プライスアクションを30分で理解し、さらに具体的なトレード戦略を知りたくないですか?専業トレーダーのサンチャゴがFXの初心者にも分かりやすくプライスアクションを解説します。経験者の方にも新たな発見があるでしょう。
もくじ
プライスアクションという必須のスキルを30分で理解しよう
FXのスキャルピングでもデイトレードでもスイングトレードでも、全てのトレーダーはプライスアクションを読める必要があります。
ファンダメンタルズ分析でトレードアイデアを作る長期トレーダーでも、最後エントリーするときの判断はプライスアクションをベースにエントリーします。
プライスアクションを学ぶことで、あなたはより良いタイミングで、リスクを最小限に抑えてエントリーすることができ、トレードの成績を上げることができます。
このページで学べるトレード戦略は、いわゆるシステムトレードではなく、裁量トレードです。習得にはそれなりの時間がかかります。明日からすぐに稼ぎまくれるといった類のものではありません。
しかしこのページではプライスアクションのスキル中で重要な部分をピックアップして、30分で理解し、明日から実際に使い始めることができるように解説しました。
また、このページでは具体的なプライスアクション手法も解説します。FXの初心者やプライスアクションについての知識を得るだけではなく、明日からFXのトレード活かすことができるはずです。
プライスアクションとは
おそらくあなたは、「プライスアクションってなんだ?」と思っているでしょう。
プライスアクションとは、ローソク足チャートだけを手掛かりにトレードの意思決定をするスキルのことです。
プライスアクションのスキルが身に付くと、相場が今どんな状況なのかを、テクニカル指標もファンダメンタルズ分析も使わずにある程度わかるようになります。
プライスアクションのスキルが身につくことでエントリーやエグジットのタイミングが格段に良くなります。
ファンダメンタルズ分析だけでトレードする人はエントリータイミングがめちゃくちゃになってしまい、しかもリスク管理もあいまいになりがちなので大けがをしやすいです。
しかしそこにプライスアクションのスキルを追加することで、エントリータイミングとリスク管理能力が備わった洗練されたトレーダーになることができます。
とはいえ、プライスアクションはいわゆる「聖杯」ではありません。どんなにプライスアクションのスキルを磨いても負ける時は負けます。
しかしあなたがある程度の時間を使ってプライスアクションを学ぶことに集中すれば、あなたのエントリーやエグジットの精度が上がることは間違いありません。
このページでは、あなたがたった30分でプライスアクションの知識を身につけ、プライスアクションの使い手としてスタートできるよう、一番大切な部分だけをピックアップして解説します。
- まずはレジサポ
- 値動きの構造の秘密
- ローソク足パターンの秘密… エントリータイミングの精度を上げるコツ
- ローソク足パターンのルールを暗記しなくてもよい方法
- 明日から使えるプライスアクション戦略
こんな内容で、解説していきます。
まずはレジサポ
プライスアクションの読解の第一歩は、レジサポラインやレジサポエリアを引くことです。それは地図上の重要なポイントに印をするみたいなものです。
まずはサポートラインとレジスタンスラインとは何か?を理解しましょう。
サポートライン(サポートエリア)
サポートライン(サポートエリア)とは、過去の値動きにより判断して引いた水平のラインやエリアです。買い手が売りてよりも優勢になり、その辺りから価格が上がることが期待できるエリアのことです。
チャートで過去の値動きを見て安値になっている辺りに引くのがまずは基本です。
水色で塗りつぶしたエリアがサポートエリアです。①の時点で引けたサポートエリアに、②や③で反応しているのが分かります。
この基本ができるようになれば、次の段階として以下のような位置に引くスキルも身につけていきましょう。
