「一目均衡表は実際に勝てるの?」そんな疑問に答えるため、徹底的に一目均衡表をバックテストする連載をすることにしました。FXの全通貨ペア過去30年のデータで一目均衡表を使った様々な売買戦略を徹底的にバックテストをしたので、一目均衡表が本当に勝てるかが明確になります。
名前もいかついし、海外でも人気があるという一目均衡表。ついついその辺に書いてある無責任な解説を鵜呑みにして「一目均衡表で一儲け!」となりがち。あなたのお金をリスクにさらす前に、この連載を読んでください。
もくじ
一目均衡表は勝てるか?連載のもくじ
一目均衡表とは
第一回目は、「一目均衡表とは何か?」そして「どんな設定で使うべきか?」や「一目均衡表の各ラインの意味」を解説します。バックテスト結果を見る前に、まずは基本を押さえておきましょう。
一目均衡表とは、1936年に日本で開発された和製インジケーターです。作ったのは一目山人というペンネームで活躍していた人(本名は細田伍一さん)。日本から来た神秘的なインジケーター、そしていろんな要素が組み合わさったオールインワンなインジケーターということで海外でも人気があるそうです。
「一目均衡表」という名前の由来は、相場の「均衡」が崩れたら「一目瞭然」で新しいトレンドが分かるからということだそうです。もし本当だとしたら、それはすごいですね。
一目均衡表には5本のラインがある
一目均衡表は計算方法の異なる5本のラインで構成されます。
- 基準線
- 転換線
- 遅行線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
各ラインのざっくりとした説明は以下の通りです。意味が分からないと思いますが、さらっと流してください。それぞれ個別の記事で詳細に解説します。
基準線は長期的な高値と安値の中央値です。
転換線は短期的な高値と安値の中央値です。
遅行スパンは、当日の終値を26日までにずらしたものです。
先行スパン1は、基準線と転換線の中心を26日分先(将来)にずらした線です。
先行スパン2は、過去52日の高安値の中心を25日分右(将来)にずらした線です。
先行スパン1と先行スパン2の2本のラインに囲まれたエリアは「雲」と呼ばれます。
一目均衡表をチャートに適用する方法(MT4)
チャートを選択し、挿入 – インジケーター – トレンド – Ichimoku Kinko Hyo を選択します。
するとチャートに一目均衡表が適用されます。
一目均衡表のパラメータの設定
一目均衡表の設定は、標準設定一択で設定します。変更する必要はありません。移動平均線のようにいろいろなパラメータに好きなように設定して使うインジケーターではありません。
標準の設定は以下の通りです。
転換線:9
基準線:26
先行スパンB: 52
MT4で一目均衡表を使う場合も標準設定のままでOKをクリックすればOKです。
一目均衡表のシンプルな使い方
一目均衡表の使い方で、もっともシンプルでよく知られているのは以下のような使い方です。
- 転換線の基準線のクロスで売買
- 遅行線とローソク足のクロスで売買
- ローソク足と雲のクロスで売買
- 三役好転で売買
各ラインを移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスのようにして使う方法ですね。
そして、この3つともが上方向に向いている場合に、3つの買いの条件を満たしているということで、三役好転といいます。
その逆、これら3つが全て下方向に向いている場合に、3つの売りの条件を満たしているということで、三役逆転といいます。
今回の企画では、これらの売買シグナルを全て、FX全銘柄を対象に過去30年のデータを使ってバックテストします。
次の記事では、さっそく一目均衡表の転換線と基準線のクロスをバックテストしてみましょう。
以上で、一目均衡表とはなにか?と設定の解説を終わります。