はらみ線(はらみ足)を上手に売買シグナルとして使う方法を解説します。はらみ線はFXや株で機能するプライスアクションの売買シグナルとして有名ですが、一般的なノウハウだけでは勝てません。いくつかのポイントを意識することで、凄くパワフルな売買シグナルに変身します。
専業投資家のサンチャゴが初心者でも分かりやすく、はらみ線の基本から、はらみ線+「だまし」を意識した応用まで解説します。
もくじ
はらみ線とは
はらみ線というのは、2本のローソク足からなるパターンのことです。どんなパターンかというと、一つ前のローソク足の値幅の中に、次のローソク足がすっぽりと入ってしまうローソク足パターンです。
はらみ線は、はらみ足やインサイドバーとも呼ばれます。
はらみ線の特徴は以下の通りです。
- 2本のローソク足から形成されるパターン
- 2本目が1本目の値幅の中に収まる
- 逆張りシグナルとして使われる
- トレンド相場の継続シグナルとしても使われる
↑の画像を見てください。
このように、2本のローソク足のパターンで、1本目のローソク足の値幅の中に、2本目のローソク足がすっぽりと入っているパターンとなります。
1本目が陰線で下げて、2本目が陽線になるパターンや、逆に、このように1本目が陽線で上げて、2本目が陰線になるパターンもあります。
レジサポでの逆張りシグナルとして使われたり、トレンド相場での継続シグナルとして使われることもあります。
はらみ線にはいろいろなバリエーションがあります。
はらみ線のバリエーションはいろいろあります。
・このように、1本目と2本目の値幅に大きな差があったり、
・それほど差が無かったり、
・2本目が上髭になっていたり
・下髭になっていたり、
・同時線になっていたり
他にもたくさんのパターンが考えられます。
でも、大切なルールはたった一つ。
1本目のローソク足の値幅の中に、2本目のローソク足がすっぽりと収まっているということです。
このルールを満たしていれば、はらみ線となります。
はらみ線の相場心理
次にはらみ線が出る際の相場心理について解説します。
はらみ線の2本目のローソク足に注目してください。2本目の部分を下位足で見ると、小幅なレンジになっていることがほとんどです。
紫の塗りつぶしの部分がはらみ線になっています。
この部分を下位足の5分足で見てみましょう。
上位足の1本目のローソク足の部分は大きめの値動きで、上位足の2本目の部分は下位足で見ると小幅なレンジへの変化があったことが分かります。
はらみ線が出る際の相場心理とは、小幅なレンジからのブレークアウトを狙っているトレーダーが、「待ち状態」で、ブレークアウトの瞬間を今か今かと待っている状態。ということになります。
はらみ線の2つの使い方
はらみ線には2つの使い方があります。
順張りでも逆張りでも両方使われます。
まず一つめは、強いトレンド相場が継続するのを狙って飛び乗っていく際の順張りシグナルとして使われます。
また、逆に、レジサポでの逆張りシグナルとしても使われます。
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
はらみ線を順張りの売買シグナルとして使う方法
まずは、はらみ線を順張りシグナルとして使う方法を解説します。
はらみ線は、強いトレンドが継続する際に、途中から飛び乗っていくための売買シグナルとして使うことができます。
ただし、条件があります。2つ条件があります。
- 上昇であれ、下落であれ、誰の目にも明かなほどに強いトレンドが出ていないといけません。
- すぐ近くに主要なレジサポラインが迫っていていけません。
この2つの条件を満たすのであれば、そのはらみ線がエントリーシグナルとして有効。
はらみ線を順張りシグナルとして使った例
では、順張りシグナルとしてはらみ線を使う例を見てみましょう。
はらみ線を順張りシグナルとして使う場合の例です。
これは、オージードルの1時間足です。
ここでははらみ線の買いシグナルを解説します。売りシグナルの場合は全てが上下逆だと思ってください。
まずこのように、明確な上昇トレンドが出ている必要があります。
次に、買いエントリーであれば、エントリーする際にすぐ頭上にレジスタンスライン(抵抗線)がないことを確認する必要があります。