- 強い上昇が出始めた位置
- 売り手が「ウエッ!」となった位置
- 大口約定が出た位置
- 週足/月足/年足ピボットの位置
これらはサポートラインを引く中上級者向けのコツです。今の段階ではいったん置いておきましょう。
上級向けのレジサポエリアの引き方のコツは、別の記事で詳細に解説しますのでお楽しみに。
レジスタンスライン(レジスタンスエリア)
レジスタンスライン(レジスタンスエリア)とは、過去の値動きにより判断して引いた水平のラインやエリアです。売りが買いよりも優勢となり、その辺りから価格が下がりやすいと思われるエリアのことです。
チャートで過去を振り返り、高値になっている位置がレジスタンスラインやエリアを引くのがまずはサポートラインの基本です。
チャートの上の方にピンクで塗りつぶしたエリアがレジスタンスエリアです。黄緑の①で引けたレジスタンスエリアに黄緑の②で反応しているのが分かります。
レジスタンスエリアのを引くための応用スキルとしては…
- 強い下落が出始めた位置
- 買い手が「ウエっ!」となった位置
- 大口約定が出た位置
- 週足、月足、年足ピボットの位置
こういった位置レジスタンスラインやエリアを引く方法もあります。
サポートラインとレジスタンスラインは抜けると役割が反転する
サポートライン(エリア)は下に抜けるとレジスタンスライン(エリア)として機能するようになります。
①の時点ではサポートエリアとして機能していた価格帯が、②で下に抜けてしまった後、③以降はレジスタンスエリアとして機能するようになっています。
もう一つ見ておきましょう。先ほども登場したチャートです。
赤の①で引けたサポートエリアが赤②、赤③でサポート(支持線)として機能した後、下に抜けた後は赤④のようにレジスタンスエリアとして機能し始めています。
なぜそうなるのでしょうか?
サポートエリアで買っていたトレーダーは、下に抜けてしまうと含み損が広がります。
その後サポートエリアに戻ってきてくれると、彼らはブレークイーブン(プラスマイナスゼロ)で撤退することができるので「やれやれ売り」をします。それにより売り圧欲が強まるので、そこがレジスタンスエリアとして機能するようになります。
それだけではありません。サポートエリアの下抜けでショート(空売り)をしたかったのに乗り遅れたトレーダーもいます。ショートに乗り遅れてしまったトレーダーは、戻ってきたところの2回目のチャンスでショートをします。サポートエリアの下抜け後の戻りには、そういった新規の売り圧力も加わります。
動くレジサポ 移動平均線
レジサポは水平に引くのが一般的です。
水平のレジサポはレンジ相場や、チャネルといってレンジ気味のトレンド相場では非常にうまくいきます。しかし強いトレンド相場では上手くいかないことも多々あります。
強いトレンド相場で機能するのは移動平均線が有名です。ダイナミックに値動きに追随して位置が動くレジサポです。
プライスアクションはテクニカルインジケーターをほとんど使わないのが特徴ですが、1本か2本の移動平均線だけは使うというプライスアクショントレーダーは多いです。
移動平均線をレジサポとして使う方法
20本移動平均線は強いトレンドが出ている時にレジサポとして機能しやすいと言われています。
強い上昇トレンドでは、20本移動平均線がサポートライン(支持線)として機能しながら上げていくことが多いと言われています。
逆に強い下降トレンドであれば、20本移動平均線をレジスタンスライン(抵抗線)として下げていくことが多いと言われています。
ダウントレンドの中で、何度も20本移動平均線がレジスタンスラインとして機能している部分があるのが分かります。
ただ、画像のようにトレンドが弱まったりレンジ相場気味になれば全然機能しなくなります。
トレンドがチャネル気味、つまりレンジっぽい動きのトレンドの場合は50本移動平均線がレジサポとして機能すると言われています。
