇とお祝いの気分、年末のボーナス、休みで市場に参加する人が減ること、そして「損の出ている株を年内に売って税金を減らす動き(節税売り)が終わって、売られていた株が戻る」という説明です。どれも、はっきり確かめられたものではありません。
このうち数字で確かめやすいのは、節税売りの説です。日本では、節税売りの最後の日(ふつうは、その年の損益に入れられる最後の取引の日)は、受け渡し(売った株と代金のやり取りが済むこと)までの日数の分だけ、大納会より前になります。いまは大納会の2営業日前、2018年の年末までは3営業日前です。つまりこの7営業日の前半には、節税売りがまだ出る日が含まれます。
そこで日本株約1,000銘柄を年初からの値動きで5つに分け、節税売りの最後の日の翌日から7営業日の終わりまで(いまの暦では4営業日、2018年の年末までは5営業日)の値動きを比べました(年初からの値動きには前の年の最後の値が要るので、2009〜2025年の年末の17回)。
| 年初からの値動き(年ごとに5分割) | 上がった銘柄の割合:節税売りの最後の日の翌日から(ふだんの同じ日数は51.6%) | 値動きの平均:同じ期間 | 値動きの平均:サンタラリーの7営業日の前半(節税売りの最後の日まで) |
|---|---|---|---|
| 大きく下げた5分の1(真ん中は−19.9%) | 67.3% | +1.97% | −0.35% |
| 2番目 | 62.2% | +1.38% | −0.28% |
| 3番目 | 62.3% | +1.35% | −0.20% |
| 4番目 | 62.1% | +1.49% | −0.13% |
| 大きく上げた5分の1(真ん中は+52.1%) | 62.5% | +1.67% | +0.11% |
節税売りの最後の日までは、年初から大きく下げた銘柄ほど弱く、その翌日からは、大きく下げた銘柄の上がった割合がほかより5ポイントほど高めでした。上がった割合で、大きく下げた5分の1が大きく上げた5分の1を上回ったのは、17回中13回です。節税売りの説と合う動きは、たしかにあります。
一方で、平均の上げ幅で比べると、大きく下げた銘柄(+1.97%)と大きく上げた銘柄(+1.67%)の差は0.3ポイントほどです。大きく下げた5分の1以外の4つのグループも、ふだんの同じ日数(51.6%)よりずっと多く上がっています。節税売りが終わることで説明できるのは、この時期の上げのうちの一部だと考えています。米国株については、銘柄ごとの数字では確かめていません。
「サンタが来ないと熊が来る」は本当か
最初に紹介した一節、「サンタクロースが来なければ、熊がやって来るかもしれない」も確かめました。S&P500で、7営業日に下げた年と上げた年に分けて、その後(7営業日が終わってからその年の年末まで)の値動きを比べています。2025年の年末は、その後がまだ無いので除いています。
| サンタラリーの7営業日の結果(1952〜2024年の年末) | 回数 | 値動きの平均:その後〜年末 | 下げた確率:その後〜年末 | その年のうちに高値から20%以上下げた回数 |
|---|---|---|---|---|
| 上がった(サンタが来た) | 56回 | +9.0% | 30%(56回中17回) | 56回中12回 |
| 下げた(サンタが来なかった) | 17回 | +8.2% | 24%(17回中4回) | 17回中1回 |
サンタが来なかった年のその後は、来た年とほとんど変わりませんでした。高値から20%以上下げた年も、来なかった17回では1回だけです。それが2008年です。2007年の年末〜2008年の年明けにサンタが来ず、その後2008年の年末までにS&P500は37.6%下げました。名付けられた後の1972年以降に限っても、結果は同じでした。日経平均でも、来なかった13回のその後は平均+5.2%で、来た23回(+2.0%)より上でした。
17回という少ない回数なので強いことは言えませんが、少なくともこの数字からは、「サンタが来なかったから、その年は気をつけろ」とは言えません。2008年の印象が強いので、言い伝えとして残っているのかもしれません。
2025年・2024年のサンタクロースラリーはどうだったか
2025年の年末〜2026年の年明け(7営業日は12月24日〜1月5日。12月23日の終値から1月5日の終値までで計算)は、S&P500が−0.11%(6,909.79→6,902.05)。わずかながら下げて、サンタクロースラリーは起きませんでした。ナスダック総合指数も−0.70%です。米国では2023年、2024年に続いて3年続けての不発で、1952年からの74回で3回続けて下げたのは初めてです。
その前の2024年の年末〜2025年の年明けも、S&P500は−0.53%、2023年の年末〜2024年の年明けは−0.88%でした。
とはいえ、3年続けての不発だけを、弱まった証拠と考えるのは早すぎます。4回に1回ほど下げるものなら、74回のどこかに3回続けて下げる並びが偶然出てくる確率は、計算すると半分を超えるからです。
一方、日本は逆でした。2025年の年末〜2026年の年明けは、日経平均が+4.18%、TOPIX(東証の主な株全体の値動きを表す指数)が+3.36%。日本株約1,000銘柄のうち74%が上がっています。2024年の年末〜2025年の年明けも日経平均+2.35%、TOPIX+2.19%、2023年の年末〜2024年の年明けも日経平均+0.63%、TOPIX+2.44%で、日本は3年続けて上がりました。
2026年の年末〜2027年の年明けの結果は、1月の第2営業日の後にこの節に書き足します。
よくある質問
サンタクロースラリーはいつからいつまで?