すぐ上にレジスタンスラインがある場合、買いトレードが失敗に終わる可能性が高いからです。
この例の場合は、はらみ線の1本目の強い陽線がレジすタンスラインをブレークアウトししています。レジスタンスラインはブレークアウトするとサポートラインに変りますから、2本目の小さなローソク足がサポートラインのすぐ上に乗っかっている状態になります。
そこから上にはらみ線の高値をブレークアウトしたら、上には抵抗線が無いので上がりやすくなります。
はらみ線を逆張り売買シグナルとして使う方法
はらみ線は、逆張りシグナルとしても使えます。
はらみ線を逆張りシグナルとして使う際の条件
順張りシグナルとして使う場合と同じように、逆張りのはらみ線にも条件があります。すべてのはらみ線が、逆張りシグナルになれるわけではないんですね。
はらみ線を逆張りシグナルとして使う際の条件は以下の通りです。
- 逆張り売りの場合は主要なレジスタンスラインやレジスタンスエリアで出る必要がある
- 逆張り買いの場合は主要なサポートラインやサポートエリアで出る必要がある
はらみ線を逆張りシグナルとして使う際の2つのコツ
あと、はらみ線を逆張りに使う場合のコツが2つあります。
- 最初のシグナルではなく、同じ場所での2個目、3個目のシグナルの場合に有効とする
- 逆張りの場合はロスカットに余裕を持たせる
この2つを意識すれば、はらみ線を使って勝ちやすくなります。
はらみ線を逆張りシグナルとして使った例
はらみ線を逆張りシグナルとして使ってショートを狙った例を見てみましょう。これはEURUSDの日足です。
まず最初に、この水色に塗りつぶされたレジスタンスエリアにおいて、はらみ線が出ているということ。これが一番大切です。レジサポエリアやレジサポラインが無ければ、はらみ線が逆張りシグナルになることはありません。
レジサポエリアを明確にするスキルは最も重要なスキルの一つなので別のページで詳しく解説してます。
次に、同じレジサポエリアでの2つ目以降の逆張りシグナルになるのを待つというコツがあります。
はらみ線というのはそんなに強い逆張りシグナルではないです。ですから、そのはらみ線が、同じエリアで最初に出た逆張りシグナルだった場合位にはスルーすることが、僕の場合は多いです。もしくは、通常より小さなポジションでエントリーする程度にしています。
↑の画像の場合は、まず最初に売りのピンバーが出て、これが逆張りシグナル1個めとなっています。
次に、1つめのピンバーと次のローソク足と併せてはらみ線になります。
ですから、このはらみ線は2個目の逆張りシグナルとなります。2個目の逆張りシグナルになりますから、いきなり一個めの売買シグナルとしてはらみ線が出るよりも少し優位性が上がっていることが期待できます。
さらに少し後に、もう一つはらみ線が出ます。これは3つ目の逆張りシグナルとなりますのでさらに有効です。
このように、逆張りシグナルとしてはらみ線を使う場合には、
- レジサポを確認すること
- 2個め以降の逆張りシグナルとして使うこと
という2点を意識して慎重に使う必要があります。
あともう一つ、逆張りのはらみ線の場合はロスカット値幅に余裕をもたないといけないというのがあります。
この場合だと、はらみ線のパターンのすぐ上にロスカット注文を置くのではなく、レジスタンスエリアの外に、余裕をもってロスカット注文を入れるのがベターです。
逆張りの場合は、この例のように、実際に反転して下がるまでにレンジになってしばらく時間がかかる場合が多くなります。ですので、ロスカット注文をすぐ近くに置いておくと簡単にロスカットにかかってしまいます。
この場合も、次の売りシグナルとなる含み線(エングルフィンバー)のところで少し上に抜けていますので、ロスカット注文の位置が近すぎると、このようなちょっとした値動きでロスカットになってしまいがちです。
逆張りの場合は少しロスカット値幅に余裕を持っておく必要があるということを覚えておいてください。
はらみ線でエントリーするタイミング
はらみ線でエントリーする方法と、ロスカット注文の置き方を解説します。
これは、先ほどのはらみ線の買いシグナルの部分を拡大したものです。
エントリーするタイミングは、はらみ線が完成した後、はらみ線パターンの1本目のローソク足の高値を抜けた瞬間に成行で買いエントリーします。