先ほどのチャートに50本移動平均線を追加しました(オレンジ)。
50本移動平均線の場合は動きが緩やかになるので、もっと大きな戻しが出た時にレジスタンスとして機能しています。
トレンドの強さにより、どんな設定の移動平均線がレジサポとして機能するかが変わってしまうので、難しいところです。
私がおこなった本格的なバックテストでは、FXでも株でも日足の200本移動平均線が最も機能しやすいということを発見しました。
トレンドラインを使う方法
トレンドラインも移動平均線と同じように使うことができます。実際の値動きに合わせて自分で引いていくことになるので、移動平均線よりもさらに高精度と言えます。トレンドラインについては、また別の記事で詳しく解説しますのでここでは割愛します。
相場の値動きの秘密
相場は常に動いています。
上昇トレンドになっている時もあるし、ダウントレンドの時もあり、そしてレンジ相場の時もあります。また、値動きのボラティリティー(勢い)が高いときもあれば、ボラティリティーが低いときもあります。
同じ通貨ペアでも、その時によっていろんな値動きの仕方をします。
しかし一歩引いて、長期的な視野で相場を注意深く観察すると、相場の値動きは4つのステージに分けることができる場合が多いことに気づきます。
- アキュムレーション(買占め)
- 上昇
- ディストリビューション(売り抜け)
- 下落
一つ一つ説明しましょう。
アキュムレーション(買占め)
アキュムレーション(買占め)のステージは、しばらく価格が下げた後に起こります。ダウントレンドの後のレンジ相場のように見えます。
アキュムレーションにおける注目点は以下の通りです。
- しばらくダウントレンドが続いた後に起こる
- ダウントレンドの後のレンジ相場である(レジサポが形成される)
- 200本移動平均線などの長期の移動平均線の傾きが水平になる
- 値動きが200本移動平均線などの長期線の上と下を行ったり来たりする
上昇トレンド(アップトレンド)
連続して高値と安値の切り上げが続いていく相場です。
上昇トレンドの注目ポイントは以下の通りです。
- アキュムレーション(買占め)のレンジの高値をブレークアウトした後に起きる
- 高値と安値の切り上げが連続して起きる
- 価格が200本移動平均線などの長期線の上にある状態をキープする
- 200本移動平均線などの長期線が上向きに傾く
以上のような特徴がある場合は、よい上昇トレンドが出ていることが分かります。
ディストリビューション(売り抜け)
ディストリビューション(売り抜け)は、しばらく上昇トレンドが続いた後に起こります。上昇トレンドの後のレンジ相場のように見えます。
- ディストリビューションの重要ポイント
- 上昇トレンドがしばらく続いた後に起こる
- レジサポがわりと明確にわかるレンジ相場になる
- 200本移動平均線などの長期移動平均線の傾きが緩やかになり水平に近くなる
- 価格の値動きが200本移動平均線などの長期線の上下を行ったり来たりする
このような特徴がみられるなら、ディストリビューションが起きている可能性が高くなります。
この時点では買い手と売り手の力は拮抗していますが、上昇トレンドの段階に比べて急激に売り手の勢力が強まっていることは確か。
そこから重要なサポートエリアを下抜けしてしまったら、下降トレンドにシフトしていくことが予想されます。
下降トレンド
下降トレンド(ダウントレンド)は連続して高値と安値を切り下げていく相場環境です。
- 下降トレンドには以下脳ようなポイントがあります。
- ディストリビューションのレンジ相場のサポートエリアを下抜けした後に起きる
- 高値と安値の切り下げが連続して起きる
- 価格が200本移動平均線などの長期線の下にある状態を長期間維持する
- 200本移動平均線などの長期移動平均線が下向きになる
このような特徴を満たす場合、よい下降トレンドが出ていることを示します。
相場の4つのステージを知ってどうする?