12月の最後の5営業日から、翌年1月の2営業日目までの7営業日です。米国では、クリスマス前後から年明けの2日目の取引まで。日本では大納会(その年の最後の取引日・原則12月30日)の4営業日前から、大発会の翌日までにあたります。
2026年のサンタクロースラリーはいつ?
取引所の休みの予定どおりなら、米国は2026年12月24日〜2027年1月5日です(12月25日と1月1日は休み。12月24日は米国東部時間の午後1時までの短縮取引)。日本も2026年12月24日〜2027年1月5日で、大納会は12月30日、大発会は1月4日です。この期間に上がるかどうかは分かりません。
サンタクロースラリーは英語で何という?
“Santa Claus rally” です。米国では “Santa rally” とも言います。
掉尾の一振・年末ラリーとの違いは?
年末ラリーは、年末に株価が上がることを広く指す言葉で、サンタクロースラリーとほぼ同じ意味で使われます。サンタクロースラリーは米国で生まれ、年明けの2営業日まで含むのが特徴です。掉尾の一振は日本の古い言葉で、その年の最後のひと伸びを指します。日経平均で見ると、日本のサンタクロースラリーの上げはほとんど年末の側にあり、掉尾の一振と重なっています。日経平均37年で確かめた結果は掉尾の一振の検証にまとめています。
日本株でもサンタクロースラリーは起きる?
日経平均の37年では37回中24回上がり、平均+0.95%でした。上げは12月の最後の5営業日にほぼ集まっていて、年明けの2営業日は合わせるとふだんとあまり変わりません。10年ごとに見ると、ふだんよりはっきり上がったのは2000年代でした。
2026年もサンタクロースラリーは起きる?
分かりません。S&P500では74回中56回起きていますが、2010年以降はふだんの週とほとんど見分けがつかず、2023〜2025年は3年続けて起きませんでした。過去の傾向は、今年もそうなることを約束するものではありません。
この数字の読み方と限界
平均で見れば、年末年始の7営業日は上がりやすいと言えます。とはいえ上げ幅は1%前後で、S&P500でも4回に1回ほどは下げています。米国では2010年以降、ふだんの週との差もほとんど見えなくなっています。
S&P500などの指数は、配当を含まない値で計算しています。日本の個別株は、いまTOPIX1000に入っている銘柄で過去をさかのぼっています。途中で上場をやめた銘柄は入っていませんし、大・中・小もいまの時価総額で分けています。
僕自身は、こうした季節の傾向を「この時期はこういう動きが出やすい」という目安として持っているだけで、それだけを理由に動くことはしていません。
最後に、自分に聞いておきたいこと
サンタクロースラリーは、ただの迷信ではありません。名付けられた後の50年余りでも、米国ではおおむね当たってきました。でも、ここ16回の米国では、その強さがほとんど消えています(1990年代にも一度、そういう時期がありました)。
年末を迎える前に、次の2つを自分に聞いておくとよいと思います。
- 自分が思い浮かべている「サンタクロースラリー」は、米国の話なのか、日本の話なのか。日本なら、上げが年末の側に寄っていることを知ったうえで、年明けの数日をどう見るつもりか。
- 期待したラリーが来ず、逆に下げて年を越したとき、それを「熊が来る合図」と受け取るのか、それとも「よくあること」と受け流すのか。
これだけです。
※本記事は過去の値動きを集計したもので、特定の銘柄や時期での売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身でお願いします。
銘柄ごとの「上がりやすい時期・下がりやすい時期」
この記事は市場全体の話です。季節の傾向は、銘柄ごとにかなり違います。日本株の主な銘柄について、例年いつ上がりやすく・いつ下がりやすいか、その理由の手がかりまで調べた結果を、無料のメルマガの専用サイトで公開しています。