高値の1pips上に逆指値の買い注文を入れておいても良いでしょう。
はらみ線でエントリーした際のロスカット注文(損切り注文)の位置は、はらみ線のパターンの安値の少し下に置けばOKです。どれぐらいの余裕を持つかは人それぞれですし、時間足によっても変ってきます。
はらみ線を逆張りシグナルとして使った場合は、ロスカット値幅をある程度余裕を持つことをお勧めします。
はらみ線を使ったエントリーの方法には、ブレークアウトを待たないアグレッシブな方法もあります。
はらみ線の条件が確定したら、次の足でブレークアウトを待たずにすぐに成行で買ってしまう方法です。
先ほどは、パターンの高値をブレークアウトするまで待ってエントリーしましたが、アグレッシブな人は、2本目のローソク足ではらみ線の条件が確定したあと、次のローソク足の始値でエントリーしてしまいます。
この場合、上に抜けずにそのままずるずると下がってしまった場合にはだましになってしまうというデメリットがあります。
その一方で、少しでも良い値段でエントリーするというメリットもあります。
この画像の場合はパターンの高値と、2本目のローソク足の終値の位置があまり変らないのでブレークアウトを待つ方が有利だと思います。
しかし、2本目がかなり下の位置で確定する場合には、ブレークアウトを待っているとエントリー価格が高くなってしまうというデメリットが出てきますので、2本目の確定ですぐにエントリーするメリットが出てきます。
あとは、2本目の高値ブレークアウトでエントリーする方法もあります。
はらみ線を、下位足における三角持ち合いと考えるなら、2本目のローソク足の高値ブレークアウトでエントリーするのが正統な方法かもしれません。
プライスアクションシグナルの細かいルールはいろいろと流派があり、これという決まりはないと思います。
バックテストをして、FXではどの方法が有効なのか?株ではどうか?という調査をしてみる必要があるかもしれません。
はらみ線を使って
はらみ線の「だまし」パターン
はらみ線を馬鹿正直に使うのではなく、「だまし」が起きた場合にだけ使おうという賢い方法です。
はらみ線のエントリーシグナルが発火した後、その値動きがだましとなり、その反対側にブレークアウトしていく際にエントリーします。
こちらの画像を見てください。
これはポンドドルの15分足です。
ダウントレンドの途中ではらみ線のパターンが出ます。そして次のローソク足がはらみ線の高値をブレークアウトした後すぐに戻ってピンバーになり、そのあとは結局はらみ線パターンの安値をブレークアウトしてダウントレンドが加速して継続しています。
この例は売りのピンバー単独でも売買シグナルになります。しかしその直前にはらみ線の買いシグナルが発火して買い手を誘い込んでいるので、その後の下落でだましにひっかかった買い手のロスカットを巻き込んで下落が加速しています。
ここではらみ線だましパターンのクイズ。
↓のチャートに「はらみ線だましパターン」が2か所あります。分かりますか?
答えはこちら。
このように、はらみ線のパターンが完成し、トレンドと逆らう方向にだましのブレークアウトが出て、その後に本命の方向にブレークアウトしてトレンドが継続していくパターンは結構よく起こります。クオリティーの高いエントリーチャンスになることが多いので、是非明日からのトレードで注意して探してみてください。
はらみ線のまとめ
- はらみ線とは2本のローソク足から構成されるプライスアクションの売買シグナル
- はらみ線 = はらみ足 = インサイドバー
- はらみ線は順張りでも逆張りでも使える
- はらみ線を順張りで使う場合はレジサポが邪魔をしないこと、強いトレンドが出ていることを確認する
- はらみ線を逆張りで使う場合は、メジャーなレジサポに当たっていることを確認する
- はらみ線のエントリーシグナルはパターンのブレークアウトが一般的
- はらみ線のロスカット注文の位置はパターンの反対側に置く(逆張りの場合は余裕を持つ)
- はらみ線のだましパターンとは、はらみ線からの最初のブレークアウトが失敗して反対側にブレークアウトする時にエントリーする方法
以上で、はらみ線(はらみ足)を売買シグナルとして使う方法の解説を終わります。
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