相場の4つのステージを知ってどうなるの?と思っていることでしょう。
もしあなたが、チャートを見て今どのステージにいるのかある程度見分けられるようになると、それに合わせてトレード戦略を選択できるようになります。
どうやるかというと…
たとえば、今上昇トレンドのステージにいることが分かったなら、まずはあなたは売り手ではなく、買い手になるべきだと分かります。そして押し目で買うか、ブレークアウトで買うことができます。
もしくは…
ディストリビューションのステージにいると予測できるなら、今すぐではないせよ、上手くいけばショートで大きく稼げるチャンスが近いことが分かります。
その場合は、レンジの高値付近で少しずつ空売りしてはレンジの下の方で半分利食いを繰り返しながら、やがてサポートエリアを下に割り込んできたらショートを乗せていくことができます。
もしくは、レンジ相場なのでサポートエリアで買い、レジスタンスエリアで売りを繰り返すこともできます。
このように、相場における4つのステージを認識することができれば、いつ、どんなプライスアクション手法を使ってトレードすればよいのかが分かるようになります。
ローソク足パターンの秘密… エントリータイミングの精度を上げる方法
ここまでの解説で、あなたはざっくりとプライスアクションを理解できるようになりました。
どんな位置でエントリーすればよいのか?(レジサポエリアで)
相場における様々な相場環境でどのようにふるまえばよいのか(相場の4つのステージ)
しかし、まだ十分ではありません。
あと必要なのは売買タイミングです。どんなタイミングでエントリーするかです。
ローソク足パターンを使って売買タイミングを知る方法を学びましょう。
ローソク足のパターンとは?
ローソク足は4つのデータポイントがあります。
始値 – ローソク足が始まった時の値段
高値 – ローソク足の時間の中で一番高い値段
安値 – ローソク足の時間の中で一番安い値段
終値 – ローソク足が閉じた時の値段
図で解説しましょう。
陽線とは上昇のローソク足です。始値から上げて終値を付けたローソク足が陽線です。陽線では、終値は必ず始値よりも上になります。
陰線は下降のローソク足です。始値から下げて終値を付けたローソク足が陰線です。陰線では終値は必ず始値よりも下になります。
ローソク足のパターン
次は、エントリータイミングの精度を上げるためのローソク足パターンを解説します。
- ピンバー
- 含み線(エングルフィンバー)
ピンバー
ピンバーは1本のローソク足からなる反転パターンです。
早い話が、ヒゲの部分の長いローソク足がピンバーです。
ヒゲと実体の比率の条件は、2倍~3倍ぐらいというのが一般的です。
ピンバーの意味は…
例えば上の図の左側、売りのピンバーを考えてみましょう。
ピンバーの上髭の部分は、途中までは強い陽線だったのですが、そこから急激に下げてしまい、終値を付ける頃には上髭になってしまったということです。
この上ヒゲの部分は上昇を強く否定され、売り手が支配していることになりますので、その辺りは強い抵抗帯となります。ですので売りのピンバーが出たら売りシグナルとなります。
買いのピンバーの場合は真逆です。
途中までは完全に陰線だったのに、途中から急激に上げ始め、足がクローズする頃には下髭になってしまったということです。
下髭の部分は下落を否定し、買い手が支配していると言えますので、その辺りが強い支持線となります。ですから下髭のピンバーは買いシグナルとなるのです。
含み線
含み線は2本のローソク足からなる反転パターンです。
売りの含み線はこのように、1本のの陽線を2本目の陰線が完全に否定しているパターンです。
この2本のパターンを1本にまとめると売りのピンバーのようになります。
ですので、売りの含み線と売りのピンバーの意味はほとんど同じです。
高値を否定され、急激に下がって安値付近で終値を付けたということ。
買いの含み線も見ておきましょう。
買いの含み線は、1本目の陰線を2本目の陽線が完全に否定しているパターンです。
買いの含み線の2本のローソク足を1本のローソク足にまとめると、買いのピンバーのようになります。
ですので、買いの含み線の意味は下位のピンバーとほとんど同じです。1本目の陰線で付けた安値を2本目の陽線が完全に(そして急激に)否定して上げたので、その価格帯は強力なサポートになる。だから買いシグナルとなります。
ローソク足パターンのルールを暗記しなくてもよい方法
ピンバーと含み線を解説しました。しかしまだほかにもたくさんローソク足の売買シグナルはあります。しかし全てのローソク足シグナルを暗記する必要はありません。
どんなローソク足パターンでも、たった2つのことを意識すれば大丈夫です。
- そのローソク足パターンの価格帯のどの辺で終値を付けたか
- そのローソク足パターンの大きさはチャートの周りのローソク足と比較してどうか?
この2つのことが重要であり、この2つを意識すればプライスアクションパターンのシグナルを上手に使えます。
そのローソク足パターンの価格帯のどの辺で終値を付けたか?
この問いに答えることで、買いてか売りて、どちらが支配しているかを意識することができます。
このローソク足はどうでしょうか。
上髭がほんの少しだけついている長い陽線です。
買い手と売り手、どっちが支配していますか?
この場合は、売り手による高値の否定がほんの少ししかなく、陽線の実体が大きいので、買いがほぼ完全に支配していることが分かります。
このローソク足パターンはどうでしょうか?
一応陽線ですが、実態が小さく、長い上ヒゲになっており、低い位置で終値を付けています。これは明らかに売り手の方が支配しているのが分かります。
ローソク足を見て「買いか売りのどちらが優勢か?支配しているか?」を知りたいなら、そのローソク足パターンの値幅における終値の位置に注目することを覚えておきましょう。
売買シグナルとなるローソク足パターンは、売り買いの支配の方向性が急激に変化したパターンです。
特定の名前の付いているパターンでなくても、急激な支配の方向性の変化があれば、それは売買シグナルになり得ます。
そして売買シグナルとして重要なポイントがもう一つあります。それは…
そのローソク足パターンの大きさはチャートの周りのローソク足と比較してどうか?
ピンバーや含み線のパターンは、その形をしていたら全て同じように有効な売買シグナルになるわけではありません。
そのパターンの大きさ(値幅)が重要です。
例えば、形はピンバーの条件を満たしていても、周囲のローソク足と比べて値幅が小さく目立たない場合は、売買シグナルとしてうまく機能しません。
値幅が平均以上で目立つピンバーの場合は、売買シグナルとして機能しやすくなります。
また、直近の安値を髭の部分だけが下回っている場合はさらに良い売買シグナルになります。
(買いシグナルの場合はサポートエリアでシグナルが出ることも重要)
以上の2つのポイントを意識すれば、特定のローソク足パターンを暗記しなくても、ローソク足パターンの売買シグナルを見つけることができます。
明日から使えるプライスアクション戦略
プライスアクションを使ったトレード戦略はいくつもあります。
ここでは初心者のトレーダーが明日あらでも使えるシンプルな手法を解説します。
3ステップの手法です。
- 相場の状態を見極める
- 有利な価格を見極める
- プライスアクションシグナルでエントリーする
ステップ1 相場の状態を見極める
ここでは、3つのうちのどの常態かを見極めます。
- レンジ相場?
- 上昇トレンド?
- 下降トレンド?
レンジ相場であれば、買いも売りも両方狙います。
上昇トレンドであれば、買いだけを狙います。
下降トレンドであれば売りだけを狙います。
例を挙げて考えてみましょう。
このチャート場合はどうでしょうか?
かなり引いて、全体的に見てみると、全体的には下降トレンドです。
強い短期的な下降トレンドからレンジに移行したかな?という感じです。
過去の値動きを見てみると、強い下落 → レンジ相場 → 強い下落 を繰り返しているのが分かります。ここまでの流れが繰り返されるのであれば、ここからはレンジになりそうです。
目の前では強い上昇が出ていますが、下降トレンドから一気に上昇トレンドに変化することは少なく、まずはレンジ相場になって、そこから上昇トレンドに転換するなら転換し、転換しないならまた下げます。
ここからレンジ相場になることを想定するのが良さそうです。
チャートの状態をレンジ、トレンドと見極める時は、頭を柔らかくして柔軟な気持ちでやってください。硬い頭で特定のパターンにはめようとしすぎると、どうにもならなくなります。
また、同じチャートを複数のプロトレーダーが分析すると、人によって意見が分かれることも多々あります。ですから独断と偏見で楽しくやってみて下さい。
ステップ2 有利な価格を見極める
レンジ相場を予想したので、買いも売りも狙ってOKです。しかし全体的にはダウントレンドですし、まだ反転するという根拠が無いので、売り重視で良いと思います。
レンジ相場でもトレンド相場でも重要なことは、有利な価格でエントリーを狙うことです。
それは、早い話がレジサポエリアでエントリーしろということです。
先ほどのチャートにレジサポエリアを引いてみます。
ピンクの塗りつぶしがレジスタンスエリアです。レジスタンスエリアは売りが出てきやすい価格帯、売りが有利な価格帯です。
水色の価格帯はサポートエリアで買いが出てきやすいエリアです。
今ちょうどレジスタンスエリアに差し掛かっていますので、ここで売りを狙うことになります。
ステップ3 プライスアクションシグナルで売買タイミングを測る
売りを狙いたいレジスタンスエリアまで上がってきているので、レジスタンスエリアで売りのプライスアクションシグナルを待ちます。
- 売りのピンバー
- 売りの含み線
の発生を待ち、出現したらショート(空売り)します。
これは4時間足ですが、何日か監視すると売りシグナルが出現しました。
このように、レジスタンスエリアで売りのピンバーと含み線が出ているのでショートエントリーができます。このとき、4時間足だけではなく1時間足や30分足でも売りシグナルを監視すれば、もっと小さなロスカット値幅でたくさんの売りシグナルを見つけることができたと思います。
そしてこの場合は、サポートエリアで利食いできています。この場合は上手く利食いできていますが、逆方向に行ってしまった場合は迷わずロスカットします。エントリーと同時にロスカット注文を入れておくことが重要です。
ロスカット注文を入れることや、エントリー時のロット数をロスカット値幅に応じて正しく選択スキル、リスク管理のスキルはは非常に重要です。
ピンバーにおけるロスカット注文の入れ方や複数時間軸でエントリーする方法
ここで解説した方法は、プライスアクションを使った手法の中で最もシンプルな手法の一つです。
しかしこれぐらいシンプルな手法でも十分に優位性を持つことができ、20年近くトレード経験がある専業トレーダーの私も、ほとんどの場合はこのようなシンプルな手法でトレードしています。
私は、エントリーシグナルを待ってリスク管理をしてエントリーする部分を自作のEAに任せています。そうすることで感情を排除して淡々とトレードするのが楽になりました。
プライスアクションの基本 まとめ
いかがだったでしょうか。30分程度でプライスアクション手法がどういうものかを理解していただけたと思います。
駆け足で解説したので、初心者の方には少し難しかったかもしれません。でも安心してください。
このブログではもっとゆっくり、そしてさらに深くプライスアクション手法を解説していく連載も企画しています。
最後に今日学んだことをおさらいしておきましょう。
- プライスアクションは全てのトレーダーが学ぶべき必須のスキルである
- プライスアクションとは、ローソク足チャートだけを手掛かりにトレードの意思決定をするスキルのこと
- プライスアクションの第一歩はレジサポエリアを引けるようになること
- 相場の4つの状態を知る(アキュムレーション→上昇トレンド→ディストリビューション→ダウントレンド)
- ローソク足のパターンでエントリータイミングの精度を上げる(ピンバーと含み線がお勧め)
- ローソク足のパターンのどの部分で終値を付けたかが重要
- ローソク足のパターンの大きさは十分に大きいかも重要
- プライスアクション戦略ステップ1 → 相場の状態を見極める
- ステップ2 → 有利な価格を見極める(レジサポ)
- ステップ3 → プライスアクションシグナルを待ってエントリーする
- プライスアクション手法は聖杯ではない → やはりリスク管理がとても重要
プライスアクションを短時間で理解する方法と具体的な戦略の解説を終わります。